Image:Jaguar
| ただし市販モデルでは「2ドア」ではなく「4ドア」となるもよう |
このタイプ00はまさに「社運をかけた問題作」だと言えるだろう
さて、ジャガーがマイアミ・アートウィークにて「新時代のジャガーを定義する」コンセプトカー、”タイプ00”を発表。
今回のブランドの再構築に際してはジャガー創業者、ウィリアム・ライオンズ卿の掲げた「Copy Nothing(何もコピーしない)」という創業当初の哲学を全面に押し出していますが、このコンセプトカーのデザインは完全に過去とは決別するもので、優美な曲線を持っていたジャガーを離れて「定規で線を引いたような」シャープなエッジ、そしてクルマというよりは建築物のような重厚な佇まいを持っています。
ちなみにこの直線は「ストライクスルーグラフィック」と表現されており、ジャガーが模倣や平凡から抜け出すことを象徴する”力強く直線的なデザイン”。
このデザインは、ブランドのユニークさを強調する独自の、認識しやすい視覚的アイデンティティを提供すると説明されているので、実際に市販車にも採用されると考えて良さそうですね。
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ジャガー タイプ00はこんなクルマ
そこでこのジャガー・タイプ00(その名からもジャガーの決意が伝わってくる)を見てみると、ジャガーいわく「恐れを知らない声明であり、欲望の対象であり、未来のジャガーをインスパイアするために大胆な形状と豊かなプロポーションを持つコンセプトカー」「ジャガーの創造的哲学である”エクスビュラント・モダニズム”を体現」。
「ジャガーの魔法は私の心に深く根付いています。それは、遺産、芸術性、感情的な引力において比類のないオリジナルの英国のラグジュアリーブランドです。私たちが取り戻そうとしているのはそのジャガーであり、Eタイプのようなアイコニックなモデルに囲まれたあの感動を再現します。私たちの旅はすでに始まっており、元々の精神『何もコピーしない』に導かれています。その結果は壮大なものになるでしょう。」
JLR CEO アドリアン・マードル
「ジャガーには、ブランドのDNAに忠実でありながら、未来を見据えた、関連性のある、そして本当に際立つ新たなキャラクターを恐れることなく創造しました。」ジャガー管理本部長 ローデン・グローバー
この「タイプ」という接頭辞は、ジャガーの起源にリンクしていて、先駆的なEタイプのようなモデルを指しているといい、その後の最初のゼロは、”ゼロ排出”を、2番目のゼロは新しい系譜における「カー・ゼロ(生産モデルの前に作られるコンセプトカーやデザインスタディを指すことが多い)」というポジションを象徴しています。
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はたしてこのジャガー・タイプ00は、通常の枠を超えたユニークで他とは異なる存在でもあり、電気自動車の常識に挑戦するかのような長いボンネット、流れるようなルーフライン、ファストバックプロファイル、そして劇的なシルエットを作り出す23インチのアルミホイール、リアウインドウレスを特徴としています。
なお、JLR(旧ジャガー・ランドローバー)のデザインディレクター、ジェリー・マクガバン氏は(レンジローバー・ヴェラールやイヴォークを見てもわかるように)”フラッシュサーフェス”を好む人物ではありますが、このジャガー・タイプ00でも明確なメッセージとしてあらわれており、ウインドウやライト、そしてリアビューカメラなどが「フラッシュサーフェス」。
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加えて「グレージング」もデザインテーマのひとつだと見え、ボンネット後端、パノラミックルーフ、リアエンドに同様の処理が見られ、これは(ここまで強調されるからには)市販モデルにも採用されることになるのかもしれません。
ジャガー・タイプ00はクルマというよりはアートである
アンヴェールされた2台に採用されるボディカラーはマイアミ・ピンクとロンドン・ブルーで、前者は発表時のアールデコの象徴的な環境を反映し、後者はジャガーのイギリスの遺産を象徴している、とのこと。
「1961年のジュネーブモーターショーで、2台のEタイプが登場したように、タイプ00の発表もジャガーの新しいデザインビジョンを対照的に示すものです。”マイアミピンク”と名付けられたサテン・リオドン・ローズの例は、都市のアイコニックなアールデコ建築のパステルカラーに敬意を表しています。これは、真鍮が経年変化で取る特徴的なバラ色にインスパイアされています。それに加えて、印象的なインセプション・シルバー・ブルーのモデルも発表されました。これは”ロンドン・ブルー”と名付けられ、1960年代のオパレスセント・シルバー・ブルーにインスパイアされ、ジャガーの英国の遺産を反映する色として選ばれました。」
ジャガー チーフ・エクステリア・デザイナー コスタンティーノ・セグイ・ギラベルト
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これらボディカラーは「エクスビュランスカラー(鮮やかな色)」だと表現されており、こういった鮮やかで動的な色の使い方は、「ジャガーの新しいアイデンティティの基盤となるもので、ブランドの芸術的本質を反映している」「これらの色は常にテクスチャーや動きを伴い、ジャガーの芸術と創造性への結びつきを強調している」と解説されています。
