>トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS)

レクサスが「航続距離1,000km」の新型EV、LF-ZCとLF-ZLの生産を2027年中央まで延期するとの報道。「より優れた生産方法を追求」

レクサスが「航続距離1,000km」の新型EV、LF-ZCとLF-ZLの生産を2027年中央まで延期するとの報道。「より優れた生産方法を追求」

Image:LEXUS

| 現在、EVに関する技術は恐るべき速さで進化しており、「数年先にも」最前線で活躍できるクルマを設計せねばならない |

そして数年先であってさえ、ライバルがどの位置にいるのかがわからない

さて、トヨタは米国にて3列シートEVの発売を延期すると発表していますが、その直後にNHKが「レクサスも新型EVの発売を2027年まで延期する」と報道。

トヨタはほぼ1年前、ジャパンモビリティショーにて「2026年に2台のSUVをレクサスより発売する」と発表したものお、それらの計画が現在「保留」されていると言われているわけですね。

レクサス
トヨタが北米でのEV生産を「延期」、レクサスそしてスバルとの共同開発EVについても現地生産「中止」との報道。急激に変わる情勢を注視し判断する意向か

| 現代ほど「方向性を決めにくい」時代はなく、「後出しジャンケン」が非常に有効である | こういったときにこそ、日本企業の「慎重さ」が効果を発揮するのかも さて、トヨタが「北米でEVを生産する計画を2 ...

続きを見る

レクサスLF-ZCとLF-ZLの生産は2027年半ばまで延期

NHK報じたところによると、レクサスLF-ZCとLF-ZLの生産は2027年半ばまで延期され、しかしこの延期の理由につき、多くの競合他社とは異なって「需要への懸念から」ではなく「より戦略的な理由から」。

そしてその理由とは新しいギガキャスティングの導入に「より多くの時間を割いている」ためで、レクサスは新型EVの開発に手間取っている、あるいは(ライバルの予想外の進化を目の当たりにして)より優れた技術を追求している、ということになりそうです。

53283920941_dda5fb6d10_k

レクサスにとって新型EVは非常に重要な存在である

レクサスはほぼ1年前、これら新型EVが先進的な組立工場で生産されることも明らかにし、車両はバッテリー、モーター、無線端末部品だけで自律走行が可能になり、生産ラインで従来のベルトコンベアを廃止できると述べていますが(先日BMWとミニが発表した、”車両が自走する”工場のようなイメージかもしれない)、他のモデルにも拡大採用される高度なデザインと技術を備え、どちらも、前部、中央部、後部からなるギガキャスティングされたモジュラー構造で作られる新しいEVアーキテクチャを採用する計画を持っています。

53284379960_ac5f2b7c6f_k

BMWが工場内で「車両の自動運転」を導入。慣性から検査、積み込みまでをドライバー無しで勝手に走行、大幅な人員削減に成功する
BMWが工場内で「車両の自動運転」を導入。完成から検査、積み込みまでをドライバー無しで勝手に走行、大幅な人員削減に成功する見込み

Image:BMW | つまりBMWとミニの車両は「実際に自律運転が可能なスペックをもっている」と考えていい | まさか工場内にてこういった使い方があったとは さて、日米欧ではほとんど重要視されていな ...

続きを見る

さらにはこの特別な構成によりEVの前部と後部が構造的に独立し、将来的には新しく改良されたバッテリーを統合できる(つまりソリッドステートバッテリーが実用化されたのちのことを想定している)と述べ、その意味においてもレクサスLF-ZCとLF-ZLはトヨタファミリーにとって重要な存在となるわけですね。

そしてレクサスLF-ZCとLF-ZLには新開発の(円柱ではなく)角柱型バッテリーがが搭載される予定だといい、これによってレクサスは最大1,000キロメートルの航続距離を実現するともコメント。

53284172073_649b81287f_k

レクサスが2026年に発売を予定する次世代EV、「LF-ZC」「LF-ZL」を公開。これまでのBEVコンセプトとは内外装一新、目標航続距離は1,000km
レクサスが2026年に発売を予定する次世代EV、「LF-ZC」「LF-ZL」を公開。これまでのBEVコンセプトとは内外装一新、目標航続距離は1,000km

| レクサスは「再ブランディング」に近いほどのコンセプト、ハード/ソフト、そしてデザインの変化にチャレンジ | 「目に見える」大きな変化も感じられ、今後のレクサスの躍進には期待できそう さて、レクサス ...

続きを見る

トヨタとレクサスは(テスラのように)誇張した主張を行うことがほとんどなく、それを考えるとレクサスの新型EVに採用される機能やアイデアは特に印象的で、しかし今回の延期は「それらをより高いレベルで実現するため」の判断なのだと考えられます。

冒頭で述べたように、トヨタの進化するEVタイムラインの犠牲者はLF-ZCとLF-ZLだけではなく、トヨタはケンタッキー工場で生産予定だった3列シートの電気SUVも延期することを明らかにしており、これらの場合、当初は2025年の発売が予定されていたものの、デビューが2026年半ばに延期されることとなっており、しかし「修正した計画によって登場した新型EV」に期待したいところですね。

合わせて読みたい、トヨタ / レクサス関連投稿

トヨタ
トヨタが決算説明会にて「新型EVを10車種発売」と明言!そのうちひとつはトヨタもしくはレクサスのエレクトリックスポーツ、2つはエレクトリファイド・セダンとワゴン?

| おそらくこのエレクトリックスポーツはレクサスLFA後継になるのではと推測 | 現在の技術、市場を考慮すると、最終的には「ハイパースポーツ」しかないと思われる さて、トヨタが2023年3月通期決算説 ...

続きを見る

トヨタ
トヨタが2026年のEV生産目標を150万台から100万台へと引き下げ。なお2023年のEV販売は10,400台、総販売台数の1%にとどまり、修正目標の達成も難しそう

| ただしほかの多くの自動車メーカーも同様の状況に陥っており、中国勢に対抗することは非常に難しい | しかしそれでも「対抗しない」という選択はなく、既存自動車メーカーにとって厳しい時代となるだろう さ ...

続きを見る

ホンダ、トヨタとも提携する中国GACが「コストパフォーマンス激高」EV、”RT”を発表。ちなみにボクはGACを「こういった自動車メーカー」だと捉えている
ホンダ、トヨタとも提携する中国GACが「コストパフォーマンス激高」EV、”RT”を発表。ちなみにボクはGACを「こういった自動車メーカー」だと捉えている

| GACはほかメーカーの人気があるクルマのデザインを取り入れ、より安価に、より機能を充実させて販売する自動車メーカーだという印象 | それもひとつの”賢い”やり方かもしれないが さて、中国にてトヨタ ...

続きを見る

参照:NHK

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS)
-, , , ,