>アルファロメオ/アバルト/フィアット

世界で最も「神々しい」フィアット500Lが競売に。2015年には教皇フランシスコの移動に供され2016年には聖パトリックデーのパレードに使用される

世界で最も「神々しい」フィアット500Lが競売に。2015年にはローマ教皇の移動に供され2016年には聖パトリックデーのパレードに使用される
RM Sotheby's

| その来歴に起因して最高落札価格は1500万円を超えると目される |

歴史的に見てこれほどまでに価値があるフィアット500Lは他に存在しない

さて、フィアットというと「中古市場で大きく値下がりするブランド」の筆頭ではありますが、今回なんと最高落札価格「10万ドル(現在の為替レートにて約1520万円)」というエスティメイトが出されたフィアット500LがRMサザビーズ主催のオークションへと出品されることに。

なお、ここまで高額な価格が予想されているのは「2015年にフランシスコ教皇がニューヨークを訪問した際に乗車したクルマだから」ですが、フランシスコ教皇であればもっといいクルマに乗りそうなものだと考えたり。

ただしフランシスコ教皇は「庶民と近くありたい」という想いから高級車や特別仕様車を好まず、訪問先では最も安価な移動手段を用いることでも知られ、2019年に広島を訪問した際に選択したクルマが「マツダ3」であったことも広く報じられています。

RM Sotheby's

ローマ教皇「広島での移動手段」はマツダ3!質素倹約で知られるフランシス教皇は”あえて”CX-8ではなくコンパクトカーを選択?

| フランシス教皇は「もっとも安価な」移動手段を選ぶことでも知られる | ローマ教皇が来日し様々な話題を振りまいていますが、ぼくの興味としては、日本での移動に使用するクルマは何なのか、ということ。ロー ...

続きを見る

このクルマは世界でもっとも価値のあるフィアット500Lであることは間違いない

フィアット500Lはアメリカでは(新車だと)2万ドル程度で販売されており、平均的な(同年式の)中古車だとその半分である1万ドル程度で購入できるそうですが、今回出品されるフィアットLは「おそらく世界でもっとも価値のある個体」となるのは間違いなさそう。

その外装はメタリックブラック、そして平均的なサイズのホイールを持っており、まったくフランシスコ教皇らしくないクルマではありますが、この「普通さ」こそがフランシスコ教皇自身が求めたものなのかもしれません。

搭載されるエンジンは1.4リッター4気筒ターボ、出力は160馬力、そしてこのフィアット500Lのグレードは上位の「ラウンジ」なのでレザーシートやシートヒーターが内蔵される、と紹介されています(おそらくはフルノーマルであり、防弾設備などを持たないように見える)。

RM Sotheby's

このフィアット500Lは2015年に(フィアット・クライスラーの提供によって)教皇が移動する際の手段として用いられた後、セント・パトリック大聖堂のロバート・リッチー牧師の管理下に置かれ、2016年には聖パトリックデーのパレードに使用されていますが、その際にはティモシー・ドーラン枢機卿が鑑賞したという記録も残っており、世界でもっとも「ありがたい」フィアット500Lであることも間違いなさそう。

その後このフィアット500Lはニューヨーク大司教区によってカトリックの慈善活動、教育、救援活動を目的としたオークション団体に寄贈され、デア・トゥ・ドリーム・コレクションがこの車両を(オークションを通じて)入手し、それ以来ずっと保管して現在に至る、と説明されています(大司教区によって販売された最初の教皇車両=パパモビルであると言われている)。

RM Sotheby's

新車にて提供された後、わずかな距離を走行したのみなので、走行はわずか773マイルにとどまり、そしてその来歴を保証する「ニューヨーク大司教区が所有者として記載された」書類も付属するのだそう。

この「世界でもっとも有名な、しかし世界でもっとも謙虚な」人物の輸送を仰せつかったフィアット500Lがいったいどれくらいの価格で落札され、ここからどういった物語を紡ぎ出すのかはわかりませんが、注目すべき出品物であることは間違いなく、この成り行きには注目したいと思います。

あわせて読みたい、ローマ教皇関連投稿

フォード・ブロンコに「高貴な」ローマ教皇とのコラボモデル、「ポープ・フランシス・センター・1stエディション」登場!競売にかけられ収益金はチャリティーへ
フォード・ブロンコに「高貴な」ローマ教皇とのコラボモデル、「ポープ・フランシス・センター・1stエディション」登場!競売にかけられ収益金はチャリティーへ

| 通常のブロンコとは異なるありがたさが漂ってくる | 1966年の初代ブロンコ、1979年のフォード”パパモビル”ブロンコへのオマージュ さて、先日「子どもを持たずにペットを飼うのは身勝手だ。父性や ...

続きを見る

ローマ教皇、モーリシャスへ。パレード用パパモビルには初めて日産車、しかもピックアップトラックのNP300が採用に

| 現在のフランシスコ教皇は質素な庶民派で知られる | フランシスコ教皇がインド洋に浮かぶモーリシャスを訪れ、そこで乗った教皇専用車、通称「パパモビル(パーパモビル、ポープモビルと呼ばれることも)」に ...

続きを見る

ローマ教皇が来日の際に使用したトヨタ・ミライの「パパモビル」は2台製造されていた!うち1台がバチカンへと納車されることに

| てっきり1台だけのワンオフかと思ったが | ローマ教皇が世界各国を訪問する際に使用される車両、通称「パパモビル(パパモービレ)」。これは真っ白の外観に「SCV1(ステート・シティ・バチカン1号車= ...

続きを見る

参照:RM Sotheby's

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->アルファロメオ/アバルト/フィアット
-, , ,