
Image:BMW
| BMW Z4は後継モデルが確認されておらず、「BMW最後のMT搭載ロードスター」となる可能性が高い |
できれば最終限定モデルとしてハードコアバージョンを投入してほしいところだが
BMWのオープン2シーター「Z4」が、当初の予定よりも長く生産される可能性が浮上しています。
これまでは2025年10月で生産終了と噂されていましたが、最新の情報では2026年5月まで延長される見込みで、推測される理由は「需要が強いから」。
なお、BMW Z4とGRスープラは同じ工場(オーストリアのマグナ・シュタイア)で生産されており、GRスープラについても「(当初計画されていた)BMW Z4の生産終了にあわせて」2025年10月に生産が終了するとアナウンスされており、しかし今回”急変”する事態にトヨタがどう対処するのかに注目が集まっています。
生産が延長されるのは「BMW Z4 M40i・6速マニュアル仕様」
今回、生産延長の対象となるのはアメリカ仕様のZ4 M40i(6速マニュアルトランスミッション搭載モデル)。
このグレードは、2024年に販売がスタートしたばかりですが、マニュアルの追加により売り上げが13.1%もアップしており、BMWの広報担当者が「マニュアルトランスミッションへの反響は非常に好意的で、販売増に大きく貢献している」と語ったのは記憶に新しいところ。
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なぜ延命?マニュアル人気と終売前の需要増が理由か
今回の「延命」につき、まだBMWが正式に発表したわけではなく、その理由についても明かされたわけではないものの、次のような推測が有力です。
- マニュアルトランスミッションの導入が販売増につながったため、販売継続を決定
- 2030年までにBMWの全車種からマニュアルトランスミッションが廃止される計画があり、今のうちに買っておきたいという需要が高まっており、それに対応するため
- Z4が消滅する前に最後の「本物のスポーツカー」を求める声が多く、やはりそれに対応するため
参考までに、生産を行っているマグナ・シュタイヤーはBMWと資本関係はなく、様々な自動車メーカーから開発や生産の受託を行う企業であり、メルセデス・ベンツGクラスの生産を行うことでも知られます。
よって、生産を委託する企業がマグナ・シュタイヤーの生産ラインを自由にコントロールすることは難しく、そのため生産期間を明示して「委託契約」を行うわけですが、もともとBMW Z4とGRスープラが2025年10月で生産を終えるというのも「当初からそういった契約になっていたから」。
ただしBMWは今回その契約を延長するということになり、もしこれがトヨタに黙って行われたものであれば、トヨタとしては「えぇ・・・」という感じなのかもしれません。
もうトヨタは計画を変更できないであろう
しかしトヨタがBMWの後を追ってGRスープラの生産を延長するとは考えにくく、それは「すでに最終限定モデルを発売してしまったから」。
この状況で「やっぱり生産を延長します」と言うことは難しく、よってGRスープラは予定通り10月で生産を終えるのかもしれませんね。
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Image:TOYOTA
その一方でBMWはZ4のファイナルエディションを投入しておらず(ただしBMWはもともと最終記念限定モデルを投入することがほとんどない)、よって延命しやすい環境にあるものの、その後継モデルが存在しないとされ、ここもまた「復活が約束されている」GRスープラとは異なるところ。
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つまりBMW Z4は、時代の流れとともに静かにフェードアウトしていく運命であったにもかかわらず、MT愛好家の熱意が延命を実現させ、しかしその命も残り少ない絶滅危惧種」。
このMT版Z4はスポーツカーとしての純粋な魅力を残した最後のモデルになる可能性も高いため、中古市場では高い価値を誇ることになりそうです。
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