Image:Jaguar
| ここまでのリスクを背負ったキャンペーンはなかなかできるものではないが、それだけ覚悟があるということなのだろう |
良くも悪くも、多くの人にジャガーの改革が伝わり、新型車発表に対する期待が高まることに
さて、おそらく今年最大の衝撃を自動車業界に与えるであろうクルマが「ジャガーのニューモデル」。
ジャガーは過去を「なかったこと」にして新しい超高級ブランドとして生まれ変わろうとしていますが、それに先行して新しいブランドロゴやコンセプトカーのビジュアル、そして動画では視覚的なコンセプトを示しています。
そしてこの奇妙な動画が各方面にて拡散し続けているのが現在の状況ですが、おそらくはジャガー史上最大の注目を集めており、ジャガーのマネージングディレクター、ローウドン・グローバー氏は今回の動画に関し、「私たちはブランドを完全に異なる価格帯で再構築する必要があるので、異なる行動を取らざるを得なかった」「このキャンペーンはその一環で、我々は意図的に従来の自動車業界のステレオタイプから離れた」ともコメントしていて、つまりこういった拡散は「おおよそ狙い通り」であったことも明かされており、ぼくらは「まんまと乗せられた」のかもしれません。
ジャガーのプロモーション動画はインフルエンサーの格好のネタになる
実際のところ、このジャガーのプロモーション動画は(テスラがサイバートラックを発表したときのように)自動車業界の枠を超え、自動車とは縁が無いメディアそしてインフルエンサーも取り上げており、つまり「これまでリーチしなかった層に」ジャガーの名、そして今から何をやろうとしているのかが伝わったということに。
公開から1週間足らずで動画はYouTubeで約210万回、X(旧Twitter)では1.637億回も視聴されていますが、Xでの拡散はイーロン・マスク氏がツイートしたことも影響していて、しかしこれは「イーロン・マスク氏も言及せずにはいられないほどの内容であったから」。
これはあえてクルマを登場させなかったからこそ可能となった手法だと思われ(イーロン・マスク氏はクルマが登場しない自動車メーカーの広告を揶揄している)、仮にここへクルマが登場していればクルマ好きしか興味を示さず、かつクルマに興味のない人はそれだけで動画を見るのをやめてしまったのかもしれません。
よって今回のプロモーションは大成功であったということにもなりそうですが、一方で既報の通り嫌悪感を示す人も少なくはなく、クルマのコマーシャルというよりはアートやファッションショーのような奇抜な色使いに対して是非を問う人、はたまた「ジェンダーレス」を商業化し利用したとして怒りを見せる人など(様々な方面でバズっただけに)多種多様な方面からの憎悪が寄せられているようですね。
よってジャガーは「拡散したのはいいものの」思わぬ批判に対して火消しを行う様子も見せていて、「計画が完全に公開されるまで評価を保留してほしい」と述べていますが、今回の騒動によって「ジャガーがここまでして発表する新型車とはどんなモノか」というところに期待が集まっていることも間違いはなく、ここで「想像の範囲に収まる」クルマが登場すれば多くの人がそこで興味を失い、しかし今回の動画のインパクトが色褪せるほどの」素晴らしいクルマが登場すればジャガーの最ブランディングは成功ということになるのかもしれません。
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