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古今東西、もっとも高額にて取引されたフェラーリ11選!250GTO、290MM、275GTなど1950-1960年代の名車がズラリ。もっとも高価なのは250GTOの7000万ドル(92億円)

2023/04/06

フェラーリ

| ここまでクラシックフェラーリの価値が上がるとはエンツォ・フェラーリも予想しなかっただろう |

そしてフェラーリの価値はまだまだ上がることになるだろう

さて、フェラーリのクルマはクラシックカー、そして現行モデルともに非常に高い価値を誇りますが、かつて(フェラーリ創業者である)エンツォ・フェラーリは「今日、あなたが手にする(新車の)フェラーリは、未来のクラシックフェラーリである」と語ったことも。

つまりいかなるフェラーリであっても将来的には非常に高い価値を発揮することになると示唆しているわけですが、現存するフェラーリでもっとも価値の高いフェラーリとはどのモデルなのか、そして過去にはどれくらいの価格で取引されたことがあるのか、そのトップ11を見てみたいと思います(このリストは取引価格が明確になっているのものだけなので、個人間で取引されたものや、もっと高い価値があっても売りに出されていないモデルは含まれない)。

参考までに、「もっとも高価なフェラーリ」と言われる275GTB/Cコンペティツォーネ(3台のみが製造、1964年のル・マン24時間レースで優勝)はコレクターのもとを離れたことはなく、よって”無冠の帝王”となっています。

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1961年製 フェラーリ 250GT SWB カリフォルニアスパイダー ・・・1845万ドル

リストのトップに位置するのはこの1961年製フェラーリ250GT SWBカリフォルニアスパイダーで、これは2015年にArtcurialを通じて1845万ドルという高額で取引されたもの。

高額となった理由はその希少性に加えて「一度もレストアを経験していない」というオリジナル性の高さであり、なんと1971年から2015年までの間、一人のオーナーによって所有されて続けたのだそう。

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1956年製 フェラーリ290MMスカリエッティ・・・2200万5000円ドル

このシャーシナンバー0628を持つフェラーリ290MMスカリエッティは2018年のRMサザビーズ(オークション)にて落札されていますが、フィル・ヒル、ファンジオ、ピーター・コリンズ、そしてサー・スターリング・モスなど、多くのドライバーによってドライブされたという実績を持ち、1956年のミッレミリアでは、3.5リッター4気筒のモンツァ型エンジンを積んで2位入賞を果たしています。

その後、エンジンは290S型に換装され、ブエノスアイレス1000kmで3位に入賞したこともあるそうですが、こういったレースに出場した経験があること、著名ドライバーが運転した履歴がある個体は総じて高額になる傾向があるようですね。

なお、フェラーリ290MMスカリエッティは4台のみが製造され、現存するのは3台のみだとされています。

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1955年製 フェラーリ410スポーツスパイダー ・・・2200万5000ドル

これまでに販売されたフェラーリ車の中で9番目に高額だったのは、ファン・マヌエル・ファンジオとキャロル・シェルビーの両名が運転したこの1955年のフェラーリ410スポーツスパイダーで、RMサザビーズが主催したオークションを通じて2022年に落札されています。

とくにキャロル・シェルビーはこのフェラーリ410スポーツスパイダーを操り、生涯ドライブしたどのレーシングカーよりも多くのレースに(このクルマで)勝利したことがよく知られていますね。

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1964年製 フェラーリ 275 GTB/C スペチアーレ・・・2640万ドル

この1964年製275GTB/Cスペチアーレは、RMサザビーズのオークションにて(2014年に)2640万ドルで落札されており、ほかの(高額で落札された)フェラーリの多くがそうであったように、このクルマもまたモータースポーツにおける実績が豊富です。

フェラーリが製造した”わずか3台の”ワークス ベルリネッタ コンペティツィオーネの最初のクルマであることもその価値を押し上げたようですね。

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1967年製フェラーリ 275 GTB/4S N.A.R.Tスパイダー・バイ・スカリエッティ・・・2750万ドル

このフェラーリ 275 GTB/4S N.A.R.Tスパイダー・バイ・スカリエッティは2013年にオークションで落札されるまですっとエディ・スミス・シニアの一家が所有していたものであり、完全なレストアが施されているという一大。

北米のフェラーリディーラー、ルイジ・チネッティが「330GTSの代わりにオープントップのGTB/4が欲しい」という顧客のために10台のみを作らせたうちの1台であり、スティーブ・マックイーンの映画「トーマス・クラウン・アフェアー」にも登場したそうですが、”映画に登場した個体”もまた価格が上がる条件のひとつであるようですね。

なお、劇中では(オリジナルのアズーロ・メタリッツァートの代わりに)レッドへとペイントされて登場するなど、過去に何度かカラーチェンジが行われているのだそう。

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1956年製 フェラーリ290MM・・・2805万ドル

このフェラーリ290MMは2015年12月にオークションにて落札されており、もちろん現存する3台のうちの1台となっていますが、1956年の世界スポーツカー選手権にてファン・マヌエル・ファンジオがドライブした個体なのだそう。

その後、F1チャンピオンのフィル・ヒルや、ドイツ人GPドライバー、ウォルフガング・アレクサンダー・アルベルト・エドゥアルド・マキシミリアン・ライヒスグラフ・ベルゲ(タフィ)・フォン・トリップス(名前が長いな・・・)がドライブし、1956年にクリスチャンスタで行われたスウェーデンGPにて2位を獲得しています。

