>日産/インフィニティ(Infiniti)

日産「次期GT-Rのためのプロジェクトが存在し、実際にそこで働く人がいます」。しかしこの状況で日産はGT-Rに多くのリソースを割くことはできないであろう

まるで未来のGT-R。日産がハイパーコンセプトのラスボス「ハイパーフォース」公開。プラズマアクチュエーター、変形コクピットなどSF感満載

Image:Nissan

| 日産幹部は口々に「次期GT-R」について語っているが |

これらは「期待をつなぐだけ」であって実際にはなんら計画が進行していないのかもしれない

さて、現在の苦境と同じくらい話題となるのが「次期GT-R」。

日産はすでに(先月開催されたニューヨークオートショーにて)「GT-Rは間違いなく復活します」と述べており、そして今回は製品マーケティング戦略担当副社長のアルノー・シャルパンティエ氏がカーメディアのインタビューに答える形で「新型スーパーカーの開発に積極的に取り組んでいる」とコメントし、ますます復活にかけての期待が高まっています。

日産の重役はかく語る

そしてアルノー・シャルパンティエ氏が語ったのは以下の通り。

「(GT-Rの)開発に取り組んでいる人たちはいます。いつ、どのように、正直なところ、私たちにはわかりません。しかし今日、私たちが求めているのは、単にスポーツカーを作ることではなく、今後数年間で(機能すると)予測できるパワートレインを備えたスポーツカーを作ることです。電気自動車であろうと電動化であろうと、それはスポーツカーであることに変わりはありません。しかし、EV SUVと同じパフォーマンスになってしまうと、問題が生じます。」

さらに同士は「日産がR36でどのような方向性を取ろうとも、このフラッグシップモデルはスポーツカーの概念を刷新する必要があります」と述べており、次期GT-Rが(R35 GT-Rがそうであったように)驚きのパフォーマンスとともに登場することは間違いなさそうでです。

ただ、次期GT-Rについては日産自身が語る内容についてもいくつかの方向性があり、日産ヨーロッパのデザイン担当副社長、ジョバンニ・アローバ氏は(次世代GT-Rを示唆する)ハイパーフォース・コンセプトをして「2020年代末までに実現すべき具体的な夢」だとコメント。

日産がR35 GT-R「2025年モデル」発表。2007年発売当時に比較してベースモデルの価格は「倍」、そしてGT-R NISMOではついに3000万円オーバーへ

Image:NISSAN

日産が次期GT-Rについて語る。「何かが変わっても、本質はGT-Rであることに変わりはない」。なお現行GT-Rには歴代モデルを意識した特別仕様が追加されるもよう
日産が次期GT-Rについて語る。「何かが変わっても、本質がGT-Rであることは変わらない」。なお現行GT-Rには歴代モデルを意識した特別仕様が追加されるもよう

Nissan | もし2025年モデル限りで現行GT-Rが終了するとなれば、日産はそれを記念し盛大に限定シリーズを発売することになるだろう | ただし次期GT-R登場までは少し時間を要することになるよ ...

続きを見る

北米日産の上級副社長兼最高企画責任者であるポンツ・パンディクティラ氏はR36が第3世代アキュラNSXとツインモデルになる可能性を示唆し、日産の欧州法人にてデザイン担当副社長を務めるマシュー・ウィーバー氏は「新型(R36)GT-Rにはゴジラ的要素が付加される」ともコメントするなど多くの日産幹部が新型GT-Rについて熱心に語りますが、今のところ「どれを信じているのかもわからない」状況でもあり、もしかすると日産自身にとっても「なんら次期GT-Rについての計画は決まっていない」のかもしれません。

日産上級役員が次期GT-R(R36)についてコメント。「ええ、新しいGT-Rにはゴジラ的要素が盛り込まれます。GT-Rは美しさのコンテストで勝つための車ではありません」
日産上級役員が次期GT-R(R36)についてコメント。「ええ、新しいGT-Rにはゴジラ的要素が盛り込まれます。GT-Rは美しさのコンテストで勝つための車ではありません」

Image:Matthew Weaver | やはり次期GT-Rは「レンガのような」、とうてい速くなさそうに見えてとんでもなく速いスポーツカーとなりそうだ | ボクにとってもGT-Rは「常識を超越した ...

続きを見る

現日産CEO、イヴァン・エスピノサ氏には期待したいところではあるが

4月より日産にてCEOを務めるイヴァン・エスピノサ氏は毎日フェアレディZで通勤するほどの熱心な車クルマ好きで、前任者の内田誠氏は、彼を「真のカーガイ」と表現。

実際のところイヴァン・エスピノサ氏はシルビアの復活にも意欲的で、この新型シルビア、あるいは新型GT-Rが(同氏の就任によって)一歩近づいたと言われます。

しかし、現実的な視点を持つ必要があることも間違いなく、現在日産は「2万人の雇用を削減し、7つの工場を閉鎖し、6つの車両プラットフォームを廃止し、ルノーの複数のモデルのバッジを変更し、一部製品の開発を一時停止し、部品の複雑さを70%削減する」計画を持っており、冷静に考えるならばこの状況でGT-Rを開発する余裕などはないのかもしれません。

日産が2022年モデルのGT-Rニスモ、そして特別仕様車「NISMO Special edition」先行公開

Image:NISSAN

苦境に立たされている日産としては「明らかに、より重要な優先事項」を抱えており」、量産SUVを犠牲にしてGT-Rやシルビアを優先する可能性は非常に低く、よって「実際に売れる」新型セントラ(セダン)をはじめ、他の主力モデルの開発も進めていて、これが最優先となるのは間違いないかと思われます。

確かに新しいスーパーカーは日産のイメージを向上させ、ショールームへの来場者を増やすかもしれませんが、それだけでは「飯が食えない」のも事実であり、財務担当者としては量産車を拡充することで”安全策”を取るほうを選択するかもしれませんね。

合わせて読みたい、次期日産GT-R関連投稿

日産R35 GT-R
次期日産GT-Rはどんなクルマに?GT-Rはいつの世もスポーツカー界にパラダイムシフトを起こさせてきた存在であり、次期モデルもそうあるべきだと思う

| ほかの自動車メーカーが「そんなバカな」というほどのクルマでなければ、それはGT-Rではない | やはりこれからの開発となると「ピュアエレクトリック」しかないだろう さて、日産は先日2022年モデル ...

続きを見る

日産上層部が「2030年までに、新型R36 GT-Rは全固体電池を搭載し、ハイパーフォースコンセプトの進化版として登場する」可能性を示唆
日産上層部が「2030年までに、新型R36 GT-Rは全固体電池を搭載し、ハイパーフォースコンセプトの進化版として登場する」可能性を示唆

| 現時点ではどの程度まで開発が進んでいるのかはわからないが、「全固体電池」「E-4ORCE」が今後の日産の核となるのは間違いない | そして新型R36 GT-Rはパフォーマンス面のみではなく、日産の ...

続きを見る

日産とホンダ、合併は消えたがスポーツカーで手を組むか?次期NSXとGT-Rとが共同開発となる可能性について日産上層部が言及する
日産とホンダ、合併は消えたがスポーツカーで手を組むか?次期NSXとGT-Rとが共同開発となる可能性について日産上層部が言及する

| なお、2代目NSXに採用されるSH-AWDは日産にてアテーサE-TSを開発したチームによるものだとされている | 現時点でも日産とホンダとの「戦略的提携」は有効である ホンダと日産の”合併話”は頓 ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->日産/インフィニティ(Infiniti)
-, ,