| EVにおけるニュルブルクリンクのタイムはここ数年で28秒も短縮されている |
この新型ポルシェ・タイカンのグレード名は「ターボGT」ではないかと見られているが
さて、ポルシェがフェイスリフト版のタイカンをニュルブルクリンクへと投入し「テスラ・モデルSプレッドのラップタイムを更新」したと発表。
この「フェイスリフト版タイカン」はまだ発表がなされておらず、よって詳細や(グレードの)名称すらわかっていない状態ですが、モデルチェンジやフェイスリフト前にニュルブルクリンク最速記録更新をアナウンスし、その後に満を持してニューモデルの発表を行うというのがここ最近のポルシェの通例となっているようですね。※ポルシェは今回の挑戦をまとめたフルレングスの動画を3月に公開するとコメントしているので、新型タイカンの発表時期もそのあたりだと思われる
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ただしこのタイムは「EV最速」ではない
今回ポルシェが発表したタイムは7:07.55で、これはテスラ・モデルSプレッドよりも18秒速く、しかし「ニュルブルクリンクでのEV最速」タイムではないことには注意を要します。
というのもEV最速タイムはリマック・ネヴェーラの持つ7分5秒298という記録であるためで、さすがのポルシェといえどハイパーカーの記録に迫ることはできなかったものと思われます。
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参考までに、2021年にはテスラ・モデルSプレッドが7分35秒579を記録して「EVニュル最速」に輝き、その後ポルシェがタイカン・ターボSの7分33秒35にてこれを塗り替え、さらにテスラが再びモデルSプレッドにて7分25秒231を記録してポルシェから王座を奪還することに。
そして今回ポルシェが「7分7秒55」を記録しテスラのタイムをさらに更新したということになりますが、たった数年で恐ろしくニュルブルクリンクのラップタイムが短縮されたということがわかり、この流れを見るに「そのうちEVもニュルブルクリンクで7分を切る」ようになるのかもしれません。
実際のところ、ポルシェにてタイカンのモデルライン責任者を務めるケビン・ギークは「7分7秒55はセンセーショナルなタイムであり、タイカンがエレクトリックハイパーカーに近いレベルにあることを意味している。さらに印象的なのはラーズ・カーン(ポルシェのテストドライバー)が数週にわたり同じレベルのタイムを記録したことだ」と語っており、新しいタイカンに対してはそうとうな自信を持っているようですね。
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今回記録を更新したのは「タイカン・ターボGT」?
上述の通りポルシェはまだフェイスリフト後のタイカンシリーズを発表しておらず、よって今回記録を更新したタイカンのグレードは現時点では「不明」です。
しかしおそらくは「ターボGT」なる名称が与えられるのではないかと見られており、画像を見るとウイングレット付きのエアロパーツを備える前後バンパー、そしてステーを持つウイングを確認可能。
今回のタイム更新についてはこうしたエアロパッケージの改良が寄与していることは間違いなく、しかしバッテリー技術、さらにはバッテリーの(充電含む)マネジメントシステム、エレクトリックモーターの出力(もしかしたら個数までも)やトルクベクタリング等全域に渡る改善を行ったであろうこともまた確実で、さらには出力が1,000馬力に達するというウワサも。
そしてもし本当に「GT」の名が与えられるのであれば(エアロパッケージから判断するとGT系なのは間違いなさそう)、ポルシェのGT部門によって送り出される初のピュアエレクトリックカーということになり、これもまたポルシェの歴史における新しい1ページということになりそうですね。
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参照 / Photo:PORSCHE