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1957年製 フェラーリ335 Sスパイダー・スカリエッティ・・・3573万ドル

このシャシーナンバー0674は2016年のオークションにて落札されており、やはり高額落札の理由は「モータースポーツにおける実績」。

1958年のキューバGPの優勝車であり、1957年のミッレミリアでは2位、スターリング・モス、ウォルフガング・フォン・トリップス、そして最初のF1ドライバーズチャンピオンとなったマイク・ホーソンがドライブしていたという背景を持つのだそう。

その戦績はフェラーリの遺産やレースのルーツをたどるための数多くの書籍に記録されており、非常に有名な個体ではありますが、これをさらに有名にしたのはサッカー界のスーパースター、リオネル・メッシが購入したということであり、もし再び売りに出されるようなことがあれば、2016年の落札価格とは比較にならないほど高値で落札さえれることになりそうですね。

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1962年製 フェラーリ250GTO・・・3815万ドル

このフェラーリ250GTOの落札価格は「当時(2014年)最も高価なフェラーリ」として記録されており、マッチングナンバー(エンジン・シャーシ番号3851GT)を持つこと、オリンピック選手であったジョー・シュレッサーが所有していたこと、1962年にジョー・シュレッサーがハンドルを握ってツール・ド・フランス・オモビルに出場し、2位に入賞したことなどが高く評価されています。

しかし、生涯通じトラブルとは無縁の生活を送っていたわけではなく、クープ・デュ・サロンのレース中にコースサイドの建物に衝突したことがあり、その際にはジョー・シュレッサーのコパイロットが致命傷を負ったほか、この250GTOも大きなダメージを受けたといったことも。

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その後はフェラーリのファクトリーでレストアされ売却されていますが、この個体を購入した元F1ドライバーのエルネスト・プリノートもこの車をクラッシュさせ、プリノート自身の工房で2度目のレストアが行われたという過去を持っています。

その後、エンツォ・フェラーリ直々にフェラーリ・クラブ・イタリアの結成を命じられたファブリツィオ・ヴィオラーティがこの250GTOを入手し、2010年に彼が亡くなるまで45年間所有していたものの、死後の2014年に売却されることとなっています。

1962年製 フェラーリ250GTO・・・4700万ドル

2023年11月にRMサザビーズの開催によるオークションにて落札され、手数料を含めると5170万ドルとなり、「オークションで落札されたフェラーリ」としては手数料を含めるとナンバーワン、手数料を抜きにするとナンバー2。

この個体はフェラーリが1962年のレースで唯一ファクトリーレーシングマシンとして使用したもので、ニュルブルクリンク1000kmレースにてクラス1位を獲得していますが、その後1963年にはプライベーターの手にわたり、さらにその後には2011年のアメリア・アイランド・コンクール・デレガンスではベスト・オブ・ショーを獲得する等、現役引退後も華々しい活動を行っていることが報じられています。

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1962年製 フェラーリ250GTO・・・4840万5000ドル(5170ドル)

こちらもまたフェラーリ250GTOがランクインしたということになりますが、250GTOはわずか36台(プロトタイプ3台を除く)しか製造されず、その多くがレース中に大破した経験を持つため、「クラッシュ経験のない」もしくは「程度の良い」個体は非常に価格が高くなる傾向があります。

この250GTO(シャシーナンバー3413)は2018年のRMサザビーズ・モンタレー・オークションにて落札され、36台の250GTOうちの3番目に製造された個体であり、スカリエッティによるシリーズII GTO/64ボディワークが(現役中に)与えられた”わずか4台”の250GTOのひとつなのだそう。※このボディワークは後に架装されたものを含めると7台が存在する

1962年から1965年にかけ、このシャシーナンバー3413はタルガ・フローリオでのクラス優勝(1963年と1964年)はじめ様々なレースで15以上のクラス優勝と総合優勝を果たしていますが、重要な要素として、2018年にフェラーリ・クラシケ(フェラーリのクラシックカー管理部門)の認証を受け、現存する非常に優れた250GTOのひとつであるというお墨付きをもらったことも高額落札の理由だと考えられます。

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フェラーリが公式にて「もっとも人気のあるフェラーリ」、250GTOについて語る。製造された36台すべてが現存し、中には77億円で落札された個体も
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1963年製 フェラーリ250GTO・・・5200万ドル

またしても250GTOがランクインしており、しかしこの250GTOはオークションではなく個人売買によって2013年に譲渡されたもので、コネチカット州を拠点とするコレクター、ポール・パッパラルド氏が売却したもの(購入者は明かされていない)。

ポール・パッパラルド氏は、1974年の購入以来、複数のヘリテージレースシリーズに参戦していたとされています。

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1963年製 フェラーリ250GTO・・・7000万ドル

現時点で「フェラーリ史上最も高価な個体」は2018年にウェザーテックのCEO兼創業者であるデビッド・マクニール氏が(個人取引にて)購入した250GTOシャーシナンバー4153 GTで、この250GTOは1964年のツール・ド・フランスで総合優勝とクラス優勝を果たしたという実績を持っているのだそう。

デビッド・マクニール氏はこのほかにも250GTベルリネッタSWB、250GTルッソ、275GTB、F40、F50等を所有しているものの、それらの中においても「もっとも価値がある一台」であるのは間違いなく、もともとは「シルバーにイエロー」というカラーリングだったそうですが、現在は画像の通「シルバーにフレンチトリコロール」という仕様へと変更されています。

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参照:CARBUZZ

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