| ID.4はすでに23,500台の受注があるらしい |
さて、フォルクスワーゲンが新型EV、ID.4のデリバリーを開始したとアナウンス。
生産はドイツのツヴィッカウ工場にて行われ、その納車第一弾はドレスデンのトランスペアレント工場とウォルフスブルクのアウトシュタットにあるデリバリー・センターにて行われたようですね。
なお、このID.4はハッチバックモデルのID.3に続くID第二弾でSUVボディを持つことが特徴です。
現在テスラで最も売れているのが(SUVの)モデルYであるように、おそらくこのID.4はフォルクスワーゲンのEVシリーズにおいて再量販車種になる可能性を持っていると考えています。
実際にID.4は23,500台の受注を獲得
なお、フォルクスワーゲンによるとID.4はすでに23,500台の受注を抱えている、とのこと。
昨年フォルクスワーゲンは134,000台のBEV(電気自動車)を販売していますが、順調にデリバリーが進めばここから大きく販売台数を伸ばすことになりそうです。
フォルクスワーゲンは中国においてもこのID.4を(第一汽車、上海汽車との合弁にて)生産し、全世界合計で15万台を販売する方針を打ち出しており、ID.3を販売していない米国においてもこのID.4が投入されることからも「その気合の入りよう」が伺えますね。
ID.4はアウディe-tronシリーズと同じMEBプラットフォームを採用しており、現在のところ「77kWhのバッテリーパックと201馬力のシングルモーター」という組み合わせのみ。
ただしフォルクスワーゲンはここからバリエーションを増加させる意向を示していて、300馬力+4WDというハイパフォーマンスバージョン、逆にエントリーグレードの投入も計画中。
なお、フォルクスワーゲンにとってのIDシリーズは「シティコミューター的」な役割を果たしているようで、文字通り「普及価格帯で提供する移動手段」。
そのため運転する楽しみや動力性能については最初から視野に入れておらず、その意味では「テスラの競合ではない」とも見られているようですね。
実際に車体重量は2,124kgもあり、0−100km/h加速は8.5秒とされているので、「パワフルでキビキビ走るEV」を求める人には向いていないのかもしれません。
その性格は「快適志向」
走りを追求しない反面、フォルクスワーゲンはID.4に高い快適性を付与しており、数々の試乗レポートを見る限りでは非常に高い静粛性や安定性を持つ模様。
加えて「回生ブレーキ」の効きを比較的弱く、つまりガソリン車に近いフィーリングにとどめているようで、このあたり「ワンペダル」でのドライブを打ち出すいくつかのライバルとは異なるところです(ワンペダルドライブがあまり武器になっていないところを見ると、市場はこれを歓迎していないのかも)。
その価格は求めやすい「約430万円」
なお、ID.4の一回の充電あたり航続可能距離は約400キロだとされ、125kWh充電システムを使用すれば、約35分にてバッテリーを80%まで充電できるようですね。
グレードは(ファーストエディションを除くと)一つのみ、そして価格は39,995ドルに設定されていますが、補助金を利用すれば数十万円は安く購入することができるものと思われます。
米国ではシボレー・ボルト、フォード・マスタング・マッハE、キアNiro、ヒュンダイ・コナ・エレクトリックあたりがライバルとなるのかもしれません。