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今シーズンもアストンマーティン・ヴァンテージがF1セーフティカーに。基本性能が高いため「エンジン、冷却系、ブレーキ」はノーマルのまま

今シーズンもアストンマーティン・ヴァンテージがF1セーフティカーに。基本性能が高いため「エンジン、冷却系、ブレーキ」はノーマルのまま
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| 一方、高速での安定した走行を実現するためにエアロダイナミクスが強化される |

これによってさらにアストンマーティンの売上が伸びることになりそうだ

さて、ここ最近頻繁にニュースが飛び交うアストンマーティン。

自動車メーカーにとって「ニュースのあるなし」は非常に重要で、とくに頻繁に新型車が出るわけではないプレミアムカーメーカーにとってはニュースとなるネタは非常に重要です。

そして今回アストンマーティンが発表したのが「F1のセーフティカーに新型ヴァンテージを導入する」。

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アストンマーティンの快進撃は「F1のペースカー」からはじまった

ちなみにですが、アストンマーティンは先代ヴァンテージについてもF1セーフティカーとして走らせており、そしてこれがきっかけで急速にF1そしてモータースポーツとの距離が接近することに。

もちろんそれに先立ってローレンス・ストロール氏がレーシングポイントを買収しアストンマーティンとしてF1に参戦させていたという前フリはあるものの、この際にメルセデスAMGがアストンマーティンの株式を追加購入したことでメルセデスAMGの(アストンマーティンに対する)影響力が強くなり、そしてメルセデスAMGと「半々」という形で ”じつに24年ぶりに ”メルセデス・ベンツ以外のクルマとして(F1セーフティーカーとしての)ヴァンテージがサーキットを走ったわけですね。

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そしてそこからタイミングよくアストンマーティンF1チームの快進撃が始まり、F1マシンと同じカラーを持つヴァンテージ(セーフティカー)へと大きな注目が集まるとともに、市販車としてのヴァンテージが最注目されるといった現象が発生しています。

そしてこちらもタイミングよく、アストンマーティンはF1セーフティカーとしてヴァンテージを投入するのとほぼ時を同じくしてセーフティカーにインスパイアされたヴァンテージの限定車を発売しており、これによってさらにヴァンテージの人気が高まり・・・。

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結果として大きくその販売が伸び、かつこのボディカラー「アストンマーティン・レーシンググリーン」が人気色になるという最新のニュースにまでつながっています。

実際にはF1セーフティカーに採用されたのみではなく、F1での好成績、市販版ヴァンテージにF1風味の限定モデルを追加していたことなど複数の要因が重なってアストンマーティンの人気が高まったわけですが、いずれにせよ「種を撒いていたからこそ」芽が出て実りを迎えたということになり、このあたりは「何事もまず行動することが重要である」と思い知らされますね。

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新型ヴァンテージ「F1セーフティカー」はこんな仕様を持っている

すっかり前置きが長くなりましたが、ここで今回発表されたヴァンテージ”F1セーフティカー”を見てみると、もちろんベースは先般発表された新型ヴァンテージで、アストンマーティンのグローバルチーフブランド兼コマーシャルオフィサーのマルコ・マティアッチ氏は以下のようにコメント。

ヴァンテージはアストンマーティンブランドの真髄であり、最もドライバーに焦点を当てたスポーツカーであるヴァンテージが、権威あるFIAフォーミュラワンでこれほど重要な役割を果たしているのを見るのはとてもうれしいことです。F1ワールドチャンピオンシップはは私たちにとって大きな誇りの源であり、ブランドの認知度を考えると、F1に匹敵するほどのスポーツシリーズはありません。 レースファンはアストンマーティン アラムコ フォーミュラ ワン チーム AMR24がコース上で走るのを見るだけでなく、当社の2つの最もエキサイティングなパフォーマンス モデル、ヴァンテージとDBX707の姿をコース上で見ることも可能となるのです。※DBX707はメディカルカーとして導入される

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今回セーフティカーとしてF1マシンを先導する役目を仰せつかるに際し、新型ヴァンテージは定められた厳格なプロセスを経ることとなったとされ、フロア下の改造に加えて拡張されたフロントスプリッター、さらなるダウンフォースを得るために新しいリアウイングが取り付けられ、より高い速度にて走行できるようライトバーにも新しいデザインが用いられることに。

参考までに、初年度では「(セーフティーカーとしての)ヴァンテージの速度が遅すぎるので、セーフティーカーが出るとF1マシンのタイヤ温度が下がってしまう」という問題も報じられましたが、この新しいヴァンテージは先代に比較すると30%出力が向上しており、さらに上述のようなエアロダイナミクスを備えるため、初年度の二の舞いにはならないと考えて良さそうです。※様々なテストを行った結果、新型ヴァンテージはF1セーフティカーとして求められる機能を最初から備えており、よってエンジンや冷却システム、ブレーキシステムは市販車のままだとされる

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FIAセーフティカードライバーのベルント・マイレンダー氏は、ヴァンテージF1セーフティカーについて「このクルマは信じられないほど優れた血統に由来しており、この最新バージョンはこれまでで間違いなく最速です。 私の第一印象は非常にポジティブで、ハンドリングともちろんパワーの向上をすぐに感じることができました。 サーキットへの配備の要請を受けたときに迅速かつ安全に対応できるよう、高速で集中力のあるクルマが必要であり、ヴァンテージは確実にはそれを提供します。 過去3シーズン、ヴァンテージの運転を楽しんできましたが、今回初めて新型ヴァンテージをドライブし、世界最高のサーキットでそのパフォーマンスの血統をフルに体験できることを嬉しく思います」とコメント。

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インテリアにおいては、専用のバケットシートが装着され、特注のセンターコンソールにはFIA システムを動作させるためのスイッチギアが取り付けられており、ライブラップタイム、全車のサーキット上での位置、リアビューカメラの映像を表示するスクリーンも備えられていますが、ユニークなのは「セーフティカーといえど、インテリアはアストンマーティン独自のレーシングカラーを反映したライムエッセンストリムで仕上げられている」こと(どんなときもオシャレを忘れない)。

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