
Image:Porshce
| ポルシェはもともとリコールが少なく、911に関するリコールはさらに少ない |
今回のリコールはいずれも「事故に直結する」ものではないが
さて、ポルシェが北米にて911に関する2件のリコールを届け出。
すでにお伝えしているとおり、ポルシェは非常にリコールが少ない自動車メーカーであり、実際に昨年のリコール件数は13件のみにとどまり、そのうち911に関するリコールは2件だけとなっています(911と718ケイマン / ボクスターはポルシェ自社設計なのでリコールが少なく、マカンやカイエン、パナメーラの場合は他社とプラットフォームやコンポーネントを共有するためにポルシェがコントロールできない部分があり、リコールが多めになっている)。
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2024年、もっともリコールが少なかったのは「マクラーレン」。一方、メジャーメーカーではマツダがもっともリコールが少なく、トヨタはマツダの「倍」のリコールを届け出ていた
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今回のポルシェのリコールはこんな感じ
そこで今回ポルシェが届け出たリコールを見てみると、ざっとその内容は以下の通り。
- 2025年モデル ポルシェ911(リコール25V-079)
- 影響を受ける台数: 878台
- 問題: 前部電子制御ユニット(BCM1)のソフトウェアエラーによりヘッドライトの高さ調整機能に問題が発生。具体的には、リアフォグライトが作動し、車速が時速37マイル(約60km/h)未満の場合、運転席側のロービームが0.57度下がり、対向車両に眩しい光を与える可能性が生じる
- 解決策: BCM1制御ユニットのソフトウェアを更新し、エラーを修正し、オーナーには2025年4月11日までに通知され、無償で修理が行われる
- 影響を受ける車両の生産期間: 2024年6月19日〜12月9日
- 2023年モデル ポルシェ911(リコール25V-078)
- 影響を受ける台数: 279台
- 問題: 後部座席のシートベルトバックルが設計通りに取り付けられていない可能性があり、時間が経つと緩んでしまうことも。このエラーは生産中の従業員のミスによるもので、事故時にボルトが外れてしまうリスクがあり、これにより、後部座席の乗客が怪我をする危険が増加する
- 解決策: 対象車両はシートベルトバックルとボルト接続の点検を受け、必要に応じてボルトの締め直しが行われる
- 影響を受ける車両の生産期間: 2023年2月17日〜9月13日
これら両方のリコールは同日に発表され、オーナーには2025年4月11日までに通知されるそうですが、もちろん修理はポルシェの新車限定保証の範囲において無償で行われ、幸いなことに、これらの問題に関連する事故は報告されておらず、ポルシェは今後同様の問題が発生しないよう、長期的な対策を講じていることについてもアナウンスされています。
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参照:NHTSA