Image:Astonmartin
| なお、参戦するチームの名称は「ソー」 |
さらにこのヴァルキリー。ハイパーカーのエンジンは「自然吸気」である
さて、先般「ル・マン24時間レースに復帰する」と発表したアストンマーティンですが、今回(ル・マン24時間レースを日程に含む)FIA世界耐久選手権(WEC)、そしてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方に参戦することになる「アストンマーティン・ヴァルキリー・ハイパーカー」を発表。
アストンマーティンは3台のヴァルキリー・ハイパーカーをレースに投入し、 WEC(FIA世界耐久選手権)には2台、IMSA(北米耐久シリーズ)には1台が投入され、前者は「The Heart of Racing(THOR)」よりグリーンのカラーリングにて、後者も同じチームよりブルーのカラーリングをまとって登場します。
なお、このレーシングチームの名称は(頭文字をとったものではありますが)「THOR(ソー)」となり、そこから「ヴァルキリー」が参戦するというのはなかなかにユニークな構造だと思います(ソー、そしてヴァルキリーともに北欧神話由来である)。
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もともとヴァルキリーは「ル・マン24時間への参戦」を視野に入れて設計されている
参考までに、もともとヴァルキリーはル・マン24時間参戦を前提に設計されており、市販モデルの生産開始前からこのプロジェクトが進められています。
おそらくはコロナ禍の影響による市販車ビジネスの悪化に関連して2020年初頭にプロジェクトが一時中止され、しかしアストンマーティンが新体制となった後に計画は復活し、世界各地のサーキットで15,000 km以上のテスト走行が行われ、そして2月28日に開催される「カタール 1812KM」で公式デビューを果たすこととなるわけですね。
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そして今回のヴァルキリー・ハイパーカーは、市販版ヴァルキリーやサーキット走行専用の「ヴァルキリーAMR Pro」に近いデザインを持ちつつ、さらにレース向けの大幅な改良が(以下の通り)施されています。
- 前後のパネルを素早く交換可能な設計を導入
- 高速作業が可能な空圧式ジャッキシステム装着
- 新設計の大型リアウィング & シャークフィン装備
このヴァルキリー・ハイパーカーはほかのライバルに比較して非常に「特別な」装備を持っており、それはトップクラスのWECおよびIMSAマシンの中で唯一、V12エンジンを搭載しているという点。
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このV12エンジンは市販版ヴァルキリーと同じ6.5リッター自然吸気ですが、レギュレーションに合わせて最高出力を1,000hpから680hpに抑制しており、エンジンをリーン(燃料消費を抑えた状態)に調整し、さらには耐久レース向けにトルク特性を最適化している、とのこと。
「スポーツカー耐久レースの最高峰に参戦するのに、今は最高のタイミングだといえるでしょう。ACO(フランス西部自動車クラブ)、IMSA、FIAの協力によって、このシリーズは成長し、スポーツカーレースの黄金時代が訪れたのです。世界的な舞台で、公正かつ競争力のある環境で戦える素晴らしい機会に感謝します。」
アストンマーティン 耐久モータースポーツ責任者 アダム・カーター
アストンマーティン ヴァルキリー・ハイパーカーの公式プロモーション動画はこちら
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