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BMWがソリッドステートバッテリー(全固体電池)実用化一番乗り?今年前半に試作品の製造を開始し、2025年には車両に搭載しテストを開始との報道

2023/01/27

BMW

| いくら早くても実用化は2027年頃、余裕を見ると2030年頃になりそうだ |

それでも実用化できるという「保証」はどこにもない

さて、現在ソリッドステートバッテリーの実用化にもっとも近いと言われる自動車メーカーがトヨタとBMW。

そして今回報じられているのが「BMWが今年前半からソリッドステートバッテリーの生産を開始する」というニュースで、これによると、BMWは米国ソリッドパワー社との提携を強化し、今年にもソリッドステートバッテリー(全固体電池)のプロトタイプ生産を開始すると報じられています。

そしてこの話の現実性を高めているのが「BMWが、ミュンヘン近郊のパースドルフにあるセル製造コンピテンス・センターで生産を開始できるよう、研究開発ライセンスを付与された」という柄の報道であり、もしソリッドステートバッテリーの実用化がなされれば、これはそうとうに大きな革命だといえそうです。

BMWは2025年には車両に搭載してのテストを開始

欧州カーメディアが報じたところによると、BMWのバッテリー研究開発責任者を務めるピーター・ランプ氏が、今年前半にソリッドステートバッテリーの試作品の生産開始を行い、その後2025年までには車両に搭載してテストできるサイズのバッテリーセルを開発することを目指していると語ったとのことで、しかし「今年(2023年)にバッテリーパックの試作品生産を開始したとしても、それを車両に積んでテストできるようになるには、さらに二年もかかるのか・・・」と驚かされます。

ただ、ほかのバッテリー関連企業は「実用化までにはあと10年はかかる」とも述べており、それだけソリッドステートバッテリーの実用化が難しいということもわかりますね。

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BMWに話を戻すと、BMWとソリッドパワーの提携拡大の詳細は2022年12月に初めて発表されていますが、この契約により、BMWはソリッドパワー社に対して同社の固体電極の設計や製造ノウハウなどの独自技術を使用する代わりに、2024年6月までに2,000万ドルを支払うことになるとされ、ソリッドパワー社は、同社が開発した電解質材料に関する知的財産を保持することになるもよう(つまりBMWはスポンサーということになる)。

BMW

前出のピーター・ランプ氏によれば、「ソリッドパワー側にも、BMW側にも良いチームがあります。もし私たちが別々に前進するなら、力を合わせたときと同じスピードにはならず、ソリッドステートバッテリーの実用化はもっと先の話になっていたでしょう」。

BMWの取締役会メンバーであるフランク・ウェーバー氏は(提携拡大発表当時に)「ソリッドパワー社とさらに緊密に協力し、当社のパイロット施設でソリッドパワー社の設計に基づく全固体電池を製造できるようになることを楽しみにしています。この契約により、当社のソリッドステート試作ラインの設置が加速され、この有望なセル技術の商業化という両社共通の目標が達成されると期待しています」とコメントしています。

ソリッドステートバッテリーには安全上の問題が残ると言われるが

なお、BMWは2017年にフォードとともにソリッドパワーへと初めての投資を行っていますが、ソリッドパワー社自体は、年間最大15,000個のバッテリーセルを製造する計画を持っており、SKイノベーションなどのパートナーと協力して、投資している自動車メーカーに安定して供給できる規模のバッテリーを製造することが最終的な目標だとも報じられていますね。

ただ、ソリッドステートバッテリーには(現段階で)どうしても解決できない安全上の問題があるとも言われていて、それが原因で開発から撤退した企業もあり、たとえ99%まで開発が進んでいても、100%にならなければ実用化できず(なんせ自動車という、高い安全性が要求される製品に搭載されるものなので)、もし100%に達しないまま世に送り出してしまうとリコールとなるのは目に見えています。

よって、いかに完成に近づいたといえど、完成するかどうかはまだ未知数であり、まだまだ予断を許さない状況なのかもしれません(もしかすると実現できない可能性もある)。

加えて、自動車メーカーにとっては「組む相手を間違えると」実用化はおろか経営を揺るがすトラブルになる可能性もあり、慎重な判断が問われることになりそうです。

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参照:Auto News Europe

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