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激動・進化・変革著しい自動車業界。2025年に起こると見られるトレンド7つ

激動・進化・変革著しい自動車業界。2025年に起こると見られるトレンド7つ

| この数年、自動車業界は「目に見える形で」揺れ動いてきた |

そしてここからの数年も同様であろう

さて、ここ1−2年の自動車業界では「想定外の」変動あるいは混乱が起きており、そして新しい年にも新たな課題が待ち受けているものと考えられます。

技術の進展、経済的不確実性、消費者の習慣の変化が相まって、自動車業界は絶え間ない急速な変化の時期を迎えているわけですが、自動車メーカーはトレンドに追いつき、潜在的な購入者が何を求めているのかを把握し続けるために、ますます迅速に対応する必要があり、ここで「2025年に自動車業界で起こる可能性が高い」変化を見てみましょう。

2025年の自動車業界ではこんなことが起こるかもしれない

1.電動化の加速

電気自動車(EV)とハイブリッド車(HEV)の急成長が自動車業界を前進させる最大のトレンドで、ほとんどすべての自動車メーカーがラインアップに少なくとも1台のEVを加えていますが、多くの国では2030年代にガソリン車の販売を禁止する法案を予定しており、メーカーは早急に対応する必要が生じています。

しかし、全電動車の所有に移行する準備ができていない消費者も多く、特に高級車セグメントではその傾向が強く、例えば、ベントレーは当初2025年に全電動車を導入する予定であったものの、これを2026年に延期し、2030年から2033年に全電動化する計画へと変更したところ。

よってひとくちに「電動化」といっても、その地域や客層にあわせた「自動車メーカー個別の速度での」電動化が進むこととなりそうですね。

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2.サブスクリプションとMaaSモデルの増加

現在サブスクリプションサービスやMaaS(Mobility as a Service)の導入が(欧米を中心に)進んでいて、車内の機能(ナビゲーション、接続機能、シートヒーターなど)に対して、月額または年額料金を支払うモデルが増加しています。

しかしこのサブスクリプションモデルには消費者からの反発もあり、それでも自動車メーカーにとっては「生産の効率化」と「定期的な収入を確保できる」手段でもあるため、様々な方法にてこれが取り入れられる可能性が高そうです。

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BMW
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3.サプライチェーンの混乱への対応

コロナウイルス(COVID-19)パンデミックとその後の経済的影響、ロシアのウクライナ進行により、自動車業界におけるサプライチェーンは大きな影響を受けており、特に電子部品(現代の車両製造において重要な役割を担う部品)が不足したのは記憶に新しいところ。

世界的な半導体チップの不足によって製造業者はより多くの(より入手が容易な)地元のインフラそして部品を利用するという傾向が強まっており、今後も電子部品含め「より調達の時間と距離が短くなるよう」サプライチェーンの再構築を進めることになりそうです(買収、提携も進むものと思われる)。

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4.自動運転技術の進展: ADASの拡大

完全自動運転はまだ実現していませんが、車両そのものは進化を続けていて、ADAS(先進運転支援システム)機能が進化し、車両はより自律的に、そして賢くなっているのが現在の自動車業界。

2025年にはテスラがロボタクシーサービスを開始する予定であるとも報じられ、そのために様々な法改正がなされる可能性が高く、それによって多くの参入が見込まれます(中国でもなんらかの動きが予想される)。

テスラ
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Image:Tesla

5.接続性の向上: IoT車両サイバーセキュリティへの対応

現代の車両はもはや静的で孤立したものではなく、IoT(モノのインターネット)の一部となっています。

これにより、更新や新機能の追加、コンテンツのストリーミングが可能になりますが、スマートフォンとの統合が進み、スマートウォッチのように、「スマートフォン側にてデータの更新や車両の機能カスタマイズ、設定変更」を行うことが一般的になるのかもしれません。※ただし接続が途切れると何もできなくなる可能性が生じる

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一方、車両がより多くのインターネットへの接続機能を持つようになると、それに伴いサイバー攻撃のリスクも増大しますが、車両のあらゆるコンポーネント(シートからエンジンまで)がネットに接続されるため、安全対策(ハッキング対策)が非常に重要となり、この対応が要求されることとなりそうです。

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7.持続可能な製造への焦点第四次産業革命(Industry 4.0

現在の自動車業界は、低排出製造方法を採用したりエコ素材を使用したりするなど持続可能な運営に焦点を当て始めていますが、しかしエコ素材が必ずしも最も環境に優しいとは限らない場合もあるために注意が必要です。

環境活動家からの突き上げをかわすために「エコ素材」の導入が必須なのだとは考えるものの、今後はそのあり方に一石が投じられる場面が出てくるのかもしれません。

マクラーレン
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さらに産業界では現在第四次産業革命(Industry 4.0)が進行中ですが、これは生産効率を高め、廃棄物を減らす技術の導入を加速するというもの。

近年それはさらに加速しており、業界は違えど「フードロス削減」「レジ袋の廃止」「予約受注を標準化させて”作りすぎない”ようにする」などの一連の活動もこれに準ずるものと考えてよく、自動車業界ではAIやIoT接続機械、デジタルツイン(物理的な設備の仮想モデル)を活用し、生産プロセスがより効率的に進化するであろうと見られています。

全般的に見て、自動車業界は今後ますます進化し、革新の速度も加速していますが、技術の進展、持続可能性への取り組み、そして消費者のニーズの変化に迅速に対応することが自動車メーカーにとって最も重要な課題となることは間違いなく、2025年の本格スタートに向け、これらのトレンドがどのように進展し、業界を形作っていくのかが注目されるところですね。

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