>VW(フォルクスワーゲン/Volkswagen)

VWは次期ID.3とID.4にて大きな変化を取り入れ、デザインは「昔のVWっぽく」。加えて内装にも変化がもたらされ、より高級、しかし冷たさを排除しフレンドリーなデザインへ

フォルクスワーゲン

| VWは現在危機的状況にあるだけに、その対策に対しても「全力で」取り組んでいる |

そして対策が奏功すれば、状況が一変する可能性も秘めている

さて、ここ1年で「急激な」不振に陥ってしまったフォルクスワーゲンですが、直近ではそれを打開すべく様々な戦略を展開しています。

たとえば「(不評だった)内装の操作系見直し、中国の振興EVメーカーとの提携、それによる車両制御ソフトの導入や開発手法の導入、そして廃止を決めていたガソリン時代の車名の復活(継続使用)など。

ただ、ぼくら消費者にとって最も大きな、そして視覚的に理解しやすい変化が「デザイン」かもしれません。

VW
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今後、フォルクスワーゲンのデザインはこう変わってゆく

まずフォルクスワーゲンは、ID.3とID.4のデザインを一新する準備を進めているといい、これらID.3とID.4は、それぞれのセグメントにおいてフォルクスワーゲンの最初のEVの一つです(ただし販売は期待通りには進んでいない)。

ID.3が2019年に発売された際には、テスラ・モデルYの優位性に挑戦できる可能性があると考えられていましたが、結局それは実現せず、その一因として現在のIDシリーズのデザイン言語があると考えられていて、とまりモデルYが「テスラらしい」デザインを持つのに対し、IDシリーズは「フォルクスワーゲンらしくはなく」、よって消費者がそれを識別できないと指摘されているわけですね。

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よって、フェイスリフトを受けたID.3は未来的なルックスから「ややフォルクスワーゲンのガソリン車っぽい」雰囲気へと”バックデート”されることとなりましたが、フォルクスワーゲンの開発責任者であるカイ・グリュニッツ氏は、モデルチェンジ版となるID.3とID.4の両にが新しいデザイン言語を採用するとコメントし、「ID.4とID.3には、完全に新しいデザイン言語を導入し、元々のデザインに立ち返る形で、フォルクスワーゲンが何を表わしているかに戻ります」と述べることに。

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Image:Volkswagen

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これにより現在のIDモデルのやや曖昧なスタイリングは廃止され、より一貫性があり認識しやすい美学が採用されることになりますが、デザイン責任者のアンドレアス・ミント氏は、より洗練された明確な2ボックス型シルエット(つまり初代ゴルフのような)を採用し、IDモデルにより明確なアイデンティティを与えるアプローチを導入する、とも明言しています。

さらにカイ・グリュニッツ氏は新型ID.3とID.4の実用的な改善についても言及し、「バッテリーコストや性能の改善も行い、新しい機能や運転支援機能も追加されます。そのため、私たちにとってコスト面でも大きな改善があり、顧客にとってもメリットがあります」とも。

加えてフォルクスワーゲンは「内装の質感」という感覚的な部分においても改良を加える計画を公表していて、現在の「安っぽく、冷たく」感じるプラスチックパーツの素材を置き換えると宣言しており、これは新型ミニのような「ファブリック」へと変更されることになりそうです(温かみが感じられ、親しみやすさもある)。

まだまだ新しいID.3そしてID.4がどう変わってゆくのかは明確ではないものの、フォルクスワーゲンが「本気で」取り組んでいることは間違いなく、よって続報には大きく期待したいと思います。

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