| おそらく「1000万台のEV生産」もやはりBYDによって達成されることになるだろう |
もはやこの勢いは誰にも止めることはできそうにない
さて、中国の自動車メーカー、BYDが2008年以降、600万台のEV生産を達成した、と発表。
なお、ここでいうEVとは、中国でいうNEV(新エネルギー車)に該当するBEV(バッテリー式電気自動車)とレンジエクステンダー装着車含むPHEV(プラグインハイブリッド車)を指しており、これらを合わせて「600万台」ということになりますね。
ちなみにBYDはもともとガソリン車を製造する自動車メーカーを母体としていて、しかし2022年4月にガソリン車の製造を廃止して「NEVメーカー」へと転向しています。
BYDはほかの振興EVメーカーとは異なる
こういった背景を持つため、BYDはNIOやシャオぺン(Xpeng)のような「振興EVメーカー」とは異なる存在であるということがわかり、このメリットとしては「すでに自動車製造のノウハウがあって、かつ販売網を確立している」こと。
これらを活用してNEVへと転向することにより、振興EVよりも「いち早い」スタートを切ることが可能となるわけですが、これによってBYDは中国国内のみならず世界中において存在感を強めているわけですね。
「600万台のEV販売」は史上初
なお、BYDは今回のマイルストーン達成について「世界初」と述べていて、トヨタの「2020年にハイブリッド車の生産1,500万台」、テスラの「2023年9月にピュアEVの500万台販売」に次ぐ大きな足跡だと言えそうです。
参考までに、BYDの記念すべき600万台目のEVは「(今年11月から生産が開始された)レオパルド5」だとされ、鄭州工場の生産ラインからロールオフした個体。
BYDのこれまでのあゆみを見てみると、NEVの販売が前例のない速度で増加していることは明らかで、BYD が最初の100万台のNEVを製造するのにかかったのは13年ですが、 そこから200万台めのNEV製造にかかったのはわずか1年、さらに300万台めのNEVの製造に要したのはわずか6か月。
その後、同社は9か月でさらに200万台のNEV製造を達成し、主に生産能力の向上によってそこからわずか3か月で600万台という記録に達しています。
なお、今回BYDは600万台に占めるEVとPHEVの割合についてコメントしていないものの、中国ではPHEVの販売が伸びているといい(価格がEVに比較して安く、充電インフラへの依存度が低いため)、その多くがPHEVなのかもしれませんね。
現在BYDは中国全土にPHEVおよびBEV乗用車を生産するための向上を9つ保有しており、それらは西安、済南、鄭州、常州、襄陽、合肥、長沙、福州、深センにて稼働中。
最大の販売台数を占めるのはもちろん中国市場ではあるものの、BYDは世界57か国に自動車を輸出しており、世界展開戦略の一環として、タイやブラジルなど中国国外に新たな工場を設立する計画を持っていることも報じられています。※もちろん販売網も拡大しており、直近ではドバイにショールームを開設している
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