
| 「販売不振の現況」イーロン・マスクCEOの去就が注目されていたが |
同氏の続投が今後「どう影響するのか」は不透明である
テスラCEO、イーロン・マスク氏が今後5年間は同社のトップとして留まる意向を表明。 この発言は、テスラが後継者を探しているという噂が広まった直後に行われたもので、関係者や投資家の注目を集めています。
現在テスラは全世界的に販売が低迷していますが、その理由としては「イーロン・マスク氏の時間が政治に奪われ、テスラの経営に十分な時間を割けていないこと」「やはり政治に関与しすぎたせいで、その姿勢や自身への利益誘導が嫌悪されたこと」などが指摘されています。
よってテスラの取締役会はこの状況を回避すべく「イーロン・マスク氏の後任を探し始めた」という報道がなされていたわけですね。
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テスラのブランドイメージは低迷中、それでも「需要は強い」とイーロン・マスク
米テキサス州オースティンに拠点を置くテスラCEO、イーロン・マスク氏が直近にて「取締役会が、エグゼクティブリサーチ会社に自身の後任を探すよう依頼した」とする報道を真っ向から否定。
同氏はカタールで行われた経済フォーラムの場で「テスラのコントロールを握っていることが最も重要」と語り、CEOを続けることに疑いはないと明言しています。
現在のテスラはブランドイメージの低下に直面していますが、マスク氏は「ヨーロッパ以外では需要が非常に強い」とも語っており、(欧州の需要低下を認めつつも)これまで同様に強気の姿勢を崩さず。
ただし2025年の業績に関しては楽観視できない状況が続いていて、実際、2025年第1四半期の納車台数は前年比で13%減少しており、投資家の間では再び業績が悪化するのではないかという懸念が広がっています。
そしてこの懸念には「イーロン・マスクCEOがテスラに対して十分な時間を取れないままで大丈夫なのか」という疑問が背景にあるのだと思われ、実際のところ同氏は「世界で最も多忙な人物」であるとも目されているわけですね。
スターリンクの上場はあるのか?
イーロン・マスク氏はテスラの他にも複数企業を経営していますが、このイベント中、イーロン・マスク氏は自身のインターネット通信事業「Starlink(スターリンク)」についても触れ、「将来的に上場の可能性がある」と発言。※ただし、具体的なスケジュールは未定とのこと
スターリンクはすでに70カ国以上に展開しており、特にインドなど新興国市場に力を入れており、将来が有望な企業のひとつだと目されています。
xAIとAI開発の裏側:「Colossus」が抱える環境問題
さらに同氏はいくつかの新しい企業を立ち上げており、AIベンチャー「xAI」もそのひとつ。
こちらはAIブームに乗って急成長中を続けており、テネシー州メンフィスには「Colossus(コロッサス)」という大規模スーパーコンピューターが稼働していますが、この施設はテスラの将来構想である「ロボタクシー」の中核を担うとされています。
参考までに、この施設は環境団体からの非難を浴びていて、その理由が「xAIのデータセンターはメタンガスタービンを25基使用しており、いずれも連邦規制で義務付けられている排ガス処理装置を搭載していない」というもので、すでに周辺では喘息による救急搬送が急増しており、環境活動家は(ベルリンのギガテキサス建設時同様に)この問題を厳しく追求。
よってイーロン・マスクCEOはこういった問題にも心を患わされることになりそうです。
今後、イーロン・マスクの政治的な関与は「控えめに」?
その一方、ニューヨーク・タイムズの報道によると、イーロン・マスク氏は2024年に2億5000万ドル以上を費やした政治献金を、今後は「大幅に減らす」とコメント。
本人も「もう十分やった」と述べているため、そして様々な報道を見る限りだと今後は政治活動から一歩引く可能性が高そうで、テスラ含むいくつかの「自分の会社」に集中することとなるのかもしれません。
まとめ:イーロン・マスク氏の発言に注目が集まる今、テスラの行方は?
こういった中でも「もっとも気になる」のはテスラへの関与度合い。
通常の人物であれば「一つの会社」の経営だけでも手一杯かと思いますが、イーロン・マスク氏はこれを「いくつも」同時にこなしており、テスラにとどまることを強く主張しつつも、他のプロジェクトでは拡大路線を継続しています。
テスラの業績、スターリンクの上場、xAIの環境問題、そして政治からの距離感——様々な改題が報じられる中、イーロン・マスク氏の動向は今後も世界中から注目され続けることは間違いなさそうですね。
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