
Image:ALPINA
| BMW、アルピナの完全取り込みを進行中。新ロゴ登録から見える今後の「高級パフォーマンス戦略」とは |
アルピナ、2026年からBMW本体で製造へ?
3年前、BMWはアルピナ(Alpina)を買収し、将来的な内製化を示唆していましたが、今回それに関し新たな動きが見られたと報じられています。
なお、BMWとアルピナとは長らく提携関係にあり、「買収した」といえども様々な変更を行うことに時間を要するのだと見え、もともと「2025年末に買収が完了する」予定でもあったわけですね(アルピナの事情を慮り、アルピナに猶予を与えたのだと思われる)。
そしてこのアルピナはもともと独立したチューナーであったものの、BMWにその手腕を認められ提携を開始し、その後はBMWから車体やコンポーネントを譲り受け、自身で車両を組み立てて販売する「自動車メーカー」へと成長しています。
-
-
BMWがアルピナを買収!今後「M」ブランドとの棲み分けを明確にし、高級パーソナリゼーションブランドに進化すると予測
| まさかBMWがアルピナに価値を見出すとは思わなかったが | 2020年に開始した提携が「有益」だったのだと思われる さて、BMWがアルピナを買収したとの電撃報道。アルピナはBMWのチューニングパー ...
続きを見る
BMWがアルピナの新しい商標を取得
そして今回CARBUZZによって報じられるのが「アルピナはこれまで、BMWが車両を仮組みした後の車体を購入し、そこからアルピナが独自のチューニングを施しつつ最終的な組み立てを行う」という複雑かつコストのかかるプロセスが取っていたものの、これからはアルピナ車がBMWの工場内で製造される可能性が高まっている」。※BMWはアルピナの工場を取得せず、「元」アルピナに残すのかもしれない
そしてこの新しい報道とともに明かされたのが「BMWが取得した新しいアルピナロゴ(エンブレム)」。
以前にもBMWはアルピナのロゴを商標登録していたものの、今回のドイツ特許商標庁(DPMA)に登録されたものは以前(に登録されたロゴ)とはまったく異なるもので、むしろこれまでのアルピナに近いイメージも。
Image:German Patent and Trademark Office
-
-
BMWがアルピナの新ロゴを商標出願。買収完了後に「BMW ALPINA」へと表記を変更し、シンプルなロゴを採用することになりそうだ
| アルピナの買収完了後、BMWはアルピナの再ブランディングを行うことになるものと思われる | おそらくはニッチな市場を対象に少量生産モデルを供給し、利益率を重視したブランドになりそうだ さて、BMW ...
続きを見る
新ロゴは「BMWとの一体感」を強調したデザインに
しかしよくよく見ると、中央のシールド形状が円形に変更され、BMWラウンデル(円形エンブレム=プロペラマーク)との統一感が高められています。
- スロットルとカムシャフトのシンボルは継続採用
- ただし全体的によりシンプルで2D的なデザイン
そして興味深いのは、BMWが2023年に商標登録した新フォントが使われていない点です。
-
-
ちょっと待って・・・!BMWロゴは「プロペラと空を意味してない」とBMWが公式に否定。今までボクが信じてたのは何だったの
| BMW「90年間、その通説を否定してこなかったのもまた事実だ」 | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49897283197/in/datep ...
続きを見る
アルピナ商標登録の「範囲」が示す今後の展開とは?
BMWの商標申請は以下の3つのカテゴリにまたがっており、それぞれに将来展開へのヒントが含まれています。
Class 12:自動車および関連パーツ
アルピナブランドでの新型車開発、さらにはそのパーツ供給体制の整備が視野にあると考えられます。
Class 35:販売・商業情報の提供
車両とパーツの小売・卸売に関するサービス。今後、ディーラー展開やオンライン販売も強化される可能性。
Class 37:整備・修復・リースサービス
注目すべきはこの分類で、旧車の修復・整備・リースに関するサービスが含まれている点。
BMWには既に「BMW Group Classic」が存在しますが、アルピナ専用のクラシック部門が設立される可能性も示唆されます(アルピナもこれまで、自社のクルマをレストアする部門を持っていたが、それを譲り受けるのかも)。
期待される新世代アルピナの姿
アルピナは従来、Mモデルに匹敵するパフォーマンスを持ちながらも、快適性と長距離性能に特化した個性を貫いており、つまりサーキットでのパフォーマンスを標榜する「M」とは異なる立ち位置を持っています。
この姿勢はおそらく今後も維持されると見られていますが、今まで以上に「より高級に」なるのではという見方もあり、今高まっているという「より街乗りに適した、“硬派すぎないBMWスポーツモデル”」への需要へと対応し、さらにアルピナの存在価値を高める計画なのかもしれませんね。
合わせて読みたい、アルピナ関連投稿
-
-
BMWに買収されたアルピナの創業者一族がザガートとのコラボによる超高級GT「ボーフェンジーペン」を発表。ベースはBMW M4
Image:Bovensiepen | BMWとの不仲を示すかのように「BMW」の名、そして特徴が見事に消し去られている | おそらくはアルピナ残党は今後様々なモデルを展開することになりそうだ さて、 ...
続きを見る
-
-
アルピナがBMWに統合される前の「最後のモデル」、B8 GTが登場。限定99台のみが生産され、アルピナ「GT」シリーズの4番目にして最終モデルとして有終の美を飾る
Image:ALPINA | アルピナは今年末までにBMWへと完全に統合され、これまでのアルピナとは「決別」 | 今後の方向性については発表されていないものの、超高級ビスポークブランドになるというウワ ...
続きを見る
-
-
アルピナ創業者、ブルカルド・ボヴェンシーペンが87歳で亡くなる。プライベートによる改造がBMWに認められ公認チューナーに、そして後には自動車メーカーに
| アルピナは自動車業界における数少ない「伝説」のひとつでもある | 今後はBMW傘下となりその輝きをいっそう増すことになるだろう さて、アルピナ創業者、ブルカルド・ボヴェンシーペン氏が87歳で亡くな ...
続きを見る