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ポルシェが新型「タイカン ターボGT」発表。出力1,100馬力、0-100km/h加速2.2秒、ヴァイザッハパッケージを装着すると軽量化のために「リヤシート撤去」

ポルシェが新型「タイカン ターボGT」発表。出力1,100馬力、0-100km/h加速2.2秒、ヴァイザッハパッケージを装着すると軽量化のために「リヤシート撤去」

| さらにはガソリン車を含めたとしても、タイカン・ターボGTは「最速の4ドア」である |

ひっそりと新型ブレーキが登場、キャリパーのカラーは「ゴールド」

さて、ポルシェが予告していたタイカン最強モデル「ターボGT」を発表。

タイカンはピュアエレクトリックカーなので「ターボチャージャー」を搭載しているわけではありませんが、ポルシェは「ターボ」という呼称をそのモデルの(どちらかというとラグジュアリー面の)トップグレードに与えており、新型パナメーラ以降では「ターボナイト」と命名された専用のカラーを用いた加飾を与えるなど、その差別化を強力に進めています。

ポルシェがターボモデル専用のエンブレム、そしてホイールや内外装に専用色「ターボナイト」を採用すると発表。今後ターボ系は「神格化」されるもよう
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さらにポルシェにとっての「GT」もまた特別な文字であり、こちらはパフォーマンスにおいて頂点を極めたモデルに付与され、よって「ターボ」「GT」の名を持つということは、ラグジュアリーさ、そして走行性能両方における「最上位」を示すわけですね。

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新型ポルシェ・タイカン・ターボGTはこんなクルマ

そこでこの新型タイカン ターボGTについて掘り下げてみると、まずもっとも目を引く数値としては「1,100馬力を発生する」ということ。

そしてGTモデルらしくヴァイザッハパッケージも用意されていますが(オフィシャルフォトではパープルの個体)、なんとこれには”パワーウェイトレシオを高めるため”リアシートを削除するという大胆な仕様が与えられています。

なお、この新型タイカン ターボGTは「ニュルブルクリンクで二番目に速いEV」という地位を確保しているうえ(4ドアというくくりだと、パワートレーンにかかわらず最速である)、2024年2月23日にカリフォルニアのウェザーテック レースウェイ ラグナ セカで行われたチャレンジでは1分27秒87分を記録し、見事「最速の量産電気自動車」というタイトルも取得済み。

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こういった優れたパフォーマンスにつき、タイカンのモデルライン責任者のケビン・ギーク氏は以下のように語ります。

ラグナセカとノルドシュライフェ(ニュルブルクリンク)での2つの記録は、タイカンがどれほど素晴らしいサーキットポテンシャルを持っているかを示しています。サーキットで自分の実力を証明するには、単にできるだけ多くのパワーを持っているだけでは十分ではありません。 加速とブレーキ、コーナリンググリップ、空力、安定性、微調整の全体的なパッケージが正しくなければなりません。 特に、ヴァイザッハパッケージを装着したタイカン・ターボGTでは、これを見事な方法で達成しており、 ドライビングダイナミクスの基準をさらに高く引き上げていることは明らかです。

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ポルシェの開発ドライバー、そして実際にドライブし記録を達成したラーズ・カーン氏のコメントは以下の通り。

ラグナセカを限界まで攻めたとき、違いを生むのは全体的なパッケージです。ヴァイザッハ パッケージを備えたターボ GT は、ほぼすべての指標において新たな基準を打ち立てています。 これらには、加速とブレーキ、直感的に使用できるアタック モード、最大のトラクションとパフォーマンスを実現するように設計されたパワートレインが含まれます。 そしてコーナリンググリップレベルも同様に印象的です。 コントロール性と足の軽さは信じられないほどです。 タイヤは非常にうまく機能し、あらゆる運転状況で適切なバランスを保つことができます。 ラグナセカの起伏のあるトラックをこの車で走るのは、信じられないほど楽しい経験でした。

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ちなみにこの「アタックモード」をアクティベートすると「最大120 kWの追加パワーを10秒間利用できる」そうですが、これはほかのタイカンに採用されるプッシュ トゥ パス機能の延長版。

ただしタイカン ターボGTの場合はサーキットでの走行に最適化されており、ポルシェがフォーミュラ Eで走らせるレーシングカー、99X レーシング カーと同様の方法で機能します(ブーストは計器盤のカウントダウン タイマーによって示され、速度計のアニメーションリングによって動的に演出される)。

