
| なお、2代目NSXに採用されるSH-AWDは日産にてアテーサE-TSを開発したチームによるものだとされている |
現時点でも日産とホンダとの「戦略的提携」は有効である
ホンダと日産の”合併話”は頓挫したものの、両社の”協業に向けた話し合い”が継続中であることが明らかに。
これは日産北米のシニアVP兼チーフ・プランニング・オフィサー、ポンズ・パンディクティラ氏が米国カーメディアに対し、実際に「ホンダとの議論は今も進行中である」と語ったことから、”単なる憶測ではなく事実”として報じられています。
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ホンダと日産とが「EV分野で提携」を模索しているとの報道。両者は現在「取り残された感」があるだけに、生き残りをかけ手を取り合うしかないだろう
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次期ホンダNSX、次期日産GT-Rは「共同開発」に?
今回の発言にて注目すべきは「次世代NSXとGT-Rを同じプラットフォームで共同開発できるか」という可能性への言及で、同氏はまず以下のように語っています。
「NSXとGT-Rを同じプラットフォームで開発して、でもそれぞれの“らしさ”を失わずにいられるか?クローンではなく、本物のNSX、本物のGT-Rとして成立するか?私は、それが可能だと思っています。」

Image:Honda
これは単なる夢物語ではなく、アキュラおよびホンダはすでに“NSXタイプ”の電動スポーツカーの市販を公式に認めており、日産もつい先日ニューヨーク・オートショーで新型GT-Rの復活を明言したばかり(つまり両者とも市販に向けての動きが具体化している)。
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報道によれば、新型GT-Rは3〜5年以内に登場し、ハイブリッド化される可能性が高いともいわれています(よって、現時点では次期NSXはピュアエレクトリック、次期GT-Rはハイブリッドということになり、この路線のまま進むならば、両者がクローンとなることはないであろう)。
それぞれの“らしさ”を守りながらの共創
さらにポンズ・パンディクティラ氏は、NSXとGT-Rの明確なキャラクターの違いについてもこうコメント。
「NSXは超軽量のオールアルミ構造で、航空機的な精密さを備えたクルマ。一方、GT-Rは“洗練された野獣(sophisticated brute)”なんです。」
つまり、軽快で正確きわまりないNSXと、パワフルで重厚、豪快なGT-R。
この個性を保ったまま、同じ土台で作ることが可能かを探っているというのが同氏の主張であり、もしかすると「すでに」相当なレベルにまで両者の間で話し合いが行われているのかもしれません。

参考までにですが、R32 GT-Rに採用されたアテーサE-TSを開発したチーム内メンバーの多くは(日産がその技術の開発を中止したため)ホンダに移籍したと報じられたことがあり、ホンダがそのメンバーの知見を活用して作り上げたのが(2代目NSXにも採用される)SH-AWDだとも言われており、その意味ではすでに「GT-RとNSX」は関連性を持っていると考えることができるのかも。
ホンダと日産との戦略的パートナーシップは続行中
なお、ホンダと日産との「合併」自体は破談となったものの、2024年8月に締結された「戦略的提携」は今も継続中(これらは別々の話)。
日産の新CEOであり、当時の合併交渉にも関わっていたイバン・エスピノーサ氏も「現在もホンダと継続的に対話している」と述べているので、なんらかの協議が行われていることは間違いがないようですね。
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「我々にはコラボレーションが必要です。今後クルマを届けるには、パートナーシップが重要な鍵になると思っています。」
とはいえ、これはまだGT-RとNSXの共同開発が決定したわけではなく、ボンズ・パンディクティラ氏はあくまで、「やろうと思えばできるという考えを示しただけ」だと明言しているのが現状なので、現時点ではなんらかの決定がなされたわけではなく、ぼくらとしては続報を待つしかんさそうです(ただ、根拠なくこの話をするとは思えないので、可能性を探ったことは間違いないであろう)。
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参照:Drive