ベコベコなのに予想落札価格3.5億円。映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で使用されたランボルギーニ・カウンタックが当時の姿のまま、はじめて売りに出される

2023/11/02

｜　ある意味では、もっとも価値の高いランボルギーニ・カウンタックなのかもしれない　｜

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そして映画史上「もっとも印象的な」カウンタックが登場するシーンに使用された一台でもある

さて、先日はマーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の撮影で使用されたランボルギーニ・カウンタック２台のうち1台がRMサザビーズ主催のオークションに登場するとお伝えしましたが、今回は残る「もう一台」がボナムズの開催する競売に出品されることになったとアナウンスされています。

そしてRMサザビーズの1台は「破壊されなかったほう」、そしてボナムズの個体は見ての通り「破壊されたほう」で、劇中であちこちにぶつけたそのまんまの姿での出品です。

ちなみに予想落札価格は最高で200万ドル、つまり現在の為替レートだと約3億5000万円というエスティメイトが出されていますが、映画史上非常に有名なシーンで使用された個体だけに、落札したとしても「直すべきか、このままにしておくべきか」悩むことになりそうですね（しかしおそらく、このカウンタックを落札する人は、映画に関するメモラビリアとして入手したいのだと思う）。

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ウルフ・オブ・ウォールストリートはマーチン・スコセッシの作品ではもっとも大きな収益をあげている

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ、マーゴット・ロビー、ジョナ・ヒル、マシュー・マコノヒー主演のダークコメディかつ風刺的な映画であり、1980年代から1990年代にかけ、ウォール街にて”詐欺的な”活動を通じてのし上がったカリスマ株式仲買人ジョーダン・ベルフォートの半生を描いたという内容です。

興行収入4億690万ドルという驚異的な収益を上げ、マーチン・スコセッシ監督作品のうち最も収入の高い映画となり、アカデミー賞で5回ノミネート、ゴールデングローブ賞で2回ノミネートされ、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞を受賞したことでも知られていますね。

また、映画内での最も多くの「Fワード」を発するというギネス世界記録も樹立されていますが、やはり記憶に残るのはレオナルド・ディカプリオがドラッグを服用し完全にラリった状態で運転し、あちこちにぶつけながら帰宅しボコボコになってしまったこのランボルギーニ・カウンタック。

このカウンタックはレプリカではなく「本物」で、VIN（車台番号）はZA9CAOSA6KLA12692、ビアンコの上に洗練されたビアンコ外装にビアンコ内装という「当時らしい」一台です。

製造は1989年で、シリーズとしては658台のみが生産された｢25thアニバーサリー」。

使用されたシーンは、レオナルド・ディカプリオがドラッグ（レモンズ）を服用したのちに体が動かなくなってしまい、「這って」このカウンタックに乗り込み、家に帰るまでの「3分11秒」。

劇中ではほかのクルマ、看板や植え込み、郵便ポストなど様々なモノとぶつかりますが、最終的にはマーチン・スコセッシ監督の指示によってさらなるダメージが与えられて「正気に戻った」レオナルド・ディカプリオの目に飛び込むことに。

このランボルギーニ・カウンタック「ウルフ・オブ・ウォールストリート」ははじめて売りに出される

そしてこのランボルギーニ・Countach25thアニバーサリーは今回始めて売りに出されることになるといい、それまでは「映画で使用されたのと同じ状態を維持し」細心の注意を払って保管されていたのだそう。

なお、映画に使用された2台のカウンタックのうちのこちらが「ヒーロー（メイン）カー」で、もう一台はバックアップカーだったそうですが、映画製作に関わったスタッフからも「この車台番号ZA9CA05A6KLA12692のカウンタックこそがヒーローカーであった」という内容の手紙がしたためられて付属する、と紹介されています。

ちょっと面白いのは、車両本体と手紙のほか、該当シーンにてレオナルド・ディカプリオが着用した衣装も落札者へと手渡され、マーチン・スコセッシ、レオナルド・ディカプリオ、マーゴット・ロビー3名ののサインが入ったディレクターズチェア、オリジナルのスタッフパーカー2着、さらには映画のDVD2枚もセットになっている、とのこと。