
| 現代においては「スポーティーな3ドアハッチバック」が活動できるスペースはほとんど残されていない |
それでもシロッコの復活はたびたび話題にのぼっている
さて、現代の自動車業界における「あるある」が「往年の名車がSUVとして蘇る」。
たとえば三菱エクリプスやクラウンはその最たる例かと思いますが、そのほかにもマスタングにSUV(マッハE)が追加されたり、コルベットにSUVが追加されるというウワサ、そしてフェアレディZは「SUVとなる計画も存在した」など世界中にさまざまな事例あるいは計画が存在します。
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フォルクスワーゲン「過去の名車をSUVとして復活させることはない」
そこで今回報じられているのがVWブランドCEO、トーマス・シェーファー氏のコメントで、これを見るに(現時点では)同社は自社のクルマの歴史とレガシーを大切にしており、過去のモデルを再起動することには興味がないもよう。
新たな製品企画によってSUVやクロスオーバーが生み出される可能性はあるものの、それらのモデルは会社の過去の名車のバッジを冠することはないと述べ、この点を強調するため、トーマス・シェーファー氏は「シロッコが決してSUVになることはない」と明言しています。
「シロッコは非常に特別なモデルです。他にもいくつか例を挙げることができますが、もしそれが元々の車のDNAを本当に強く反映していないのであれば、別の名前を付けて別のことをする方がいいと思います。」
この発言は「いくつかの自動車メーカーが古いモデルを全く新しいジャンルにリブートすること」を批判されている時期に出てきたもので、かつてはスポーティなファストバッククーペだったフォード・カプリがSUVとなってしまったことを暗に揶揄しているのかもしれません。
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「もし何かを、それが実際に何であるかを呼ぶのであれば、非常に慎重であるべきです。例えば、もしそれがGTIなら、それはGTIでなければなりません。それは私たちのモデルであり、元々の遺伝子に忠実でなければならないのです。」
ちなみにですが、フォルクスワーゲンは過去に「EVへの転換は100年に一度のチャンス」と述べ、当時批判の嵐が吹き荒れていたディーゼル不正事件の印象を一新するため、EVへのラインアップ転換を機に「デザイン、車名」をそれまでのものと全く異なるものへと一新し、過去をなかったものにしようとしたことも。
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ただし消費者が思うように「ついてこなかった」こともあり、よってフォルクスワーゲンは過去のアイコニックなモデルの名を存続させ、とくに「GTI」について電動化時代にもパフォーマンスブランドとして存続させるという判断を下しています。
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VWが電動化時代の「GTI」ロゴを出願。これまで「インジェクション」を意味していた「I」が稲妻に置き換えられる
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そこでシロッコに話を戻すと、シロッコは1970年代に初めて登場し、1980年代を通じてVWのパフォーマンスを示す象徴となったものの販売が終了してしまい、16年のブランクを経て2008年に復活。
しかし2017年に販売が終了したのち後継モデル登場についてはアナウンスがなされておらず、しかし新しいシロッコに関する噂は、ここ1年ほどでちらほらと流れていて、おそらくパフォーマンスEVとして復活する可能性高いもよう。
仮に「ピュアエレクトリック」としてシロッコが復活したとして、シロッコの名前にふさわしいDNAをまだ持っているのかどうかは現時点では判断ができず、その名を名乗るには「ボディ形状」だけではなく、そのキャラクター、そしてパフォーマンスが伴う必要があるのかもしれませんね。
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