
Image:pistonzero
| 名車NSXのカスタムには“節度”が必要だが… |
絶対にこれは議論の的になるだろう
初代ホンダNSX(北米ではアキュラNSXとして販売)は自動車史において極めて特別な存在です。
よって、その完成されたデザインやバランスを損なわずにカスタムするのは至難の業ですが、オーストラリアのチューナー「オートティック(Autotique)」が”その難題”に対する見事な解答を提示してきたとして大きな話題に。
彼らが公開した新作ワイドボディNSXは、過剰に走らず、それでいて確かな存在感と現代性を備えており、“やりすぎず、でも印象的”という絶妙なバランスで仕上げられた一台であると評されているわけですね。
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すべてはCGから始まった:PistonZeroによるデジタルレンダリング
このNSXは、JDMカルチャーに強い情熱を持つCGアーティスト「ピストンゼロ(PistonZero)」によるレンダリングがベース。※最近はレンダリングアーティストの作品を実車に反映させるカスタムが非常に増えてきた
前期型NSXをベースに、よりシャープなキャラクターラインを加え、フロントバンパー下部左右にはAMG各モデルやポルシェ718 GTSに見られるような大型エアインテーク、さらにはアグレッシブなスプリッター、ダイブプレーンも採用されています。
リアセクションでは、現代的なLEDテールランプと大型ディフューザーによってクラシックとモダンの融合が果たされ、ひと目で「NSX」とわかる特徴をキープしつつも「アップデート」がなされているようですね。
Image:pistonzero
最も目を引くのは機能美に優れた「ワイドフェンダー」
このカスタムの最大の見どころはボディサイドの約3/4を覆うワイドフェンダー。
下部にはエアの流出口が設置されることで空力への配慮が見受けられ、さらに立体的なサイドスカート、大型のサイドエアインテーク、そしてフロントには通気口付きのボンネットも(CG版のみ)装備されています。
このスタイリングは、かつてNSXが活躍したJGTC(全日本GT選手権)や現代のSUPER GTを彷彿とさせるものであり、モータースポーツの血統を感じさせ、「現実性、あるいは意味のある」カスタムだと言えるかもしれません。
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レンダリングから現実へ:実車としての完成度も高い
上述の通り、原案となったのは3Dアーティストの描いた「もしも」系レンダリング。
ただしこのCGは空想上の産物にとどまらず、アーティストとチューニングショップとのコラボレーションによって実現されることとなったわけですが、このクルマは2025年7月12日にシドニーで開催された「セッション(Session)」オートイベントで初披露され、大きな注目を集めることとなったのだそう。
ボンネットこそは実車版だとノーマル形状に変更されたものの、フェンダーやロッカーパネル、そしてリアのテールライト等はレンダリングを忠実に再現。
このテールライトは市販予定ということも付け加えられ、これはNSXオーナーにとっては朗報と言えるかもしれません。
なお、内装については(レンダリングにあった)ロールケージなどが省かれており、公道使用を前提にした現実的な仕上がりになっているようですね。
今後の展開は? 市販の可能性にも注目
「テールランプは市販される」というものの、は今のところこのNSXがワンオフか、それともパーツ単位で市販されるのかはわかっておらず、しかしテールライト同様、他のエアロパーツについても今後”市販化”の展開が期待できるのかもしれません。
ちなみに初代NSXは“戦闘機にインスパイアされた”空力設計で知られており、高速域での安定性に定評がありますが、このワイドボディがその特性をどう変化させるのか、ぜひ実際の走行において検証を行ってほしいと思います。
まとめ:原型を崩さず“現代化”したNSXの理想形
カスタムは常に“リスク””批判”と隣り合わせではあるものの、オートマティックとピストンゼロは初代NSXの持つ美しさ・バランス・レーシーさを損なうことなく、現代風にアップデートすることに成功したようにも思います。
少し前にも「現代風ホンダS2000」が公開され話題となりましたが、今後は「過去の名車」を現代風にカスタムするという手法がますます盛んになるのかもしれません。
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参照:pistonzero, thelowtow(Instagram)