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ヒョンデが新型「サンタフェ」発表。レトロと未来との中間、新しさと懐かしさを感じさせる。現代では自動車メーカー間の「デザイン格差」が拡大しているようにも

ヒョンデが新型「サンタフェ」発表。レトロと未来との中間、新しさと懐かしさを感じさせる。現代では自動車メーカー間の「デザイン格差」が拡大しているようにも

| ここ最近のヒョンデのデザインはずば抜けていると言っていい |

最近ではトヨタも優れたデザインを発表しており、しかしその一方では「以前と変わらない」自動車メーカーも

さて、ヒョンデが新型サンタフェを発表。

現段階では画像に加えてちょっとした情報の公開のみとなっていますが、現行モデルとは全く異なるボクシーなデザインへと変貌を遂げています。

この新型サンタフェは「5代目」に相当し、ヒョンデのデザイナー陣が入れ替わった後に設計されたブランニューモデルだと考えてよく、非常に魅力的なデザインを持っているようですね。

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ヒョンデとジェネシスは「トヨタとレクサス」に(戦略が)よく似ている

ちなみにですが、ヒョンデとその高級ブランド「ジェネシス」はトヨタとレクサスのデザイン戦略によく似た手法を採用しており、たとえばトヨタが「トヨタブランドでは(BMWやメルセデス・ベンツ、アウディのように)統一されたデザインを採用せず、車種ごとに分けたデザインを行い」、逆にレクサスではスピンドルグリルを中心にした「全ラインアップに共通イメージをもたせたデザイン」を採用するのによく似ています。

つまりヒョンデブランドでは車種ごとに異なるデザインをもたせ、ジェネシスでは統一感のあるデザイン(スーパマングリルとダブルライン)を用いているということですが、普及価格帯ブランドでは幅広い人々の、可能な限り多くの要望を拾うことを目的にしているのだと思われ、逆に高級ブランドにおいては全車統一にて「クルマよりもブランド」を売っていると理解することができるかもしれません。

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そういった理由もあってか、このヒョンデ・サンタフェはソナタともコナとも異なり、さらにはアイオニック5 / アイオニック6とも全く異なるデザインを持ち、かつ今までにないテイストを持つ「新種」。

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上述の通りボクシーではあるものの「リヤオーバーハングが長い」という特殊なシルエットを持ち、ヘッドライトとテールランプには「H」が再現されています。

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ホイールアーチは大きく力強く、タイヤサイズはけっこう大きめの245/45 R21。

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ちなみにヒョンデグループのデザインを統括するのはランボルギーニやベントレーにてチーフデザイナーを担当したルク・ドンカーヴォルケですが、ベントレーのデザイン上における一つの特徴は「長いリヤオーバーハング」なので、そこから着想を得た可能性があるのでは、と考えています。

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それにしても、最近ぼくが思うのは「パワートレーン同様に自動車のデザインも大きく変革しつつある」。

自動車そのものが「機能性商品」から「ファッション製商品」へと移り変わっているんじゃないかとも認識していて、多くの自動車メーカーが「機能よりもファッション性を重視した」クルマづくりに移行しているように感じます。

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実際のところ、クルマの機能や性能は基本的にどこのメーカーであっても高止まりしていて大差はなく、しかし差がつく部分といえばその外観。

よって現代では外観にもっともコストを投じるのが正解なのかもしれません。

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そして「デザイン(外観)に多額のコストを投じる」筆頭がヒョンデであり、しばらく前から著名デザイナーを多数獲得してデザイン性の向上に努めていますが、ヒョンデ以外にここ最近で大きく変わったのがトヨタだと捉えていて、クラウンシリーズを筆頭にプリウス、そして新型C-HRなど斬新なデザインを取り入れており、明らかに「なにかが変わった」と思わせるシフトを推進中。

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一方でデザインが以前とあまり変わらない自動車メーカーもいくつかあり、今後自動車メーカー間における「デザイン格差」が広がってゆくんじゃないか、というのが最近のぼくの考えるところです(そしてヒョンデとトヨタがほかを大きくリードしていると思う)。

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新型ヒョンデ・サンタフェのインテリアはこんなデザインを持っている

そしてこちらが新型ヒョンデ・サンタフェのインテリア。

エクステリア同様に大きく変化しており、湾曲したデュアルスクリーンを採用するほか、ヒュンダイらしい”独立したエアコンコントロール”も健在で、さらには昔ながらの物理スイッチが静電容量式タッチキーと組み合わされ、新旧両方の世界を楽しませてくれるところもイイ、と思います。

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そして特筆すべきはフロントシート間のスペースが広いこと、そしてワイヤレス充電パッドを横に2つ並べていること。

このあたり、ワイヤレス充電パッドを非常に重要視すると言われるアメリカ市場には熱狂的に受け入れられることになりそうです。

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そのほか、ダッシュボードの片側からもう片側までエアコン吹き出し口が連続していますが(ミッドセンチュリー風な雰囲気もある)、ここから全部風が出るとかなり画期的なのかもしれません。

そのほか、フロアマット、ヘッドライナー、そしてフル可倒式2列目および3列目シートの背もたれにも再生プラスチックが使用され、ドアインナーパネルを覆うレザレットにもサステイナブル素材が使用されている、とアナウンスされています。

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