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VW幹部「ID.6は現時点では利益が出ていない。それは認めよう」。生産効率やパーツ価格が現時点では低く、生産台数増加が必須

2021/05/13

VW幹部「ID.6は現時点では利益が出ていない。それは認めよう」

| ただし生産台数を増やせば増やすほどバッテリー価格が上がってしまうというジレンマも |

フォルクスワーゲンはエレクトリックモデル「ID.4」を発売し納車を開始したところですが、その価格(約430万円)では利益が”今のところ”出ていないということを認めています。

これはフォルクスワーゲンの開発責任者であるトーマス・ウルブリッヒ氏がメディアに対して述べたもので、主な原因は「ドイツの組立工場での生産が”まだ”効率化されていない」というもの。

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フォルクスワーゲンは「今後」に期待

なお、この効率化には様々な意味が含まれており、そのひとつは「まだ工場が組み立てに慣れていない」。

工業製品の生産効率には「習熟性」が関係しており、つまり慣れていないと時間あたりの生産台数が低く、作るのに慣れてくると時間あたりの生産台数が多くなるということですね。

そして時間あたりの生産台数が多くなると、「同じ時間=コストでも、より多くの台数が生産できる」ことになるために一台あたりのコストが下がり、逆に一台あたりの利益が上がるということになります。

トーマス・ウルブリッヒ氏が言うのはまさにこの「習熟度」であり、まだまだ工員たちがこの新しいクルマの生産に慣れていないということを意味します。

まだまだパーツの仕入れコストも「安くない」

そしてトーマス・ウルブリッヒ氏が続けるには、「生産台数がまだ多くないためにパーツのコストが高い」。

自動車メーカーといえどもそのパーツの多くはサプライヤーに発注したものを購入することになりますが、これも台数が増えれば増えるほどそのパーツのコストが下がってゆくことになるわけですね。

もちろんID.4のパーツの中にはほかのIDシリーズと同じものも多数含まれるとは思うものの、現時点ではまだシリーズ含めての生産台数はゴルフやポロには及ぶはずはなく、こちらも今後のID.4の生産台数増加、そしてほかのIDシリーズ投入によるマスメリットに期待したい部分です。

このほか、フォルクスワーゲンはバッテリー効率向上に加え、原材料やセパレーター、熱管理システムなどのコストを下げることで利益を出してゆきたいと考えているようですね。

ただし今後は「バッテリーの調達」がネック

しかしながらフォルクスワーゲンの計画が「思惑通り」進むかどうかは不明なところも多く、コンサルティング会社「カーラボ」によると、「電気自動車の需要が増えれば増えるほど、EV用バッテリーに使われる材料の供給が制約される」ことになり、これによってバッテリーのコストが上がる可能性が指摘されています。

リチウムイオンバッテリーを構成する原材料は「地球上の鉱物」であり、つまり限られた量しか存在しないため、需要が増えれば増えるほどこの価格は高騰することに。

これは「作れば作るほど価格が下がってゆく」のが常識であった自動車業界にとっては未知の領域であり、ここをフォルクスワーゲンはじめ各自動車メーカーがどう乗り切るのかには注目が集まるところです。

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