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残酷だが崩れる時は一瞬である。ドイツでのEV販売が14%減、そしてもっとも大きく販売を失ったのはテスラ。もはやテスラは「その他大勢」のひとつに

テスラ

| もはやテスラはほとんどの市場で輝きを失ってしまい、こうなると低価格EVの発売に期待をかけるしかない |

現在、テスラのブランド力がまだ威力を発揮するのは地元アメリカくらいである

さて、世界各地にてEV販売がスローダウンしているという報告がなされていますが、今回は環境先進国であるドイツにて「EVの販売が2024年第1四半期に14.1%減少した」との報道。

そしてこの「EV販売の減少」の理由は非常に明確であるとされ、それは「EV奨励金が2023年12月に終了し、EVが高い買い物になってしまったから」だと報じられています。

EV販売はメーカー / ブランドによって悲喜こもごも

2024年第1四半期のドイツでは合計69万4,785台の新車が販売され、これは前年同期比で4.2%増という結果であったものの、一方EVに絞ってみると9万4736台から8万1337台へと14.1%の「大幅減」。

ドイツの連邦自動車運輸局であるKBAのデータによると、今回のEV販売の減少は特に欧州の自動車メーカーで顕著であったといい、シトロエン、ジャガー、ポールスター、フォルクスワーゲンはいずれも2024年第1四半期のEV販売が前年比で30%減少し、ポルシェ、プジョー、ミニ、フィアット、DS はさらに大きな縮小となって”40%減”。

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しかしながらもっとも大きく台数を減らしたのはテスラだといい、その販売台数は13,068台から7,959台へと36.7%も減っていて、減少率こそポルシェよりは小さいものの、もともとの販売台数が多い(現時点でも欧州で最も売れているEVメーカーである)ために失われた販売台数も最大です。

なお、興味深いことに「販売を伸ばした」メーカーもあり、たとえばBMWのEVは前年比83.6%増の7,959台(テスラと同じ台数にまで成長している)、キアだと前年比106.1%増の2,825台。

メルセデス・ベンツは5.8%という僅かな伸びではあるものの、販売台数は7,720台だったそうなので、テスラを捉えていると考えてよいのかもしれません。

そのほかシュコダは15.7%増、そしてスマートとボルボはそれぞれ14.9%と47.5%の増加を記録しています。

一方、プラグインハイブリッドの販売は伸びる

そしてやはりドイツでも他の国や地域同様にプラグインハイブリッド車の販売が伸びており、連邦自動車運輸局はPHEVのみの販売台数を公開していないものの、EVの販売が13,399台減少したのに対して電動化車両全体(EV、プラグインハイブリッド車、水素燃料電池車を含む)の販売台数下落は5,989台にとどまっていて、つまりこれは「PHEVの販売が増加し、EV販売台数の落ち込みをカバーした」とも考えられます。

さらにここへ(プラグインではない)ハイブリッドを加えると、その販売台数はトータルで(前年同期の)291,999台から2,024年第1四半期では304,725台へと4.4%増加しているので、やはりハイブリッドが(ほかの国や地域同様)伸びているということもわかりますね。

こういった傾向を見るに、(同じEVでも販売を伸ばしているブランドもあるのでナントモですが)やはり価格が重要だということもわかり、補助金の重要性、そしてより安価な選択肢であるハイブリッドそしてPHEVが支持されているということも見えてくるように思います。

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