
| ピュアエレクトリックパワートレーン同様、ハイパフォーマンスカーにおいて「ダウンサイズ」は一部のファンにとって許容しがたい |
過去にはポルシェが718ケイマン・ボクスターの一部グレードを「4気筒から6気筒へ」と戻したことも
さて、一部では非常に大きな論争の的となっているのがメルセデスAMG C63に積まれる「4気筒ハイブリッド」パワートレーン。
このパワートレーンはF1由来の電動ターボを使用するなど「画期的」、かつ出力や環境性能など”あらゆる面において”過去のV8を上回るパフォーマンスを発揮するのですが、この「2リッター4気筒」というところに多くの人が拒否反応を示してしまい、現実的に「ほとんど売れていない」と言われます(これがメルセデス・ベンツブランドであれば話は違ったはずであるが、AMGブランドの購買層は ”もっともパワフルなCクラス” が2リッター4気筒エンジンを積むことを許容できなかった)。
メルセデスAMGはなんとか事態を収拾させようと奮闘中
その後メルセデス・ベンツはこの事態を収拾すべく様々な検討を行ったと見え、いったんは「この4気筒ハイブリッドの素晴らしさを啓蒙できていなかった」としてキャンペーンを強化する意向を示したものの、直近の報道では「CクラスのAMGモデルでは、すべての4気筒ハイブリッドパワートレーンが廃止される」。
これは次のフェイスリフト時(およそ1年後)に行われる変更だといい、CクラスのAMGモデルは(CLE53同様の)3リッター直6+マイルドハイブリッドを積むC53のみになる、と報じられています。
ただし、これとは別に3リッター直6+PHEVを積むC63が登場するという話もあるのですが、いずれにせよ「4気筒エンジンが廃止され6気筒エンジンが生き残る」という点は共通しており、これはBMW M3/M4、アウディRS4が6気筒エンジンを積むことを鑑みるに、”妥当な判断”かもしれません。
Image:Mercedes-Benz
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4気筒+ハイブリッドはメルセデスAMGの「排他性」として機能するはずだったが
なお、メルセデスAMGとしては、この状況を完全に打開し、旧来のAMGファンを取り戻すためには「V8」を積みたかったのかもしれませんが、現行CクラスはV8エンジンを積むようには設計されておらず、「物理的な寸法だけでなく、冷却システムや衝突保護の観点から」それは不可能だという説明がなされており、よってV8を求めるのであれば「CLE63」を選択する必要がある、ということに。
ともあれ、メルセデスAMGは「巨額を投じて開発し、BMWやアウディが持たない”目玉”となるはずであった4気筒ハイブリッドエンジンを捨てねばならないということとなりそうで、これもまた急速な電動化同様、大きな誤算であったとも言えそうですね(時代を先取りしたにもかかわらず、消費者側にそれを受け入れる準備ができていなかったのは皮肉な話である)。
Image:Mercedes-Benz
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参照:Mercedes-Benz Passion Blog, Autocar