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BMWが商標「iM3」を出願。これまで「次期M3はエレクトリックオンリー」としていた姿勢を変更しガソリン版「M3」、電動版「iM3」にて棲み分ける?

2023/11/29

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| BMWのみならず、多くのブランドが現在「ガソリンエンジンへの回帰姿勢」を強めている |

「ハイブリッド強化」「ガソリンと電動版との併売」等戦略の変化も

さて、BMWが「iM3」なる商標を出願したことが明らかに。

これはつまり「M3の電動版」ということになりそうですが、この商標の出願についてはいくつかの思惑が見えてきます。

まず、大きな疑問として「次期M3はピュアエレクトリックモデルのみとなるはずで、であればiM3ではなくM3のままでいいのでは」というものがありますが、直近では「次期M3にはガソリン版も存在する」という報道が見られ、よってBMWは今後「ピュアエレクトリック版」「ガソリン版」M3を用意し、それぞれ「iM3」「M3」というように呼称を使い分けるということを意味しているのかもしれません。

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当初の計画から何もかもが「変わって」しまった

これはつまり、「次期M3はピュアエレクトリックのみでの展開」としていた計画を変更した可能性を示唆しており、実際のところBMWの製品開発責任者であるフランク・ウェーバー氏は「市場における(電動化車両以外の)ソリューションの存在は必要なことだ」とメディアに語っていて、BMW M社のボス、フランク・ファン・ミール氏も同様のコメントを残しています。

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こういった姿勢の変化については、EUの「ガソリン車禁止」に対する姿勢の軟化、そして他地域がさほどガソリン車の禁止に向けて動かないといった理由があるものと思われ、さらにはEVに対する需要の低下といった現在の状況を鑑みるに、次期M3を完全に電動(BEV)化してしまうと、販売機会を失ってしまうことにもなりかねないからだと考えていいのかも。

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実際のところ、ミニについても「次期JCW(ジョン・クーパー・ワークス)はピュアエレクトリック化される」と公言されていたものの(だからF56 JCWを購入したのにな・・・)、ミニはこの決定を覆して次世代ミニにおいてもガソリン版JCWを用意するもよう。

EV版に加えてガソリン版も追加予定の新型ミニ。「残念ながらマニュアルはありません」と明確にMTを否定、しかしパフォーマンスを向上させたJCWの追加があるもよう
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そしてポルシェも(ピュアエレクトリック化される)次期718ボクスター・ケイマンについて「(現行の)ガソリン版との入れ替えになる」としていた決定を覆し、エレクトリック版718ケイマン・ボクスター発売後も「ガソリン版を併売する」というコメントを発しています。

BMWはもともと「ガソリン」の選択肢を残していた

なお、BMWは最も早い時期に電動化をスタートさせた自動車メーカーではありますが、その一方でガソリンエンジンの開発も継続して行っており、ここは「ガソリンエンジンの開発を終了させた」メルセデス・ベンツとは完全に異なるところ。

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つまりBMWは「どう転んでもいいように」リスクヘッジ策を取っていたということになりますが、いわゆる「プランB」が発動したということなのかもしれません。

ただ、今回商標を出願したからといってBMWがすぐにエレクトリック版M3を発売するのかというとそうでもなく、というのもBMWは過去に「現行の(ガソリンエンジン搭載)M3より優れていなければ電動M3は作らない」コメントしているため。

そして次期M3に画素リイエンジン搭載モデルが用意されるのであれば、なおのことBMWはM3の電動化を急ぐ必要はなく、ソリッドステートバッテリーの実用化を待ちつつものごとを進めることができるのかもしれませんね。

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参照:CARBUZZ

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