
| ブランド設立35周年の節目に披露された野心作、その名は「自信(Zixin)」 |
いまや中国の自動車メーカーのライバルは中国車であり、欧米メーカーは「眼中にない」
中国の自動車メーカー長城汽車(GWM:Great Wall Motor)が同社初となるスーパーカーのティーザー画像を公開。
この画像はGWM創立35周年を記念し、会長の魏建軍(Wei Jianjun)氏が自身のWeiboアカウントで発表したものです。
画像には、黒いヴェールで覆われたスーパーカーと共に、魏会長を含む同社幹部の姿が確認できますが、このモデル名の名称は「自信」だとされ、同社の威信をかけたスーパーカーになるものと見られています。
GWM has astounded the audience at Shanghai Auto 2025 with the unveiling of the 4.0T V8 hybrid, a twin-turbocharged powertrain with P2 electrification ready to blow your mind.
— GWM Global (@GWMGlobal) April 26, 2025
Learn more: https://t.co/Zr2Ilzu9Us#GWM #GoWithMore #offroad #technology #autoshow #AutoShanghai2025… pic.twitter.com/4acZEx4FFK
長城汽車、初のスーパーカーをついに予告、新ブランド「自信汽車(Zixin)」の下で開発
このスーパーカーは、2025年1月に立ち上がった新ブランド「自信汽車(Confidence Auto)」から投入される製品で、その開発コードは「BG」。
このブランドはGWMが2021年から極秘に進めてきた超高級セグメントへの進出計画の一環ですが、その名称からしてワールドワイドではなく「中国国内」を対象にしたものであると見られています(ちょっと前まで、中国の自動車メーカーは「世界」を意識していたが、最近では「中国国内」を強く意識しており、つまり現在の中国の自動車メーカーにとっては中国を制すれば世界を制することができるということなのだと思われる)。
同年4月には、GWMのCTOである呉慧暁氏が「このプロジェクトに5年間を費やしてきた」と公表し、特にコスト管理に注力したことを強調していますが、すでにこのブランドの核となるV8エンジンについても公開がなされており、そしていよいよ新型スーパーカーがヴェールを脱ぐ日が近づいているのかもしれません。
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外観はロングノーズ&ワイドフェンダー、リアミッドにエンジンを搭載か
今回公開された車両のティーザー画像から読み取れるのは以下の特徴ですが、これらのデザイン要素から、このモデルはリアミッドシップエンジンを搭載するレイアウトである可能性が高いと考えられます。
- 長く傾斜したボンネットライン
- 低いウエストライン
- 張り出したリアフェンダー
- フェンダー後方の大型エアインテーク
GWM Enters Luxury Supercar Arena – What Performance & Tech Would You Expect?
— GWM Global (@GWMGlobal) July 23, 2025
Today, the Chairman of GWM, Jack Wey, commemorated the company's 35th anniversary with senior leadership, expressing gratitude to employees and expressed the hope that they will continue to work hard in… pic.twitter.com/IRx67RTALG
エンジンはGWMが独自開発した「4.0L V8」+PHEVシステム
このスーパーカーのパワートレインはプラグインハイブリッド(PHEV)で、心臓部にはGWMが2025年4月の上海モーターショーで発表した自主開発の4.0リッターV8エンジンが搭載される予定ではあるものの、現時点では出力やトルクなどの詳細なスペックは公表されず。
しかしながらエレクトリックハイパーカーが軽々と1,000馬力を超える中、「自信」という名を掲げるからには(パワートレイン違いといえど)1,000馬力を超えてくるであろうと見られています。
Uncover GWM TANK 500's power breakthrough: the Hi4-Z 4WD hybrid system. Delivering 715kW high power and fast acceleration, it easily covers a week's urban commute—no range worries, just pure driving enjoyment.
— GWM Global (@GWMGlobal) July 23, 2025
Learn more: https://t.co/Zr2Ilzu9Us#GWM #GoWithMore #offroad #Hi4… pic.twitter.com/rUHvPyF4GN
対抗馬はBYDのEVスーパーカー「仰望U9」
GWMのスーパーカーが狙うターゲットは、BYD傘下の高級ブランド「仰望(Yangwang / ヤンワン)」U9。
やはり「欧米のスーパーカー」をターゲットとしていないことには注目ですが、これは中国の消費者そのものが「欧米のスーパーカーではなく、国産スーパーカーに憧れを抱くようになった」という市場環境を推測させます。
このヤンワン U9は4基の電動モーターで1,287馬力/1,680Nmを発揮し、2024年9月~2025年6月の累計販売台数は160台だとされ、販売価格は168万元(約3000万円)、しかしGWMのモデルは100万元(約2000万円)あたりで設定される予定だとも報じられています。
Image:YangWang
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GWM会長が語る「本当の創業年」
興味深いエピソードとして、魏建軍会長は「GWMの創立年は1984年だが、自身が経営を引き継いだ1990年こそが真のスタートだ」と語っていて、よって今回のスーパーカー公開についても、その「真の創業35周年」の節目に合わせたものとされています。
参考までに、GMWは「大きくて強いもの」が好きな自動車メーカーであり、頑強なSUVやトラック、大排気量エンジンを積んだバイクなどをリリースしていますが、かつては「SUVで世界最大のメーカーになる」という目標を掲げたことも(当時はジープの買収がウワサされた)。
日本では「年収1500万円以上」で(日本の)エンジニアに対しリクルートを行ったことがよく知られていますが、とにかく「トップを目指す」という移行が強い会社でもあり、今回の新型スーパーカーについても大きな期待がかかります。
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参照:魏建军(Weibo)