イーロン・マスク、「トランプ政権を離脱する」と明言。トランプ大統領への批判を述べて政権との決別を示し、今後はテスラの経営に専念か

｜　ただしここから現在の悪評を覆すこと、中国製EVからシェアを奪還することは用意ではない　｜

頼みの綱は「ロボタクシー」そして「テスラボット」か

さて、テスラCEO、イーロン・マスク氏が「トランプ政権からの離脱」を表明。

これは自身の公式X（旧Twitter）にて言及されたもので、トランプ政権発足以降に新設された新組織、政府効率化省（DOGE）からの離脱を意味します。

同氏はこの組織を通じ、国際開発局や敎育省を解体状態に追い込んだうえ、多くの政府職員を解任するなど「大ナタ」を振るってきましたが、その活動は「国益のため」というよりは「自身の経営する会社（テスラやスターリンク、スペースXなど）に有利な方向へと国の体制を誘導している」と受け取られてしまい、「政治家でもないのに権力を駆使し、国民を犠牲にして私腹を肥やしている」という批判と怒りを招いていたわけですね。

トランプ政権からの離脱は「任期満了」

そしてこういった批判はテスラ製品の不買運動、さらにはテスラディーラーやテスラ車の破壊活動にもつながることとなり、そしてこれはイーロン・マスク氏がまったく予期していなかった流れであると思われ、少し前には「政治から少し距離を置く」という発言も見られています。

そして今回は実際に政府効率化省からの離脱を明言したということになりますが、同氏いわく、その理由としては「特別政府職員の任期を満了したため」。

ただしこれは事態を収拾するためのいいわけではなく、当初から決まっていた期間での職務をまっとうしたということになり、ある意味では「計画通り」であったのかもしれません（ただ、別の計画では様々な理由を用いてDOGEでの活動を継続する予定だったのかもしれないが、これ以上DOGEに関わるとテスラが危ういと判断したのだと思う）。

イーロン・マスクは「トランプに反発」

そして今回トランプ政権を離れるのとほぼ同時に、イーロン・マスク氏はドナルド・トランプ大統領が進める歳出法案を「批判」しており、これはトランプ政権発足後、ドナルド・トランプ大統領との蜜月ぶりを見せてきた同氏にとっては「異例」の行動です。

ただしこういった「批判」もまた、イーロン・マスク氏が「トランプ政権との関係性を精算する」というポーズ（アピール）である可能性が高く、それだけ一連の「テスラへの批判」を重く見ているのかもしれません。

Legacy media is trying to frame Elon’s departure from DOGE as the result of a falling out with Trump.

-Elon was a special govt employee
-Special govt employees can serve 130 days
-130 days after January 20th is May 30th, this Friday.

They are either retarded or think you are. https://t.co/qim94zjc5W

— ALX 🇺🇸 (@alx) May 29, 2025

今後どうなるテスラ？

そして気になるのが「今後テスラはどうなるのか」。

現在のところ、テスラの評価は「地に堕ちた」も同然ですが、これをかつての位置へと戻すのは至難の業であり、今回の「トランプ政権との決別」により一朝一夕に回復するものではないと考えています（ただ、人の噂もなんとやら、とは言う）。

そしてこういった”評判”とは別の観点から期待できるのが「本業への注力」。

これまでイーロン・マスクCEOは多くの時間を政治に割いていたものの、これによってテスラの経営にかける時間が少なくなり、結果としてテスラの製品やサービスの開発・改良に遅れが生じたと見る向きが多く、実際のところ投資家は（ツイッターの買収時と同様に）「政治から離れてテスラの経営に専念するよう」進言したり、テスラの役員会はイーロン・マスクCEOの後任を探そうとしたことも。

しかし現在、イーロン・マスク氏はトランプ政権を離れ、そして「テスラCEOの座を譲る気はない」と明言していることもあり、ここからは怒涛の大逆転を見せてくれるのではないかと期待しています。

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