![ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したジャガーI-Pace。トラブル続出、それによって販売が激減、生産済み車両がスクラップにされるという悲劇的な終焉が涙なしには語れない](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2025/02/Jaguar-I-Pace.jpg)
| 2019年の栄光から一転、リコールとトラブル続出によって「ジャガーのお荷物」に |
I-Paceの存在はジャガーの汚点として歴史に刻まれることになるだろう
さて、ジャガーは他ライバルに先駆けてピュアエレクトリックカー(EV)であるI-Paceを発売していますが、今回なんと大量のI-Paceがスクラップにされるために「待機」している動画が公開され大きな衝撃を与えることに。
参考までに、ジャガーI-Paceはその革新的なボディスタイル、数々の先進装備によって2019年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(World Car of the Year)を獲得したクルマではあるもの、その偉業と「スクラップ」という対比があまりに大きく、その凋落ぶりには涙を禁じ得ないといったところです。
ジャガー I-Paceは「世界を変える」はずであったが
上述の通りジャガー I-Paceは2019年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(World Car of the Year)を受賞した電動クロスオーバーで、欧州のライバルよりも早く市場に投入された先駆的なモデルもあり、イアン・カラムによる洗練されたデザインと先行者利益によって成功が約束されたかのように思われた存在です。
しかし現実は非常に厳しく、販売は期待ほど伸びず、さらにリコール(バッテリー関係のみで最低5回)や信頼性問題、火災事故が相次いだためにI-Pace は悪評を集めることになってしまい、アメリカや欧州では「納車済み車両を買い戻す」というプログラムが実施されるまでに「落ちぶれる」ことに。
そしてこういった一連の問題に対するディーラーの姿勢も批判されていて、これがさらに他のジャガーのクルマの販売を引き下げ、ブランドイメージを失墜させてしまったとも言われているのですが、今回Xへと公開された画像はあまりに衝撃的で、これらは「いったん納車されたものの、トラブル続出で使用に適さず、ジャガーが引き取った車両たち」であると推測されます。
Good old JLR. Only company that could build an eV that isn’t reliable (or any more so than the fossil crap they make) or that they can recall and fix.
— eVNewt⚡️🔋🚙 (@newt7215) January 28, 2025
Instead these Jaguar iPace at my local car scrap yard, Charles Trent-recalled, refunded and now to be recycled. 🙄
Are the… pic.twitter.com/YdSPiJUJgg
古いクルマであればいざ知らず、比較的新しいクルマがこういった目に遭うのを見るのは悲しいことではありますが、変わりゆく時代の過渡期に生まれたものの宿命なのかもしれません。
ジャガー I-paceの問題は「バッテリー」であった
なお、ジャガーI-Paceの最大の問題は「バッテリー」にあり、このLG製のバッテリーは熱暴走しやすく、火災を引き起こす可能性があると指摘されています。
ジャガーはソフトウェア修正や診断機能の強化を試みたものの、最終的には対応を諦めてしまい、そこで複数の国では買い戻しを実施する決断を下すこととなったわけですね。
ただ、ちょっと興味を惹かれるのは、これだけEV固有の問題に悩まされつつも、ジャガーがいまだEVに固執していること。
実際のところ、衝撃的なティーザーキャンペーンとともにデビューした「タイプ00」はEVであり(あのティーザー動画は、ある意味でそれまでのジャガーのイメージを打ち消すための「劇薬」だったのかもしれない)、今なおジャガーは「EVメーカー」になろうとしているわけですね。
-
-
ジャガーがクルマというよりも「アート」「建築物」的なコンセプトカー、”タイプ00”を発表。この定規で引いたようなデザイン、鮮やかな色使いは市販モデルにも反映されるようだ
Image:Jaguar | ただし市販モデルでは「2ドア」ではなく「4ドア」となるもよう | このタイプ00はまさに「社運をかけた問題作」だと言えるだろう さて、ジャガーがマイアミ・アートウィークに ...
続きを見る
現時点ではバッテリー制御について各自動車メーカーも苦労しており、その中でジャガーが「問題を解決した」とは考えにくいのですが、なんらかの策がジャガーにはあるのかもしれません。
-
-
ジャガーの広告に関する一連の騒動は「計画通り」?ジャガーが「ルールを破り、注目を集めることが必要だったのです」と語り、皆がまんまと乗せられたもよう
Image:Jaguar | ここまでのリスクを背負ったキャンペーンはなかなかできるものではないが、それだけ覚悟があるということなのだろう | 良くも悪くも、多くの人にジャガーの改革が伝わり、新型車発 ...
続きを見る
合わせて読みたい、ジャガー関連投稿
-
-
ジャガーI-PACEは北米では全く売れず大幅値引き開始。やはり「ガソリン車の倍の価格」ではEVを買う理由が見当たらない?
| 一方、テスラは相変わらずのバカ売れ状態 | アメリカにて、ジャガーI-PACEの販売があまりにスローだとして問題に。現状、在庫は「6ヶ月分」が残っており、しかもこの計算は「初期の需要」つまり新車効 ...
続きを見る
-
-
「シビれるジャガー」、I-PACEに試乗してシビれてきた!これは何も「我慢する必要のない」新しい時代のEVだ
| ガソリン車にできてI-PACEにできないことは何もない | さて、「シビれるジャガー」、I-PACEに試乗。I-PACEはジャガー初のピュアエレクトリックカーで、内燃機関を(発電用としても)持たな ...
続きを見る
-
-
シビれるジャガー!ブランド初のEV、「I-PACE」を見てきた。ジャガーの伝統と未来、そしてSUVの利便性とスポーツカーの走りを併せ持つ新しい乗り物だった
| 正直、これは期待以上だ | ジャガー初のフルエレクトリックモデル、「I-PACE(I-ペイス)」。さっそく展示試乗会へと行ってきましたが、まずはその内外装のインプレッションからお届けしたいと思いま ...
続きを見る