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この数ヶ月、テスラにとっては悪夢とも言えるバッドニュースのオンパレード。極めつけの「ロボタクシーにシフト」発言に対し投資家も「説明を求める」

テスラ

| この数ヶ月、テスラにとってはあまりにつらい状況が続いている |

そしてテスラはここから何らかの手段で巻き返せるとは考えにくい

さて、ここ最近その将来が危ぶまれているテスラ。

それはもちろん、現在のEV市場が「安くなければ売れない」という状況に突入しているにもかかわらず「25,000ドルの」廉価版EV(あるいはモデル2)の生産が中止になったという報道がなされたり、イーロン・マスクCEOがこれを否定したにもかかわらず「曖昧な」姿勢にとどまったということに起因しているものと思われます。

ただし投資家は別の観点からもテスラに疑問を投げかける

しかしながら今回投資家が別の観点からさらなる疑問をテスラに投げかけているといい、それは「自動運転に関してあまりに楽観的なこと」。

イーロン・マスクCEOは8月8日に「ロボタクシーを発表する」とコメントしているものの、現在のテスラのFSD(自律運転システム)を基準にすれば今年8月にロボタクシーを発表するのは不可能であるように思えます(あるいは、イーロン・マスクCEO自身が”期限を守ることについては、自分は問題ありです”と語るように、期限が守られないのかもしれない)。

さらにテスラでは12,000人の人員削減、直近では2,000ドルもの(中国に続き北米での)値下げというネガティブな話題が続いており、この数カ月はテスラにとって「ホラーショー」ともいうべき悪夢が続いているわけですね。

ここ最近の一連の流れにつき、ウェドブッシュのシニア株式アナリスト、ダン・アイブス氏はロイターに対し、「イーロン・マスク氏がモデル2について沈黙したことは、テスラの投資家にとって”はらわたが煮えくり返るようなものだった”。それは成長ストーリーに非常に重要だからだ」とコメント。

さらにガーバー・カワサキ・ウェルス・アンド・インベストメント・マネジメントの社長兼最高経営責任者(CEO)、そしてテスラの投資家でもあるロス・ガーバー氏はもっと率直に「テスラがこのクルマを世に出さなければ、テスラに投資する意味さえない」とも。

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ロボタクシーはテスラの救世主にはなりえない

そしてこういった状況の中に出てきたのが「ロボタクシー」なわけですが、もっとも期待されていた「25,000ドルのEV」の代わりに出てきたのが「呼ばれていもいないロボタクシー」であり、これでは投資家が怒るのも無理はないのかもしれません。

このロボタクシーにつき、ドイツ銀行は、他の銀行と同様に「テスラからの明確な説明を待っている。モデル2の中止は完全に理論を変える」ものと表現し、テスラの大衆市場の成長に賭けていた投資家がタオルを投げることになることは間違いなく、上述のはウェドブッシュ氏は「モデル2なしでは見通しは暗いと見ている。同車の廃止はテスラの成長見通しにとって大失敗であり、ロボタクシーはそれに代わる”魔法のモデル”ではない」。

なお、テスラの「マスタープラン」では高価格帯のEV(モデルSやモデルX)を販売して利益を稼ぎ、その利益をもって安価なEVを開発することで「アメリカ最も安価なEVを提供すること」を目的とすると記載されていますが、今回の路線変更では「その計画もともに変更」されたように思われ、となるとたしかにテスラは投資家に対しなんらかの説明を行う義務を追うと考えて良いかと思います。

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参照:Reuters

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