| さらにF1参戦によってアストンマーティンには多くの新規客がなだれ込む |
もはやF1参戦による効果は疑う余地がない
さて、アストンマーティンは「超高級、F1」を新しいブランドの核に据えてブランドを再建する意向を示していますが、が、このうち「F1」は当初からコアバリューにする予定だったわけではなく、「結果的に」そうなったのだと考えています。
というのも、当初(新しい)アストンマーティンの会長、ローレンス・ストロール氏はさほどF1に価値を見出していなかった(もしくは疑問を持っていた)ように思われ、しかしアストンマーティンの名でF1に復帰した後に市販車の売上が大きく伸び、ここで「F1効果」を身をもって感じたとコメントしているから。
よってそれ以降のアストンマーティンはF1とは切っても切れない関係性となったわけですが、今回はまた別の方面で「F1効果」が生じていると報じられています。
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アストンマーティンがF1に参戦後、グリーンを選ぶ顧客が大幅に増える
アストンマーティンによれば「アストンマーティン アラムコ F1 チームがF1に参戦してから(F1チームのイメージカラーである)グリーンを選ぶ客が増えた」。
このカラーは2021年に市販車にて選択できるようになったのち1年たらずで新車販売の7%を占めるようになり、その後年々その比率が上昇して現在は12%を占めるのだそう。
アストンマーティンは標準オプションにて50色程度、パーソナリゼーションプログラム「Q」を活用すれば事実上無限大のボディカラーを選択できるため、「ひとつのカラーが12%を占める」というのはちょっとした異常事態かもしれません。
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さらに新車のうち24%が(標準オプションにて設定される)9色のグリーンのいずれかにペイントされているそうなので、つまりは「現在、アストンマーティンでは4台に1台がグリーン」。※「Q」ではさらに30色ものグリーンを選択できる
The product of our hyper-focus.#AMR24 pic.twitter.com/2SI0zA3RgX
— Aston Martin Aramco F1 Team (@AstonMartinF1) February 12, 2024
これは今までの(シルバーやメタリックグレーが人気だった)アストンマーティンからは想像できない状況ですが、2番目の人気色はDB12、ヴァンテージ、DBXすべてのラインアップをひっくるめて6.8%を占めるキセノングレー。
加えてジェームズ・ボンド(ボンドカー)との関連性もあってシルバー(とくにシルバーバーチ)が根強い人気を誇るものの、アストンマーティンのグローバルチーフブランド兼コマーシャルオフィサーのマルコ・マティアッチ氏によると、「これまでの傾向と異なるのは、顧客がアストンマーティンを購入する際、最初に考えるのがシルバーやメタリックグレーではなく、アストンマーティン レーシング グリーンになった」。
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F1での成功はアストンマーティンに多くの顧客を呼び込む
さらに同氏は「グリッド上での当社の存在と成功は、ブランドを世界的な舞台に押し上げることとなりました。実際にF1復帰によって新たな顧客が流入しており、ヴァンテージF1エディションの購入者の72%がはじめてアストンマーティンを購入する人々です」。
さらに追加の調査では高級車を購入する人々の88%は「F1に関与しているという理由だけでアストンマーティンを購入する可能性が高い」こと、米国の顧客の98%はF1 レースとのつながりによってロードカーが「運転するのがよりエキサイティングになると信じている」ということがわかっているそうで、様々な角度から見ても「F1がロードカーの販売に好影響を与える」のは間違いなさそうですね。
Made with the same desire that
— Aston Martin (@astonmartin) February 14, 2024
we started with 111 years ago.
To build cars inspired by racing.#AstonMartin #BrothersInSpeed #Vantage
なお、ここで気になるのは「今後アストンマーティンはボンドカーとしての提供を行うのかどうか」。
これまでアストンマーティンは007映画との関連性によってそのプレゼンスを高めてきたと認識していますが、現在は「F1のほうが効果が高い」ことが明らかになっており、この状況で高額なスポンサー費用を投じて007映画に協賛するかどうかには疑問が生じるところで、もしかすると今後ボンドカーとしてのアストンマーティンを見ることはできなんじゃないかと考えたり氏ます。
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参照:Astonmartin, CARBUZZ