>フェラーリ ■映画や音楽、本、ゲームについて

映画「フェラーリ」はエンツォ・フェラーリのもっとも辛かった1年に焦点が当てられる。あまりの苦悩続きに監督いわく「観客にとっては心が痛む作品になるだろう」

フェラーリ

| さらにはリアルな事故の描写に起因して北米ではR指定となるようだ |

ぜひともエンツォ・フェラーリの「復活」までを描いてほしいとは思うが

さて、映画「フェラーリ(原題はそのままFerrariで、邦題や日本公開は未定)」の北米での公開が2023年年末に決定したとの報道。

監督は「コラテラル」のマイケル・マンですが、同監督は20年(一説には30年)もの間この計画を温めていたとされ、とくにフェラーリに対して熱い思い入れがあることでも知られています。

参考までに、マイケル・マンとフェラーリとの接点は祖父の乗っていた275GTBにあるといい、それ以来ずっとフェラーリは同氏のなかで大きな存在であったようですね。

マイケル・マンは「マイアミ・バイス」によってフェラーリを北米に広める

なお、マイケル・マンはTVシリーズの「マイアミ・バイス」のプロデューサーを務めたことでも知られ、同作品中にて(当時のフェラーリのインポーターとのタイアップによって)テスタロッサを使用することでフェラーリの北米における知名度を大きく向上させた人物としても知られます。

さらには「フォードvsフェラーリ」のエグゼクティブプロデューサーとしても名を連ねており、様々な局面においてフェラーリと関わってきた人物でもありますね。

マイアミ・バイスに登場した個体と同じ仕様を持つフェラーリ・テスタロッサが競売に登場!高額落札も納得の素晴らしいコンディション
マイアミ・バイスに登場した個体と同じ仕様を持つフェラーリ・テスタロッサが競売に登場!高額落札も納得の素晴らしいコンディション

| これだけのコンディションを持つフェラーリ・テスタロッサはなかなか出てこない | しかも外装ホワイト、内装ベージュという希少カラー さて、マイアミ・バイスに登場したものと同じ仕様を持つフェラーリ・テ ...

続きを見る

そしてこの「フェラーリ」にて主演を務めるのはアダム・ドライバー。

ただし当初はクリスチャン・ベールが主演する予定だったそうですが、クリスチャン・ベールが体重を増やすことができず、代わりとしてヒュー・ジャックマンにオファーが行くものの、結果的にはアダム・ドライバーに落ち着いています。

そのほか、ポルシェからレースに参戦するなど生粋のカーガイとして知られるパトリック・デンプシーがフェラーリのファクトリードライバーであるピエロ・タルフィを演じることもわかっていますね(本人のドライビングスキルを考慮すると、スタントは必要なさそうだ)。

映画「フェラーリ」は心痛を伴う映画になりそうだ

この映画「フェラーリ」はエンツォ・フェラーリのもっとも辛い時代に焦点を当てたもので、エンツォ・フェラーリを美化するものではなく、徹底したリアリティをもってエンツォ・フェラーリを取り巻く状況、そしてその人間関係を描いたものだとされています。

映画の舞台は1957年に設定されており、マイケル・マンによれば、1957年を選んだのはそれがフェラーリの「annus horribilis(=アナス・ホリビリス、ラテン語で「ひどい年」という意味)」であったため。

最愛の息子ディーノが前年に亡くなり、会社としてのフェラーリは財政的な混乱に陥り、フェラーリを支えてきたドライバーが次々サーキットにて事故死し、その苦しさから逃れるためかエンツォ・フェラーリはリナ・ラルディ(シェイリーン・ウッドリーが演じる)との情事を始め、ペネロペ・クルスが演じる妻に対しては秘密の息子(ピエロ)がいることを隠し続けなくてはならなくなるなど、公私共に絶え間なく襲いかかる重圧に耐えかねていた時期だったのだと考えられます。

1

よって、映画で描かれるのは、フェラーリを率いて勝利を量産するエンツォ・フェラーリではなく、ひとりの打ちのめされた男としてのエンツォ・フェラーリということになり、マイケル・マン監督自身も「この映画は、視聴者にとって難解な視聴体験になるだろう」とも。

そしてこの「フェラーリ」は北米ではR指定になるといい、その理由は「レース中の事故の、あまりに生々しい描写」だとされています。

マイケル・マンは「史上最悪の事故」となった1955年のル・マン24時間レースでの事故を検証し、ミッレミリアでの死亡事故の目撃者にも話を聞くなどして劇中でのリアリティを高めるための情報を集めたそうですが、もちろんその経験がこの映画にも生かされており、結果としてそれが”血なまぐさい”表現へと繋がったようですね。

死者83名、負傷者180名というモータースポーツ史上最大の惨事「1955年のル・マン」が短編映画化

| 1955年、ル・マンでの大惨事がアニメーションにて再現 | 死者83名、負傷者180名という「モータースポーツ史上最大の大惨事」となった1955年のル・マン24時間レース。 今回、フランスのムービ ...

続きを見る

今回、マイケル・マン監督からは「フェラーリ」について様々な情報が語られることとなっていて、これらの話を総合するに、「フォード VS フェラーリ」のように、単なるレースや自動車に関する映画ではなく、そこに関わる人々の苦悩や挫折といった側面に焦点が当てられることになりそうです。

エンツォ・フェラーリ自身、「フェラーリの工場は機械でできているが、フェラーリのクルマは人でできている」とも語っており、フェラーリを作ってきた「人」たちがどう描かれるのかにも期待したいところですね。

合わせて読みたい、フェラーリ関連投稿

フェラーリが「フェラーリが登場するオススメの映画など映像作品、ベスト20」を一挙公開!いざ観てみようぞ
フェラーリが「フェラーリが登場するオススメの映画など映像作品、定番の20本」を一挙公開!いざ観てみようぞ

| フェラーリと映画との関連性は非常に強い | 中には「フェラーリが登場しなければ話が成立しない」作品も 今回フェラーリが「休日に観るべき、(フェラーリの登場する)定番の映画(映像作品)」を紹介してい ...

続きを見る

2023年公開の映画「フェラーリ(Ferrari)」にてエンツォ・フェラーリを演じるアダム・ドライバーの映像が初公開!「フェラーリ最悪の時」がついに語られる
2023年公開の映画「フェラーリ(Ferrari)」にてエンツォ・フェラーリを演じるアダム・ドライバーの映像が初公開!「フェラーリ最悪の時」がついに語られる

| レース要素抑えめ、おそらくはヒューマンドラマになるものと思われる | エンツォ・フェラーリの苦渋の決断、そして苦悩の日々をアダム・ドライバーが熱演 さて、長い調整期間を経てようやく撮影が開始された ...

続きを見る

参照:Variety

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->フェラーリ, ■映画や音楽、本、ゲームについて
-, , , ,