なお、発表の場となったマイアミ・アート・ウィークは本来自動車とは無縁のイベントですが、クルマの捉えられ方が変わってきていること、あたらしいオーディエンスにリーチすることを目的とし、ランボルギーニ、ポルシェ、ベントレーは昨年ここに「初出展」し、そしてジャガーもまた「アートの提唱者としての役割を強調し、イギリスのアーティストや創造性の祝典として」今回の展示を行っています。
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「タイプ00は、ジャガーの新しい創造的哲学を純粋に表現しています。その存在感は明確で、勇敢で制約のない創造的思考と揺るぎない決意の結果です。これは、私たちの最初の物理的具現化であり、今後登場する新しいジャガーファミリーの礎となるものです。それは、あなたが今まで見たことのないものに似たものがないヴィジョンであり、最高の芸術的努力を目指しています。」
JLR チーフ・クリエイティブ・オフィサ ジェリー・マクガバン
なお、ジャガーの新しい創造的哲学は、3つの基本的な特徴に基づいているといい、今後のジャガーのすべての部分、およびその存在するすべての場所に表現され、その3つとは以下の通り。
- エクスビュラント::活気に満ち、抑制なく、恐れを知らない。作り出す車両やキュレーションする瞬間に用いられる
- モダニスト: 未来を見据え、好奇心旺盛で、世界にインスパイアされる要素。過去を尊重しつつ、過去に縛られないという意思
- 魅力的: 包括的で感覚的、そして特別なもの。顧客との意味あるつながりを生み出す手法
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ジャガー・タイプ00はこんなインテリアを持っている
ジャガー・タイプ00には、バタフライドアと「パンタグラフ」テールゲートが装備されており、キャビンで目を引くのはインテリア全体を貫く3本の手仕上げの真鍮ライン。
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このほかインテリアにはトラヴァーチン石、テキスタイルが使用され、これらの素材の使い方によって「大胆なアート作品のような」独自の雰囲気を作り出すことに。
「穏やかなトラヴァーチン石は基盤として機能し、浮遊するシートや中央スパインを支えています。これがインテリアの豊かな色調のレイヤーパレットをインスパイアしています。織物のテキスタイルは職人技を感じさせ、手織りの糸に触発されたタクタイルウールブレンドがシート、サウンドバー、フローリングを包み込みます。」
ジャガー チーフ・マテリアリティ・デザイナー メアリー・クリスプ
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このほかダッシュボード中央にあるデジタルスクリーン「クリアサイトディスプレイ、キャビンを自身の気分に合わせて調整できる「プリズムケース」、光と影を使い三次元の物体を定義するアニメーション「キアロスクーロ」など、これまでの自動車業界の常識を超越した装備が与えられているようですね。
この他ジャガーは新しいシンボルやロゴについても触れていて、「デバイスマーク」だと”幾何学的な形、対称性、シンプルさ”をあらわし、マルコム・セイヤー(Cタイプ、Dタイプ、Eタイプなどのデザイナー)からインスピレーションを受けて”科学と芸術を融合させ”時代を超越した形を作り出してるのだそう。
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そして「リーパー」はジャガーの遺産を象徴する大切なエンブレムであり、今では前進し続ける姿勢、そして進歩と卓越性を象徴することに。
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さらに「モノグラム」はかつての”グラウラー”ロゴ(内燃機関の轟音を表現していた、ジャガーの顔を正面から捉えた図柄)に代わる新しいもので、デバイスマークの端にある「j」と「r」を組み合わせた芸術的なデザインへと変更され、この新しいデザインは、ジャガーが従来のEVの枠を超えて異なる方法で進んでいることを示しています。
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このジャガー・タイプ00は「ジャガーの最初の再創造された生産車」のプレビューで、2025年後半に市販バージョンが発表されるそうですが、ただしボディ形状は今回のタイプ00とは異なり「4ドア」になるとされるため、市販モデルの印象はここから大きく変わるのかもしれません。
使用されるプラットフォームは専用の「ジャガー・エレクトリック・アーキテクチャ(JEA)」、満充電あたりの航続距離はWLTPサイクルで最大770km、EPAでは692km。
充電能力としては「わずか15分で321kmのチャージが可能」だと示されています。
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ジャガー タイプ00を紹介する動画はこちら
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