| ランボルギーニは「自然吸気エンジン」にこだわる数少ないスーパーカーメーカー |
ランボルギーニはアヴェンタドール後継モデルにおいてもV12エンジンを存続させることを明言していますが、そのために「ハイブリッド化を行う」のはもはや既定路線。
ただしハイブリッド化の手法が(バッテリー技術の進歩が思ったようなレベルに達しないため)定まらず、ランボルギーニはアヴェンタドール後継モデルの発売を2024年まで(予定より3年ほど)延期する、とも報道されています。
採用するハイブリッド技術についてはまだ決まっていない
そこで今回カーメディア、Motor Authorityがランボルギーニの技術部門トップ、マウリッツォ・レッジャーニ氏に「V12エンジンとエレクトリック化」についてインタビュー。
具体的には「ランボルギーニの未来のパワートレインはどうなっているか」ということですが、マウリッツォ・レッジャーニ氏は「ランボルギーニというブランドはV12エンジンをコアにしている。それは間違いない。そして二酸化炭素の排出量を引き下げねばならないこともまた明白だ。エレクトリック化はそれを解決し、さらなるパワーを得るための手段となりうる」。
さらに「世の中の多くのスポーツカーメーカーはダウンサイジングターボを選択した。だが、我々は自然吸気エンジンで行こうと決めている。だからダウンサイジングターボはない」とも語っています。
なお、ここまではこれまでも幾度となく語られた既定路線。
ただ、ガソリンエンジンとエレクトリックパワートレインとのバランスが問題だともぼくは考えていて、つまりガソリンエンジンを「ダウンサイジングターボ」とせずとも、NAのままダウンサイズし、そのぶんモーターのパワーを上げることもできるんじゃないかと考えたりするわけですね。
たとえばガソリンエンジンを4リッターV12(自然吸気)あたりまで縮小し、そこから500馬力くらいを発生して、フロントに200馬力モーターを二個、トランスミッションに100馬力のモーターを積めば「1000」馬力を達成できることになるんじゃないか、とも(安直に)考えたり。
ただ、このシステムは相当に高価になりますし、バッテリーもかなりの容量が必要となるので、やはり「次世代バッテリーの実用化」を待つ必要があるのかも。
もちろんこの問題を最も真剣に考えているのはランボルギーニであり、バッテリーの代わりにスーパーキャパシタを使用するという案も出ています。
現在V12を抱えるメーカーとしては「メルセデス・ベンツ」「BMW」「ランボルギーニ」「アストンマーティン」「フェラーリ」「パガーニ」がありますが、このうち自然吸気エンジンを採用するのはランボルギーニとフェラーリのみ。
そのほかはターボエンジンを採用しており、それは「そのほうが規制をクリアしやすいから」。
つまり同じ馬力を出すにはNAよりもターボのほうが二酸化炭素排出量が少なく、同じ二酸化炭素排出量であればターボのほうがNAより有利ということですね。
かつ、ターボエンジンは比較的低コストでパワーを引き出すとことができるというメリットも存在します。
つまりランボルギーニは自ら好き好んで「茨の道」を歩んでいることになり、それもすべて「NAの持つリニアなパワー」を重視したため。
ターボエンジンはどうしてもターボラグが存在し、ランボルギーニはこれを「許容できない」と考えているということになり、この考え方はポルシェ911の「GT3系」についても同様です。※ウルスについては、その車体重量を考慮し、トルクに勝るターボエンジンが必要という判断
見た目の「数字」としてのパワーを追求するためにターボを選択するというのもアリですが、ランボルギーニ、ポルシェは「数字」よりも「ドライバビリティ」を重視しているということになり、そのためにどうNAエンジンを存続させ、そのためにどうエレクトリック化を行うか、ということについては試行錯誤を繰り返している、ということになるのかもしれません。
なお、フェラーリもV12エンジンを存続させる意向を持っており、しかしこちらは「エレクトリック化しない」とも明言。
同じスーパーカーメーカーといえど、その方針は随分異なるようですね。
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これまでにもランボルギーニはハイブリッド化について触れているものの、その発言を見るに、なかなかエレクトリック技術が思うレベルに達せず、かなりな苦労を強いられていることもわかります。