| ランボルギーニはエレクトリックにその未来を見る |
ランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏がカーメディア「The Drive」のインタビューに答える形で「2021年に登場するであろうアヴェンタドールの後継モデル以降、ランボルギーニのスポーツモデルはプラグインハイブリッドになる」と述べた模様。
それまでにはウルスのPHEVが登場する可能性も高そうですが、つまりはアヴェンタドール後継ののちに発表されるであろう「ウラカン後継モデル」もハイブリッド化される、ということですね。
ランボルギーニ属するVWグループは「エレクトリック化」が加速
なお、ランボルギーニは現在フォルクスワーゲングループに属するものの、ランボルギーニだけではなく「グループ全体」がエレクトリック化に向けて動いており、特にポルシェはその急先鋒。
その勢いたるや2025年には販売の50%をエレクトリック化するとしているほどで、じき発表される新型911(992)についてもモデルライフ後半にはついにPHEVが登場する、と言われます。
フォルクスワーゲンはすでにエレクトリックブランド「I.D.」の立ち上げを発表していて、アウディはすでに「e-tron quattro」を発表。
同じくフォルクスワーゲングループに属するベントレーもエレクトリック化へ舵を切る意向を示し、ランボルギーニもこれに合わせる形となりそう。
なお、ランボルギーニがエレクトリック化に動くもう一つの理由は「大排気量自然吸気エンジンの継続」。
マクラーレンは登場初期から「ターボ」ではあるものの、フェラーリやアストンマーティンのように自然吸気エンジンを捨てて「ターボ化」するメーカーも登場していて(フェラーリはV12エンジンについては自然吸気を継続の意向)、しかしランボルギーニは「大排気量自然吸気エンジン」を一つのコアバリューに位置付けており、これを継続するためのエクスキューズとして「エレクトリック化」するということになりそうです。
ポルシェですらもどんどん自然吸気エンジンを廃止する中にあって「自然吸気エンジン」の採用が差別化になるということですが、自然吸気エンジンを貫くには「ハイブリッド化しないと環境規制をクリアできない」わけですね(他社のターボ化も理由は同じで、主には環境規制対応のため)。
ただ、エレクトリック化はそう簡単ではなく、構造が複雑なことやバッテリーの重量がかさむことから製造や運動性能において問題を抱えることになり、「ターボ化」のほうがずっと簡単。
それでもランボルギーニは茨(いばら)の道を歩むということになり、しかしVWグループの持つノウハウやコンポーネントを利用することでマクラーレンやフェラーリに比較して「より優れた」ハイブリッドモデルを発売してくるかもしれませんね。
なお、一説によるとアヴェンタドール後継モデルはハイブリッド化によって1172馬力、ウラカン後継モデルは985馬力に達するとされ、それぞれ現行モデルと同じエンジンを使用すると仮定すれば(これから新型V12/V10エンジンを開発することはもはや世間的に許されない)、それぞれ300馬力以上も出力が向上することになりますが、これはつまり「ハイブリッド化によって得られる馬力」だと考えられ、相当に高出力なモーターや高性能バッテリーを積むことになりそう。
ちなみにポルシェ918スパイダーは3つの(トランスミッションに一つ、フロントアクスルに2つ)モーターによって220馬力を獲得していて、仮にランボルギーニの「新型V12」「新型V10」モデルが300馬力を得るとなるとこれを大きく超えることになり、どういったシステム構成となるのかは気になるところ。
ただ、ランボルギーニはそのコンセプトカー「アステリオンLPI910-4」で実際に「+300馬力」を実現しており、難しいことではないのかもしれません(アステリオンに使用されたハイブリッドシステムは非常にコストが高く、市販できるレベルになかったことは懸念ですが)。
VIA: The Drive