| さらにはタンクターン、LEDによるアニメーション、アクティブサスによるジャンプも可能 |
ヤンワン U9はいわば「新種」のハイパーカーである
さて、中国BYDの展開する高級EVブランド、ヤンワン(YangWang=仰望)からフラッグシップとなるエレクトリックハイパーカー「U9」が発表。
この「U」はアルティメット(Ultimate)を表しており、その価格は168万元(現在の為替レートにて約3516万円)、1,280馬力 / 1,680Nm、0−100km/h加速2.36秒、ゼロヨンタイムは9.78秒、最高速309.19km/hというスペックを誇ります。
ヤンワン U9はこんなハイパーカー
このヤンワンU9に使用されるのはBYDによるe4プラットフォーム、搭載されるエレクトリックモーターは4つ、Disus Xサスペンションシステムを装備し「飛んだり跳ねたり、ダンスしたり」することができ、たとえ1輪を失ったとしても車体を傾けることなく3輪でバランスを取って走行することが可能です。
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そしてこのヤンワン U9は単なる直線番長ではなくサーキットを走っても「ほかを圧倒する速さ」を見せるといい、上海インターナショナルサーキットの公式ラップタイムは2分17秒65であるとアナウンスされています(NIO EP9は2分01秒11、BMW M5 / F90は2分22秒828、ポルシェ・パナメーラ・ターボ:は2分27秒727なので相当に速い)。
ヤンワン U9のボディサイズは全長4,966ミリ、全幅2,029ミリ、全高1,295ミリ、ホイールベースは2,900ミリとされ、つまり一般的なスーパーカーやハイパーカーと比較してもかなり大きなクルマです。
搭載されるバッテリーはBYD製のLFP”ブレード”バッテリーで容量は80kWh、一回の満充電あたり航続距離は465km(CLTCモード)。
最大充電電力は500kW、バッテリー パックの重量は633kg、車両重量は2,475 kgなので、スーパーカーもしくはハイパーカーとしてはかなりの重量ということになりますね。
ヤンワンU9 は800Vアーキテクチャを備え、10分でバッテリーの30%から80%まで充電でき、さらにはデュアル充電をサポートしており、これは2つの独立した充電ガンを同時に接続できるということを意味します(BYD Denza D9およびN7はすでにこのテクノロジーをサポートしているが、これによって充電ステーションを独占してしまうことが問題視されている)。
そのほかの特徴だとクワッドモーターによって(ヤンワン U8同様に)タンクターンが可能であること、DiPilot ADAS (先進運転支援システム) のおかげで自動駐車が可能なこと、ボディのねじり剛性は54,425Nmであること、リアスポイラーは最大280 kgのダウンフォースを発生することなどがアナウンスされています。
非常に独特なルックス、そして一部のヤンワン車に共通するヘッドライトを装備しており、これはウインカーとともに独自のアニメーションを表示するのに役立っていますが、タンクターンやダンスとともに「周囲にアピールするにはもってこい」の視覚効果を演出することに(動画で確認できる)。
ヤンワン U9はこんなインテリアを持っている
そしてこちらはヤンワンU9のインテリアで、そのアグレッシブなエクステリアと比較すると「ちょっと地味」。
3つの液晶画面はベゼルが厚く「少し前の時代の製品の」ようにも見えますが、3つのうち2つは10.25インチ、もうひとつは12.3インチ。
このコックピット システムはDiLinkと呼ばれ、BYDとクアルコムが共同開発した5Gおよび4nm チップを搭載している、とのこと。
なお、このヤンワン U9は本日から予約注文を開始していて、購入希望の場合は予約金30万元を支払って納車待ちの列に並ぶことになるそうですが、現地でどれくらいの予約が入るのかはちょっとナゾ。
ロータス・エメヤや中国のAion SSRといったハイパワーEV、そしてもちろんポルシェやフェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンといったスーパーカーとも競合すると見られていますが、中国の富裕層が自国の超高級車に興味を示すのかどうかには注目が集まり、その結果次第では現地の自動車メーカー各社の今後の展開も変わってくるのかもしれません。
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— BYD Global (@BYDGlobal) February 25, 2024
YangWang U9を紹介する動画はこちら
アクティブサスによる「ダンス」、ヘッドライトやウインカーによる「アニメーション」、さらには「タンクターン」も披露しています。
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