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フェラーリが公式にて「もっとも人気のあるフェラーリ」、250GTOについて語る。製造された36台すべてが現存し、中には77億円で落札された個体も

2023/02/16

フェラーリが公式にて「もっとも人気のあるフェラーリ」、250GTOについて語る。製造された36台すべてが現存し、中には77億円で落札された個体も

| ボディのバリエーションも多く、中には「後期型」に改造された前期型250GTOも |

もっと希少なフェラーリも存在するが、モータースポーツ上での戦績を考慮すると250GTOよりも価値が高いフェラーリは見つからない

さて、フェラーリが「フェラーリ史上、もっとも有名で美しいクルマ」だと言われる250GTについてのコンテンツを公開。

フェラーリ250GTOは非常に高い相場にを誇り、さらには個体数が少ないことからそうそう市場に出てきたり購入したりできるクルマではなく、よって数多くのレプリカが存在します。

ただ、このフェラーリ250GTOについては、その芸術的な美しさが認められ、ボローニャの裁判所が2019年に「いかなる企業も、フェラーリのエンジニアリング的象徴ともいえる250GTOのレプリカを作ることはまかりならん」という判決を出したことが有名で、つまりはそれだけの識別性や固有性を持っている、ということになりますね。

フェラーリのエンブレム
イタリアの裁判所が「フェラーリ250GTOは芸術作品」と認定。今後レプリカ、コピーは法的に一切製造不可能に。なお自動車で芸術作品に認められたのはこれが「初」

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フェラーリ250GTOは機能優先のデザインを持っていた

フェラーリ250GTOは長く低いボンネット、車体デザインとマッチした流線型のヘッドライトカバーを持つことから「アリクイ(The Anteater)」というニックネームを持っており、しかし細部に至るまで「機能最優先」にて設計されていたといいます。

「GTO」とはグランツーリスモ オモロガータ(Gran Turismo Omologata、英語だとGrand Touring Homologation)の略であり、250GTOはFIAが定めるグループ3グランドツーリングカー・モータースポーツ・カテゴリーのホモロゲーション取得のために誕生したクルマ。

当時のライバルはACコブラ、ジャガー E タイプ、アストンマーティン各モデルであり、当時重要視されはじめていた空力性能の追求がなされています。

Ferrari-250GTO (2)

なお、250GTOは白紙状態から設計されたスポーツカーではなく、GTOの先行モデルは、近い設計を持つ250GT「SWB」(ショート・ホイールベース)であり、これは1959年後半にデビューしたのち、モータースポーツにて大きな成功を収めることに。

ただしフェラーリとしても(ライバルに対抗するため)さらに高い戦闘力を持つマシンを開発する必要性に迫られ、250GT SWBのエンジニアリングとパッケージングを活かして制作したのがこの250GTO。

「250」の由来は1気筒あたり250ccの排気量を持つコロンボV12エンジンであり、ボディ形状は2シーターのベルリネッタ、車体構造は軽量なチューブラーフレーム。

Ferrari-250GTO (4)

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3.0リッターV12エンジンは、よりシャープなハンドリングを実現するため、より低く、そしてより車体中央へ(つまりフロントミッドシップ)マウントされ、チューブラーフレームのパイプ径は軽量化のために細められ、ボディパネルはエアロダイナミクスを追求してよりなめらかに。

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このV12エンジンの最高出力は300馬力を発生し、880kgという軽量さを活かして最高速は280km/hを誇りますが、これらは250GT SWBよりも20馬力多く、11km/h速く、60kg軽いというスペックです。

もちろんその戦闘力は非常に高く、FIAのGT国際マニュファクチャラーズ選手権においては1962年、1963年、1964年の3年間、2リッター超クラスにおいて制覇をなしとげています。

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当時のプロトタイプは既存の250GT SWBをベースに設計され、GTOのノーズには、グリルに加えて3つの着脱可能なパネルを持つD字型エアインテークが取り付けられていて、これは250GTOのデザイン的な特徴だと言っていいかもしれません(250GTOにはいくつかのボディバリエーションがあるが、1964年型ボディを装着した3台を除くと、ほかすべての250GTOに備わっている)。

リアだとカムテールを持つこと、そのカムテールに向かって大きな抑揚がつけられたリアフェンダーが特徴的で、これは後のフェラーリのロードカーのいくつかにも採用されるモチーフとなっていますね。

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250GTOのインテリアは(その生い立ちからすると当然)簡素な仕様を持っており、最優先されたのは「軽量化」。

クロス製の表皮を持つバケットシートを持ち、カーペットやルーフの内張りはなく、ゲート式シフトレバーを採用しています。

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250GTOは生産された「すべて」が現存する

このフェラーリ250GTOは1962年から1964年の間に36台が生産されていますが、すべて公道走行が可能なスペックを持ち、さらに驚くべきはすべての台数が今日も存在している、ということ。

もちろん250GTOより生産台数が少ないフェラーリも数多く存在するものの、その美しさ、そしてモータースポーツにおける輝かしい歴史という点では「もっとも人気のあるフェラーリ」であることは間違いなく、過去には70億円オーバーで落札されたこともあるほどです。

Ferrari-250GTO (3)

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そして250GTOについてもうひとつ興味深いのは「様々なボデイ形状、ディティールを持つ個体が存在する」という事実。

最初の33台つまりシリーズ1はフロントフェンダー後部に二本の「エラ」があり、残りの3台(シリーズ2)では特徴的なD字型ベントがなく、フロントフェンダーのエラが「3本」となり、そしてこの3台はピニンファリーナによってデザインされた「250LMのリヤセクションに似た」ボディ形状を持っています。

なお、シリーズ1のうち4台がこの「1964年仕様」へとコンバートされているようですね。

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参照:The Ferrari Official Magazine

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