
| 【衝撃】イーロン・マスクとドナルド・トランプの“決裂”劇とは?EV税制を巡る政界バトル勃発 |
イーロン・マスク氏の行動すべてが「マイナス」に
さて、テスラCEOのイーロン・マスク氏と、元アドバイザー関係にもあったドナルド・トランプ前大統領の関係がついに決裂したと報じられ、これによってテスラの株価が終値ベースで14%も下げてしまい(一時は18%も下落)、日本円にして約22兆円もの時価総額が吹き飛ぶことに。
現在イーロン・マスクCEOはトランプ政権が廃止するEVに対する税制控除を痛烈に批判し、一方のドナルド・トランプ大統領は「国の無駄な出費を抑えるためにはテスラとスペースXとの契約を打ち切るのが手っ取り早い」とコメントするなど、双方にて「口プロレスの応酬」がなされている状態です。
テスラは昨年11月以降、トランプ政権に近づくことで「業績の向上」が期待され株価が大きく上昇したものの、その後はイーロン・マスクCEOに対する「政治を利用して自身へと利益を誘導しようとしている」という市場からの批判が相次ぎ株価が急落。
そしてイーロン・マスクCEOはこの事態を収拾しようとしてか”テスラの経営に集中するため”ホワイトハウスを後にすることを決めたのがつい先日で、しかし今回の報道を見るに、事態が好転するどころか悪化しており、ここ最近のイーロン・マスク氏は「やることなすこと全て」が裏目に出ているようですね。
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イーロン・マスク、「トランプ政権を離脱する」と明言。トランプ大統領への批判を述べて政権との決別を示し、今後はテスラの経営に専念か
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イーロン・マスク VS ドナルド・トランプ:蜜月の終焉?
かつてイーロン・マスク氏は、ドナルド・トランプ氏支持のために2億5000万ドル以上の資金を提供したと言われていますが、直近の報道を見る限りだと、その“愛”は完全に冷めたもよう。
直接の原因となったのは、EV(電気自動車)に対する税額控除の廃止を盛り込んだ共和党の税制法案で、これにより、現在最大$7,500(約117万円)となっているEV税制優遇が2025年末で終了する可能性が浮上しています。
イーロン・マスク、下院議長に直訴するも拒絶される
イーロン・マスク氏はこの税制改正を阻止するため、マイク・ジョンソン下院議長に直接ロビー活動を行ったことが明らかにされており、しかしジョンソン議長はBloombergのインタビューで、次のようにコメントしたことがわかっています。
「イーロンとは友人で、昨夜もテキストでやり取りしました。だがこれは単なる予算案ではなく、アメリカ・ファーストを推進するための調整法案なんです。」
そしてイーロン・マスク氏の動機については、少し皮肉交じりにこう語ることに。
「EVメーカーのCEOである彼にとって、税控除が廃止されるのは大問題でしょうが、彼がここまで頑なになる理由はよくわからない。」
SNSでも激しく非難:「忌まわしき怪物」と呼ばれる法案
さらにイーロン・マスクは自身が所有するSNS「X(旧Twitter)」でも発言を展開。
この共和党の法案を「忌まわしき怪物(disgusting abomination)」と痛烈に非難し、EV産業への壊滅的影響を訴えているのですが、これに対し、ホワイトハウスは「この法案により、前例のない経済成長が解き放たれる」と真っ向から反論しています。
Call your Senator,
— Elon Musk (@elonmusk) June 4, 2025
Call your Congressman,
Bankrupting America is NOT ok!
KILL the BILL
DOGEプログラムからの追放と対立の深層
参考までに、イーロン・マスク氏が政界との距離を取るきっかけとなった理由は「テスラの経営に集中する」以外にもいくつかあるとされ、そのうちのひとつがホワイトハウスの職員人事を取り仕切るセルジオ・ゴール氏との対立。
同氏がイーロン・マスク氏を連邦政府のDOGEプログラム(コスト削減構想)から排除したことで両者の関係はさらに悪化し、今回の税制問題は、その延長線上にあるとも見られています。
2026年中間選挙への影響は?マスクの資金提供がカギを握る
上述の通り、イーロン・マスク氏は2024年の選挙で歴史的な額の政治献金を行ったと報じられており、共和党にとっては資金的に欠かせない存在であることは間違いなく、しかし今回の対立がさらに深まることで2026年の中間選挙における資金調達にも影響が出る可能性がは否定できず、もしかするとどこかで「和解」する可能性も。
まだまだ先は見えない状態ではあるものの、イーロン・マスク氏とドナルド・トランプ氏の“破局”は単なる個人の対立ではなく、EV政策、政界ロビー、そして企業の未来を左右する大問題であり、今後の展開次第では、EV市場や米国の気候政策にも重大な影響を与える可能性があるため、状況には注視を要するところでもありますね。
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参照:Bloomberg