
近年、世界的なEV(電気自動車)メーカーとして注目されてきたTesla(テスラ)と、そのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)ですが、米国内での人気が明らかに低下しているという調査結果が(あらためて)発表されることに。
この記事では、CNBCの最新世論調査をもとに、テスラとマスク氏に対する現在の評価とその背景について詳しく解説していきます。
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■ 米国でのテスラのイメージは悪化傾向
2025年に行われたCNBC All-America Economy Surveyによると、米国の一般市民のうち:
- 47%がテスラに対して「否定的」な印象
- 24%が「中立的」
- 27%が「好意的」
という結果になりました。
一方、**General Motors(GM)への印象は:
- 好意的:33%
- 中立的:51%
- 否定的:10%
と、テスラよりも好感度が高く、批判も少ない傾向が見られます。
Happy Earth Day!
— Tesla (@Tesla) April 22, 2025
Thank you to our owners, employees & advocates.
Tesla wouldn’t exist without your support.
For the last 22 years, we’ve been working tirelessly to build a world that:
– is transported by electric vehicles
– is powered by solar energy
– runs on batteries… pic.twitter.com/icUqOC3vZ1
■ イーロン・マスクへの評価も厳しい現実
さらにはテスラだけでなく、イーロン・マスク氏自身に対する評価も厳しい状況です。
- 48%のアメリカ人が「否定的」
- 36%が「肯定的」
- 16%が「中立的」
加えて政治的な立場によって評価が大きく分かれるのも注目すべき点。
- 民主党支持層:マスクの支持率 -82(圧倒的不支持)
- 無党派層:-49
- 共和党支持層:+56(好意的)
■ なぜここまで嫌われるようになったのか?
やはり気になるのは「なぜテスラおよびイーロン・マスクがここまで嫌われるようになったのか」ですが、このような否定的な評価の背景には、イーロン・マスク氏の言動が大きく影響しています。
- トランプ元大統領への公然とした支持
- 連邦政府プログラムを内部から崩そうとする試み
- 極右勢力との接近
- リベラル層(元々テスラの初期支持者)の離反
かつては環境意識の高いリベラル層に支えられていたテスラですが、現在では右派に傾いた姿勢が逆にマイナスイメージを助長しているようですね。
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■ EVそのものへの印象は?
調査によると、EV(電気自動車)そのものへの印象はテスラとはやや異なります:
- 好意的:33%
- 否定的:35%
性別・年齢層ごとに見ると、
- 男性:EV支持 +11、テスラは評価が分かれる
- 18〜34歳:EV支持 +19、テスラ支持 -23
- 民主党支持層:EV +20、テスラ -74
つまり、「EVは好きだがテスラは好きではない」という傾向が多くの層に見られるというわけです。
— Elon Musk (@elonmusk) April 25, 2025
■ テスラとマスク氏はどこへ向かうのか?
これらの結果は、どの自動車メーカーにとっても深刻な警告となるデータです。特に、ブランドイメージが製品選択に大きく影響するEV市場においては致命的な問題だと言っていいかもしれません。
今回のように好感度が大幅に低下した背景には、製品の性能や価格だけでなく、経営者の政治的スタンスや発言、ブランドの発信するメッセージが大きな影響を与えていることが改めて浮き彫りになりました。
■ まとめ|EV選びにブランドの「姿勢」が問われる時代
- テスラのブランドイメージは急落中
- イーロン・マスク氏の発言・行動が大きな原因
- 米国では政治的分断が支持にも直結
- EV支持者=テスラ支持者とは限らない
今後、消費者は(これまでのように)単なるスペックだけでなく、そのブランドが何を信じ、どこを目指しているのかも見ながらクルマを選ぶようになってゆくのかもしれませんね。
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参照:Jalopnik