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| たった1−2年でポルシェの業績がここまで大きく悪化してしまうとは |
ここから立ち直るのは容易なことではないだろう
さて、これまでは好調が伝えられ、従業員に対して特別ボーナスすら支払っていたポルシェですが、今回そのポルシェが大幅な人員削減(リストラ)を計画しているとの報道。
これはロイターが報じたもので、以前の人員削減計画では不十分だったという判断のもとに行われるとされ、「この数年間で会社全体で約1,900人の削減を行う計画だ」というポルシェ広報担当者の発言も紹介しています。
ポルシェが実施した / 実施予定の人員削減計画
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昨年、1,500人の契約社員の契約更新を見送り
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さらに500人の契約社員の契約が間もなく終了
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今回、新たに1,900人の追加削減を発表
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1,900人の削減は主に工場、そして研究施設
今回報じられる人員削減は、主にポルシェの本拠地であるシュトゥットガルト周辺の主要施設に影響を及ぼすといい、特にツッフェンハウゼン(Zuffenhausen)の大規模工場と、ヴァイザッハ(Weissach)の研究施設が対象となるもよう。
ただし、ポルシェは強制解雇を避ける方針を示しており、以下の方法で人員削減を進める考えを示しています。
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このニュースは、VWグループがドイツ国内の工場閉鎖を回避するために大規模なコスト削減を進めている最中に報じられ、フォルクスワーゲンはすべての工場を維持する代わりに、2031年まで従業員の賃上げを凍結するという取引を成立させています。
しかし、それでもVWグループ全体で35,000人以上の人員削減が実施される可能性が指摘されており、今回のポルシェに関する報道はその「ひとつ」なのかもしれません。
人員削減の理由はもちろん「EV市場の低迷と中国市場での苦戦」
そして今回のポルシェによる削減計画の背景には”EV販売の低迷と中国市場での販売不振”があり、「ポルシェの2024年の世界販売台数は前年比3%減」「特に中国市場では28%の販売減」という事実が重くのしかかっているのだと思われ、さらには世界的な自動車市場の不透明感、特にトランプ前政権時代から続く貿易戦争や関税政策の影響が依然として自動車業界に不確実性をもたらしていることも関係しているのかもしれません。
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さらにEV市場の低迷、中国市場での競争激化、欧州の経済状況など、ポルシェやVWグループにとっては依然として厳しい環境が続くと予想され、人員削減が今後の業績改善にどの程度寄与するかは不明ではあるものの、VWグループ全体として大規模なリストラを進めざるを得ない状況にあるのは明白で、今後も同様の報道が相次ぐことになりそうです。
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しかし、それでもVWグループ全体で35,000人以上の人員削減が実施される可能性が指摘されており、今回のポルシェに関する報道はその「ひとつ」なのかもしれません。
人員削減の理由はもちろん「EV市場の低迷と中国市場での苦戦」
そして今回のポルシェによる削減計画の背景には”EV販売の低迷と中国市場での販売不振”があり、「ポルシェの2024年の世界販売台数は前年比3%減」「特に中国市場では28%の販売減」という事実が重くのしかかっているのだと思われ、さらには世界的な自動車市場の不透明感、特にトランプ前政権時代から続く貿易戦争や関税政策の影響が依然として自動車業界に不確実性をもたらしていることも関係しているのかもしれません。
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