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【BMWが明言】直6とV8エンジンは“絶対に残す”。欧州排ガス規制「ユーロ7」下でも性能は維持

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| ダウンサイジングと電動化が進む中、BMWは「小排気量や3気筒、4気筒はない。伝統の直6とV8を守る」 |

BMWは今の時代でも内燃機関にこだわり続ける

今の時代、BMWのパフォーマンスカーに求められるのはたった2つ、「直列6気筒ターボ、もしくはV型8気筒のハイパワーエンジン」だと言われています。

しかし世界的に進む電動化や、欧州の新排出ガス規制「ユーロ7」の導入などにより、こうした内燃エンジンを維持するのは容易ではないと見え、実際に最近のBMWではフェイスリフトを行ったとしても「馬力据え置き」となる例が多く、これは「今の世の中では、馬力を維持することすら困難であり、パワーアップなどとんでもない」という状況を示唆しています(それでもなんとかパワーダウンは避けている)。

よって他自動車メーカーは続々と小排気量+電動化へと舵を切っているわけですが、BMWはあえて逆の決断を行った、というのが今回の報道です。

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BMW MのCEOが「エンジン継続」を明言

このたび英Autocarが報じたのが「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて行われた、BMW MのCEO、フランク・ファン・ミール氏に対するインタビュー」で、ここで彼は以下のように語っています。

「BMWの直6とV8エンジンは、ユーロ7が導入された後も存続する。しかもパフォーマンスを犠牲にすることなく、だ」

この発言は、内燃エンジン存続に不安を抱いていたBMWファンにとっては大きな安心材料となりそうで、以前になされた「我々はライバル(メルセデスAMGを指しているのだと思われる)のように小排気量エンジンという安易な解決策に依存しない」という発言を裏付けるものに。

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BMW「Mカーではダウンサイズされたエンジンを用いることはない。直6とV8で行く」。メルセデスAMGとは真逆の方向にてハイブリッドスポーツへとアプローチ

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「燃料で冷却できない時代」にどう対応するか

フランク・ファン・ミール氏によれば、ユーロ7ではスポーツ走行時では燃料による冷却が認められないため(ガソリンの噴射量を増やすと規制をクリアできないためだと思われる)、エンジンの冷却と燃焼効率を見直す必要があったとのこと。

「これまでは燃料で冷却するのが一般的だったが、ユーロ7ではそれが不可能だ。だから新たな冷却方法や燃焼プロセスの改善が求められる。もちろん、性能を落とせば温度上昇は避けられるが、我々はそれをしたくなかった」

つまり、BMWは「性能を落とさずに規制をクリアする」という極めて高度な難題に真正面から取り組んだということに。

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直6とV8はBMWの“魂”。ダウンサイジングは否定

現行のMモデルのエンジン構成を見ると、以下のようにパフォーマンスの核に直6とV8を据え続けているという事実がわかります。

  • M2、M3、M4:3.0リッター直6ツインターボ
  • M5、XM:V8+プラグインハイブリッド

そして今回、冒頭にて述べた通り、「将来的に3気筒や4気筒へダウンサイジングする可能性はあるのか?」という質問に対し、ファン・ミール氏は明確にこう答えたというわけですね。

「ない。我々の遺産は直列6気筒であり、V8はモータースポーツの歴史に深く関わっている。これからもそれを守っていくつもりだ」

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BMW CEOも「内燃機関がブランドの礎」と断言

なお、BMWが内燃エンジン継続を強調するのはこれが初めてではなく、2024年6月にはBMW CEOのオリバー・ツィプセ氏が、

「内燃エンジンはBMWの基盤であり、全てのエンジンをユーロ7に適合させる」

と公式に発言。これは1.5Lの3気筒エンジンから、最強のV8までを含むとされ、同社が内燃機関の未来に本気で取り組んでいることがうかがえます。

まとめ:電動化が進んでも“BMWらしさ”は失われない

BMWは電動化に対して非常に積極的な企業のひとつではありますが、この電動化と規制の時代にあっても自らのパフォーマンス哲学を守り抜く構えを見せています。

さらには消費者に対し「より多くの選択肢を提供する姿勢を貫いており、今後のMモデルにおいても、耳と心に響くエンジンサウンド、そしてフィーリングを期待できると考えて良さそうですね。

  • BMWはユーロ7を見据えつつも、直6とV8を継続
  • 性能を犠牲にせず、革新的なエンジン技術で対応
  • ダウンサイジングの流れにあえて逆行する姿勢
  • 内燃エンジンは「ブランドのDNA」と明言
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参照:Autocar

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