
| その発想は常人には理解し難く、相当なコストを投じて改装がなされている |
販売価格はNSXや360モデナの中古相場とほぼ同等に「1220万円」
さて、スイスにて「ホンダNSXをベースとし、フェラーリ360モデナ風に改装された(つまりレプリカ)」車両が販売中。
確かにフェラーリは「あこがれのクルマ」かもしれませんが、現代ではホンダNSXも非常に高い評価と価値を持つスポーツカーであり、一見するとこのカスタムは「常人には理解しがたい」ようにも思えます。
ちなみに販売価格は75,000ユーロ(現在の為替レートでは約1220万円)なのでけっこうな金額にて販売されているということとなり、これは360モデナの販売相場と同程度です。
その名は「フェラーリ361」
このフェラーリ360モデナ風のホンダNSXは「フェラーリ361」と命名されており、オーナーは17台ものカーコレクションを保有しているというので、かなり裕福な人物であると考えられます。
よって「フェラーリが欲しくても買えない」からこのクルマを作ったのではなく、このオーナーがNSXをベースとしてフェラーリ360モデナのレプリカ(フェラーリ361と命名されている)を作った理由は「信頼性の高いフェラーリに乗りたかったから」。
おそらくこのオーナーはそれまでにもフェラーリを乗り継いでおり、しかしその信頼性の低さに辟易していたのかもしれず、よって「フェラーリの外観を持つ、信頼性の高いスーパーカー」を作ろうとしたのだと思われます。
なお、フェラーリ360モデナは数々の新機軸を盛り込んだ、当時としては先進的なフェラーリであり、快適性や信頼性も(それまでのフェラーリに比較して)段違いに向上しているものの、それでもこのオーナーにとっては「不十分」だったのでしょうね。
そしてこういったオーナーがホンダNSXをベースに選んだことは非常に納得性が高く、というのもホンダNSXは「ホンダ」だけあって優れた信頼性を持っており、それは当時のスーパーカーメーカーの認識を根底からひっくりかえすに十分であったと言われます。
発売当時のNSXのキャッチコピーは「緊張ではなく、開放するスポーツカー」というものでしたが、これは当時のスーパーカーが「(その運転の際に)緊張や忍耐を要求するもの」であったのに対し、NSXでは何も心配せず、そして苦労せずに乗れるということを示しています。
よってこのオーナーはフェラーリのレプリカを作ろうとしたわけではなく、「フェラーリの代替車」を作ろうとしたのだと解釈でき、その改造内容は以下の通り。※改造そのものは18年前になされている
- エキゾーストサウンドも本物同様にチューニング(ステンレス製可変バルブつきエキゾーストシステム)
- ボディパネルを全面変更し、フェラーリ360モデナ風のデザインに
- 本物のフェラーリ製ミラーキャップやライトユニット を使用
- ワーク・マイスターS1ホイール(前17インチ・後18インチ) を装着
- レザーと赤いアルカンターラでシートを張り替え
- フェラーリの跳ね馬エンブレム をシートバックに配置
- モモ製ステアリングホイール や カーボン調センターコンソール を採用
- フェラーリ製のチタン製ドアシルプレート を装着
搭載されるエンジンは3リッターV6(VTEC)のままですが、その出力は300馬力にまで引き上げられているといい、「3.6リッターV8、400馬力」のフェラーリ360モデナには及ばないものの、「日常的に乗れる」という意味において、このレプリカのほうが「カーライフを豊かにしてくれた」のかもしれませんね。
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