| フェラーリのカスタムに対し、いまだ世間の許容範囲は広くない |
むしろここまでカスタムするのであれば、ベースはテスタロッサでなくても良かったのかもしれない
さて、現在アメリカではアフターマーケット製パーツ、そしてカスタムカーの祭典であるSEMAが開催されていますが、ここは「うまくやれば名を上げる」ことができるアメリカンドリーム実現の場でもあり、様々なビルダーがこぞって自慢のカスタムカーを披露しています。
そんな中で公開されたのがフェラーリ・テスタロッサのレストモッド「テスタ」。
このネーミングは「テスタロッサ」そして「テスラ」をもじったもので、そしてテスラを意識したことからもわかるとおりピュアエレクトリックパワートレーンを搭載しているのだそう。
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現在「レストモッド」は花盛り
少し前まではクラシックカーやネオクラシックカーの「カスタム」が認められる風潮は存在せず、しかしその流れを変えたのは(ポルシェ911のレストモッドで知られる)シンガー・ヴィークル・デザインだと思われます。
同社はポルシェの思想に忠実な、しかし創業者であるロブ・デッキンソン氏ならではの再解釈を車両に反映させることで高い評価を得ているわけですが、これ以降「名車のレストア+カスタム=レストモッド」が世に認められるという雰囲気が醸成されたのかもしれません。
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さらにこのレストモッドは「非常に利益を稼げる」ビジネスであることも明らかになっており、現在多くのチューナーやショップがこの市場に参入していて、様々な車種を対象に行われるようになっているのが今の状況でもあるわけですね。
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フェラーリ・テスタロッサあらため「テスタ」はこんなクルマ
そして今回ガスモンキーガレージが公開したのがこの「テスタ」。
ガスモンキーガレージはダラスではよく知られたショップであり、ほかが思いつかないようなカスタムを行うことで有名ですが、それにしてもこのフェラーリ・テスラロッサのレストモッドには驚かされ、あらゆる意味で非常に高い完成度を誇っています。
上述のとおりパワートレーンはピュアエレクトリックへと換装のうえ、ルーフを切り落とした「スピードスター」ルックへと変更されたばかりか、なんと運転席は「センター」へ、そして両脇にシートを配置するという3人乗りレイアウトへと変更されることに。
(ガソリンエンジンを搭載しないため)ラジエターが不要となり、吸気口は全面発光パネルへと置き換えられ、その一方でヘッドライトは「リトラクタブル」を継続しています(LEDバーを光源としており、ポップアップの量がそれにあわせて小さくなっている)。
ドアミラーを廃止したためボディサイドには「カメラ」。
ホイールはヴォッセン製、そしてホワイトにペイントされています。
テスタロッサにて特徴的であったルーバーも発光パネルへ。
跳ね馬はブラック。
フェラーリのシールドエンブレムは一見すると純正のようにも見えますが、「SF(スクーデリア・フェラーリ)」が「GM(ガス・モンキー)」文字へと置き換えられているうようですね。
インテリアは非常にシンプルでメーター類はすべて廃止され、車両の情報などはセンターの液晶タブレットに表示されるもよう。
ぼくとしてはなかなかに未来的でカッコいいと思うのですが、インスタグラムへの投稿に対するコメントを見ていると、辛辣な意見もけっこう多く、中には「大失敗だ」というものも。
フェラーリに関しては「純正の状態を守らねばならない」という認識が世間一般に対して強く根付いており、そのためのほかのクルマに比較して改造やカスタムに対する許容範囲が著しく狭いことは理解していますが、他人のカスタムに対して批判的になる人が多いのはちょっと残念でもあり、そして「なんでもありの自由な提案を行う場」「アフターパーツやカスタムの新たな提案を行い可能性を模索する場」であるSEMAにおいてそれを糾弾するのであれば、そもそもSEMAとは何なのだろう、という気もしてきます。※ぼくはクルマのカスタムについて、性癖と同じで(害や危険を及ぼすものでない限り)他人が口を出すべきではないと考えている
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参照:gasmonkeygarage(Instagram)