これはステアリングホイール上に備え付けられたボタンを押すことで動作させますが、「レーシンググローブを着用したまま、ステアリングホイールから手を放さずに」操作できるように配慮されているようですね。

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タイカン・ターボGTのパワートレーンについて触れておくと、もっとも大きなポイントはリアアクスル用として装着された「 より強力なパルスインバータ」。

これによってリアアクスル全体のパフォーマンスが向上したといい、0-100km/h加速はわずか2.3秒、ヴァイザッハパッケージを装着すると2.2秒(タイカン・ターボSよりも1~2秒速い)。

このパルスインバータは最大電流900アンペアで動作し(タイカン ターボSは600アンペア)、効率を高めるために半導体材料として炭化ケイ素が使用され、これによってスイッチング損失が大幅に低減される、とのこと。

さらにはリアアクスルに搭載される2速トランスミッションの堅牢性も向上し、より高いトルクに耐えられるようになっています(タイカン ターボGTの最大トルクは1,340Nm)。

なお、タイカン ターボ GTの航続距離は、WLTP測定で最大555kmだとアナウンスされています。

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そのほか、新型ポルシェ・タイカン・ターボGTはこんな特徴を持っている

シャシー面におけるトピックは「タイカン ターボSに比較して75kg軽量化されたこと」で、これに貢献したのは大量のカーボンファイバー。

Bピラーのトリム、ドアミラーのアッパーシェル、サイドスカートのインレイなどにカーボンファイバーが使用され、CFRP製フルバケットシートや軽量なラゲッジコンパートメント、テールゲートの電動ソフトクローズ機能の省略なども軽量化に役立っています。

そのほか、タイカン ターボ GT にはダイナミクス パッケージが標準装備され、このパッケージにはターボGT専用のチューニングを施したポルシェ アクティブ ライド サスペンション、特別なパフォーマンスのサマータイヤ、21インチ軽量鍛造ホイール(リリーフ加工されたスポークが付いており、重量を軽減すると同時にブレーキの効果的な換気を実現する)が含まれます。

タイカン ターボ GT には軽量セラミックブレーキが標準装備され、しかしこれはポルシェ セラミック コンポジット ブレーキ (PCCB) をベースにした発展形であり、”重量の観点から最適化されている”ことが一つの特徴。

ブレーキディスクチャンバーとブレーキキャリパーハウジングの設計変更により、2kg以上の軽量化が図られ、ブレーキキャリパーは(他のブレーキシステムとの違いを示すためか)ビクトリーゴールドで塗装されています(ポルシェの場合、フェラーリやランボルギーニ、マクラーレン等と異なり、ブレーキキャリパーのカラーはモデルや機能とリンクしており、一部例外を除くとカラーを自由に選ぶことはできない)。

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エクステリアにおける特徴だとタイカン ターボ GT専用のエアロブレードつきフロント スポイラー、リアのアダプティブ スポイラーとカーボンファイバー製ガーニーフラップを挙げることができますが、もちろん「ターボナイト」を用いた加飾が施され、しかしターボGTに用いられるフロントフード状のポルシェクレスト(エンブレム)とホイールセンターキャップ上のポルシェクレストは(ターボナイトではなく)カラー仕上げ。

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そのほか、リアの「Turbo GT」バッジはマットブラック、ウインドウモールはグロスブラック仕上げとなり、他モデルとは異なるディティールと法則を採用しているようですね。

ボディカラーにでは新色ペールブルーメタリックとパープルスカイメタリックを含む全6色が設定されており、新色については今後1年間、タイカン・ターボGT以外では選択できないと説明され、これはポルシェにとっては新しい試みだと言えそうです。

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インテリアについては(エクステリアや走行性能ほど)他モデルとの大きな差異はなく、しかし基本構成としてはスポーティなブラックレザーとレーステックス(軽量素材)が使用され、カーボン織り仕上げ(ハイグロス)の軽量フルバケットシートも標準装備。 ※ボルトブルーまたはGTシルバーのコントラストを用いた専用インテリアも選択できる

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アダプティブ スポーツ シート プラス (電動による18 ウエイ調整およびメモリー パッケージ付き) はオプションとして追加料金なしで注文でき、フロントヘッドレストにはTurbo GTロゴが刺繍され、同じくモデルロゴが入ったバッジがエアコン制御パネルの下に設置されることで特別感をアピールしています。

新型ポルシェ・タイカン・ターボGTがラグナセカを走る動画はこちら

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参照:Porsche

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