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テスラが2024年4月の中国における販売にて-18%を記録。+49%となったBYDとは対照的、さらに売上高は30%減少し完全に勢いを失ってしまう

テスラ

| 現在の数値はすべてにおいて「テスラの置かれた不利な環境」を示している |

もちろんテスラはこの状況に手をこまねいているわけではなく、次々と対策を行っている

さて、現在様々な報道がなされ揺れに揺れ動いているテスラ。

投資家としては気が気ではない状況が続いているわけですが、新しいデータによると、中国(上海)にて生産されたテスラの車両販売は4月に前年同期比で18%減少したことが判明し、 中国乗用車協会(CPCA)の速報値では2024年4月の販売台数は6万2167台、そしてこれは2023年4月の販売台数に比べて6分の1以上減少したという事実を示しています。

BYD
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さらにテスラの「売上高」も減少

なお、さらに悪い状況であることを示しているのは「テスラの売上高が30%減少した」とうことで、つまり台数以上に1台あたりの販売金額が減少していて、これは「そのぶん利益が減っている」ということを意味するわけですね。

加えてテスラに対する懸念を強めているのが「中国国内のEV市場全体が成長している」という事実であり、中国現地メディアによれば「この4月の中国でのEV販売は、今年の低調なスタートから反撃し、約33%増加して約80万台になった」。

つまりEV市場全体が成長しているのにテスラが成長していないということは「テスラのシェアが他社に食われ、しかしテスラは他社のシェアを奪うことができていない」という事実であり、実際に(昨年末にテスラを抜いて最大のEVメーカーとなった)BYDの4月の販売台数は2023年4月比49%増の31万2,048台にものぼります(EV市場の西洋率よりも大きくBYDが成長している)。

BYD

もはやBYDの勢いは圧倒的である

そこで以下は2024年4月29日~5月5日までの「週間」販売台数で、これを見るとBYDがテスラの5倍近い台数を販売していることもわかり、さらにテスラは下からの追い上げにも直面しているという事実を見て取ることがわかりますが、こういった数字を見るに、すでにテスラの優位性は失われたと考えていいのかもしれません。

メーカー販売台数
BYD52,600
テスラ11,000
WuLing9,200
Li Auto5,300
Aito4,800
Zeekr3,600
NIO3,600
Aion(GAC)3,600
長安汽車3,300
リープモーター2,300
ディーパル2,300

もちろん、イーロン・マスクCEO)はそれを誰よりもわかっているからこそ、スーパーチャージャー部門を解体したり、人員の整理を断行したり、廉価版EVの開発やギガキャストへの投資を中止し、その一方で(すぐに利益に結びつかない)AIやロボット、自動運転に力を入れているのだと思われますが、つまりは「勝てない分野を切り捨て、勝てる分野にリソースを分配する」と考えている可能性がありそうです。

テスラ
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実際のところ、イーロン・マスクCEOは「現在、2つの成長の中間にいる」ともコメントしており、1つ目の成長はEV販売、そして2つ目の成長は「ロボット、AI、自動運転」なのだとも考えられ、しばらく続く暗い夜ののちに新しい夜明けが待っているのかもしれません。

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参照:CarNewsChina, etc.

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