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欧州で勢力拡大中の中国車。欧州車より30%程度安く販売されているが性能はどうなのか?「アクセルを踏むと制御不能、とんでもない事態に」【動画】

2023/09/17

欧州で勢力拡大中の中国車。欧州車より25−30%程度安く販売されているが性能はどうなのか?ユーチューバーがその危機回避能力をテストする【動画】

| たしかに中国車の動力性能は欧州車に比較すると劣ることは間違いない |

しかしそれでも、クルマを移動手段として捉える人であれば多少のことには目をつむるであろう

さて、ここ数日EU(欧州連合)が中国製EVに関税を課すために調査を開始したこと、そしてそれに対して中国が強い不快感を表していることが報じられていますが、それもこれも欧州で「中国製EVが洪水のように溢れかえり、現在(EV市場で)8%のシェアを獲得したうえ、数年内にはこれが倍になる」と見られているため。

たしかに中国のEVは見た目がクリーンで先進的、そして優れたインフォテイメントシステムを持ち、価格やパワーなど目に見える数字も魅力的です。

EU規制当局が欧州内で勢力を拡大し続ける中国車に対し関税導入を検討。当然中国はこれに反発しており、自動車業界を超えた問題に発展する可能性も
EU規制当局が欧州内で勢力を拡大し続ける中国車に対し関税導入を検討。当然中国はこれに反発しており、自動車業界を超えた問題に発展する可能性も

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ボクは中国車に強い興味を持っている

なお、取り上げる頻度が高いことでもわかるように、ぼくは中国車に対して強い興味を持っていて、それは自身の購買対象としてではなく、「どの程度優れたクルマであり、本当に日米欧の自動車メーカーの脅威となりうるのか」という性能面において。

もちろん中国製EVにスポーツカーのような運動性能を求めているわけではなく、しかし製造や仕上げの品質、自動車として備えているべきドライバビリティやコントロール性、安全性をちゃんと保有しているのかということに関心がある、ということになります。※実際に何度か目にする機会はあるが、あれだけ騒がれたLynk&Coのクルマでも仕上げはあまり良くない

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今回取り上げられるのはBYD Han

そして今回、ムーステスト(エルクテスト)専門Youtubeチャンネル、Km77にて取り上げるのは躍進著しいBYDが送り出すプレミアムサルーン「HAN(ハン)」。

これは全長4.99メートル、デュアルモーター搭載(4WD)で571馬力を発生するというクルマで、数字だけを見ると非常に堂々としたもの。

ただしその価格は欧州で69,990ユーロから、そして「5メートル前後、450馬力以上、AWD」に絞るとこのハンの次に高価なのはテスラ・モデルSの94,990ユーロ、そしてポルシェ・タイカン4Sの101,153ユーロ、メルセデス・ベンツEQE 43 4MATICの108,888ユーロ、アウディ e-tron GT 60 quattroの110,290ユーロ、そしてBMW i5 M60 xDriveの114,250ユーロ。

つまり、ここからも「欧州のライバルに比較すると3割くらい安い」ということがわかります。

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実際にBYD ハンでスラローム、そしてムーステストを走ってみるとどうなのか

そしてここからは気になるBYD ハンのスラローム、そしてムーステストを走った様子。

BYD ハンにはミシュラン・パイロットスポーツ4Sというハイグリップタイヤが装着されており、それなりの結果を出すことが期待されますが、スポーツモードでスラロームを走行した場合、アクセル操作に対して急激にパワーが立ち上がるために姿勢を乱しがちで、優れたグリップを持つタイヤを装着しているにもかかわらず思い通りのラインを描くことが非常に困難です。

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パイロンを越えるたびにますますリアが大きく振り出され、最終のタイムは23.9秒で・・・。

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そのタイムはこんなポジション。

なお、テスターはBYD ハンについて「スラロームでは楽なクルマではない」とコメントしています。

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その後エルクテストを走ってみますが、これは欧州で一般的な指標であり、「道路にシカが飛び出してきた」ことを想定し、それを避けてまたもとの車線に復帰する際の性能を試すもの。

これは国やそれに準ずる機関が「義務付けて」いるものではなく、この数値が悪くともクルマを発売できないわけではないものの、メディアによるテスト結果が悪く、(メルセデス・ベンツAクラスのように)発売が延期されたクルマも多く存在します。

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一般的には「時速77キロ」でこれをクリアすることが理想なのですが、BYD ハンはこの速度だとまったくパイロンをくぐることができず、強いアンダーステアによって「ほぼ制御不能」。

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コーンを跳ね飛ばし続け、かなりコントロールが難しいようですね。

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ドライバーもあわただしく修正舵を当てるなど、やはり「楽ではない」ことがわかります。

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時速62キロまで落とすと「問題なく」クリアができるものの、74キkm/hに速度を上げるとやっぱりパイロンに接触。

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75km/hに上げてみるとその失敗の原因が顕著になり、まずは最初の回避の時点でパイロンを踏んでしまい、この時点で大きくコースを逸れるために「元の車線への復帰」が非常に困難となるわけですね。

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結論としては「回避動作中にアクセルを踏むと、制御不能になってとんでもない結果に陥る」とのことですが、冷静に考えてみると極端に悪い数字ではなく、(日米欧の)一部SUVに比較するとむしろいい結果を残しており、販売を伸ばしていることにも納得がゆきます(許容できない人は許容できないだろうが、価格を考慮して妥協する人も少なくはないと思う。とくにクルマをA地点からB地点への移動の道具と捉える人であればなおのこと)。

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BYD ハンがスラローム / ムーステストを走る動画はこちら

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参照:km77.com

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