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またまた納車されたてのコルベットZ06のエンジンにトラブル発生。やはりフラットプレーンクランクは神経質?「慣らし運転」はどの程度の重要性を持つのか【動画】

またまた新型コルベットZ06のエンジンにトラブル発生。やはりフラットプレーンクランクは神経質?エンジンにとって「慣らし運転」はどの程度の重要性を持つのか【動画】

| フラットプレーンクランクV8エンジンは振動が大きく、各部に影響が出ることが知られている |

コルベットZ06のマニュアルには「慣らし運転は1,500マイル(約2,414キロ)必要」という記載があるもよう |

さて、少し前には新型シボレー・コルベットZ06の納車を受け、自宅に戻る際に「エンジンが故障した」例が報じられていますが、今回は納車から621マイル(約999km)走行した後に同じくその5.5リッターV8フラットプレーンクランクエンジンが破損したというオーナーが登場。

ただ、本件についてはすでに解決済みで、シボレーディーラーが保証にてエンジンの交換を行うことを申し出ており、すでに2週間という短い期間にて作業を完了した、と報告されています。

新型シボレー・コルベットZ06のエンジンが納車後84kmの走行で不動に。初採用のフラットプレーンクランクV8には潜在的な問題がある?【動画】
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コルベットZ06のフラットプレーンクランクV8エンジンはこういった状況で故障した

そこでこのコルベットZ06のエンジンが故障したいきさつですが、このオーナーは500マイル(約800km)の慣らし運転推奨期間において、フルスロットルを避けること、4,000rpmを超えないこと、クルーズコントロールを使用して一定速度で運転しないこと、4,000rpmを超える場合はシフトダウンさせること、などを守ってきたといいます。※一般にならし運転中は、一定回転数を保つことは好ましくなく、回転数を(定められた範囲で)上げ下げすることが理想的だとされる

そしてようやく慣らし運転が終了したのち、このオーナーは晴れて「フルスロットル解禁」ということで、エンジン回転数がレッドゾーンに達するまでアクセルを踏み込み、高回転からのシフトダウンを何度も行い、その後赤信号のために停車しようと減速したところエンジンに問題が生じた、とのこと。

Covette-Z06 (3)

その後はすぐにエンジンを停止させてディーラーに連絡し、車両を運び込んでチェックを行うことになりますが、そこでわかったのがシリンダー1、2、7、8にミスファイアが発生していること。

この状況はエンジンに問題があるということで、上述の通りシボレー正規ディーラー、ノースカロライナ州シャーロットのリッチ・ヘンドリック・シティ・シボレーがエンジンを交換してくれた、と報じられています。

なお、立て続けに新車のコルベットZ06のエンジンに問題が生じた理由としては、「新開発のフラットプレーンクランクエンジン」を積んでいることに起因するものと思われ、フラットプレーンクランクは排気干渉を避けてスムーズに回転が上昇するという利点があるものの、一方では振動が大きいためにエンジン本体や補機類、ドライブトレーンに与える影響を無視できず、性能を最重要視し、かつこまめなメンテナンスを行うレーシングカーであればともかく、不特定多数の個人が乗るロードカーには不向きだとされています。

Covette-Z06 (4)

よって多くの市販車用V8エンジンでは(振動が少ない)クロスプレーンクランクを採用することになるのですが、フェラーリのV8モデル、メルセデスAMG GTブラックシリーズなど、ごく一部のパフォーマンス最優先モデルにはこのフラットプレーンクランクが採用されることに。

そしてシボレーも、コルベットシリーズのハイパフォーマンスグレードにはこのフラットプレーンクランクを採用するしかないと判断し、つまりは「禁断の領域」に踏み込んだものの、もちろんその問題についてもじゅうじゅう理解していて、そのためにフェラーリのエンジンを購入し、構造はもちろん、振動対策を調査したという事実も明かされています。

ただ、こういった問題が連続して報告されるあたり、いかに細心の注意を払ったといえど、フラットプレーンクランクV8エンジンの市販車への搭載は容易ではないのだと認識させられ、むしろそれを以前から行っているフェラーリ、そして新しくこれを開発し問題なく機能させているメルセデスAMGの技術力の高さには改めて驚かされるところですね。

Covette-Z06 (2)

シボレーは新型コルベットZ06のフラットプレーンクランクV8エンジンの開発に際しフェラーリ458のエンジンを参考にしていた!「そう。廃車のエンジンを2万5000ドルで買った。ebayでね」
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「慣らし」運転はやっぱり必要?

なお、オイル交換のタイミングとともによく議論の的となるのが「慣らし運転」。

現代の「高い精度」によって製造されたエンジンには慣らし運転が不要とされることも多いのですが、ぼくとしては慣らし運転は必要だと考えていますし(自分がそのクルマに慣れるためにも必要だと思う)、実際に多くのクルマでは慣らし運転に言及しています。

ちなみにC8世代のコルベット(ベースグレード)では「強制慣らし運転モード」があり、500マイルを走行するまではレッドゾーンが低く抑えられるもよう(Z06の場合、実は1,500マイルが慣らし運転としてマニュアルに記載されている、とのこと。つまり通常のV8エンジンの3倍の距離が慣らし運転として定められている)。

【動画】新型コルベットには「強制慣らし運転」モードがある?500マイル走行を境にレッドゾーンが切り替わるようだ

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参考までにですが、ランボルギーニ・ウラカンのマニュアルだと「慣らし運転」の距離は1,500kmだと定められ、「この期間はエンジン回転数を6,000回転以下に抑えること」、「2,000-2,500キロの間では徐々に回転数を上げること」「ならし運転期間中は相互調整中の可動部品があり、新車時はエンジン内部の摩擦が大きいため、この期間のエンジンの扱いがその後のエンジンの寿命を決定すること」が記載されているほか、冷間時のエンジン全開も寿命を縮めること、タイヤのならし運転は500キロが必要であること、エンジンが温まるまで(走行温度範囲に達するまで)のエンジンの摩耗は著しく、エンジン始動後はすぐに発進する(エンジンを温めるため)ことをお勧めすること、
4キロ走行してようやく走行温度範囲に入るため、それ以下の距離を走ることはお勧めしなことも記載されています。

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新型コルベットZ06のエンジントラブルについて触れる動画はこちら

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参照:steelankles

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