| フェラーリは現時点でスポーツカーメーカーの中では最も高い電動化比率を誇っている |
これに続くのはおそらくマクラーレン、そしてランボルギーニとなるであろう
さて、フィナンシャル・タイムズ紙によると、フェラーリにおいて電動化モデル(ハイブリッド)の販売台数がガソリンエンジンのみを駆動力として使用するモデルの販売台数を上回った、とのこと。
統計を見てみると、2023年第3四半期(7−9月)に販売されたフェラーリのうち51%がハイブリッドで、これは過去3ヶ月からの大きな上昇となっており、さらには昨年同期比の19%からも大きく伸長しています。
ハイブリッド比率拡大に貢献したのは296GTBと296GTS
なお、フェラーリの現行モデルは(その定義が難しいのですが)13車種、そのうちハイブリッドモデルは296GTB、296GTS、SF90ストラダーレ、そしてSF90スパイダーの4車種。
ただしここからは少し変化があるものと見られ、というのも「ハイブリッドではない」ニューモデルの生産が行われるようになるためで、V12エンジンを搭載するプロサングエ、V8ツインターボを積むローマ・スパイダーの生産が加速すれば現在の「電動化比率」に多少変化が生じるかもしれません。
もちろん296GTBと296GTSのデリバリーはこれ以上に増加するものと思われ、プロサングエの生産は「フェラーリ全体の20%が上限」だとされているので、極端にガソリン車比率が増加するわけではなさそうですが、遠くない将来にSF90ストラダーレとSF90スパイダーの生産が終了するものと予想され(代わりにSF90 XXストラダーレ / SF90 XX スパイダーの生産が開始されるものの、これらは限定モデルである)、電動化比率が多少下がってしまうのは間違いなさそうです。
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反面、この電動化比率を上げようとするならば、ハイブリッド化されたローマとローマ・スパイダーの後継モデルの投入、そしてピュアエレクトリックハイパーカーの発売を行う必要があり、しかし前者はまだまだプロトタイプが目撃されておらず、後車は2025年あたりにならないと登場しないと言われています(そしてこちらも限定モデルなので、全体に与える台数的インパクトは大きくはない)。
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なお、フェラーリは2020年代末までにラインナップの40%を完全電気自動車にするという計画を公表していますが(そこまでシリアスな公約ではないようだ)、ガソリンエンジン(含む内燃機関)搭載車の生産終了時期はまだ決めておらず、しかしこれについては、ぼくが生きている間には「やってこない」かもしれません。
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フェラーリの利益は大幅増加
なお、フェラーリは2023年第3四半期に(7月から9月)にかけ、3億3,200万ユーロもの利益を上げたと報じられていますが、内容を見てみると納車台数は9%増の3,459台、しかし利益は前年比46%増という驚異的な増加を見せています。
この大きな理由は「パーソナライゼーション」つまりオプション装着率の上昇や”テーラーメイド”利用率の増加による利益率の上昇で、これに起因し売上高も24%増の15億ユーロ(16億ドル)に達しています。
つまりこれは「自分だけの」フェラーリを求める人が増えたこと、そして「塗装」「レザー」など、フェラーリにとって大きな投資が不要な(つまり利益率の高い)オプションを多くの顧客が選んだということになりそうですね。
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