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【VWのEVが大人気】ID.4やID.3が販売牽引、2025年上半期に電動化モデルがなぜか「売れるように」なり”失敗作”イメージを払拭

フォルクスワーゲン

| 「失敗事例」と揶揄されたVWのEV戦略が反転攻勢 |

しかも「受注」も好調、とうぶんこの勢いは継続されることになりそうだ

さて、「一体何があるかわからない」のが現実世界であり、近年だと「コロナウイルスの流行」「ドナルド・トランプ大統領就任後の政策」など世界を揺るがす、そして予測できなかった出来事がいくつか実際に発生しています。

そして今回もまたそういった事例の一つが報じられ、それはなんと「フォルクスワーゲンのEVが売れている」。

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フォルクスワーゲンのEVといえば「大失敗」の代表であったが

ソフトウェアの不具合、大規模なリコール、そして顧客の関心の低さ──フォルクスワーゲン(VW)のEV戦略は、長らく“教訓”の代名詞。

しかし2025年上半期のグローバル販売実績を見る限り、潮目が完全に変わったと言ってよさそうです。

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VWグループからのプレスリリースによると、今年上半期(1〜6月)に465,500台のEVを販売し、これは前年同期の317,000台から47%増加という快挙を成し遂げたことが報告されています(とくに地元欧州において、中国製EVの進出が問題視されている状況においては)。

さらにはEVがグループ全体の販売台数の10%以上をはじめて占め、PHEV(プラグインハイブリッド車)も前年比41%増と好調である、とレポートされ、まさに「状況が一変」したようですね。

欧米で爆発的人気、中国の減速をカバー

VWグループのEV販売はヨーロッパで89%増、アメリカでは24%増という伸びを見せ、中国市場ではEVの過剰供給や現地メーカーの台頭により34%減となったものの、それを差し引いても全体的には「プラス成長」。

特に西ヨーロッパでは販売台数の20%がEVとなり、これは短期的なブームではなく、新規受注台数も60%増加していることから、(在庫処分が進んだというわけではなく)持続的な需要の高まりが伺えます。

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販売台数トップはID.4/ID.5、注目すべきはID.3の健闘

2025年上半期のVWグループにおけるEV販売台数トップ3は以下の通りで、中でもID.3の健闘は注目に値します。※VWバスのEV版、ID.Buzzはさほど売れていないようだ

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全長・全幅ともにゴルフよりやや大きく、標準モデルで最大WLTP航続距離約549km、上位モデル「GTX」は最高出力322馬力、航続距離約595kmを実現しており、まさに「EV版ホットハッチ」といえる存在ですが、このID.3はまだアメリカ市場へと輸出されておらず、よってこのID.3が北米でも展開されるようになれば、フォルクスワーゲンは「もっと」その販売を伸ばせるのかもしれません。

  • ID.4/ID.5:84,900台
  • ID.3:60,700台
  • Audi Q4 e-tron:44,600台

テスラに肉薄?販売競争が加熱

VWグループ全体の2025年上半期の販売台数は441万台(全体で+1.3%)で、そのうちEVは465,500台。

一方、テスラは同時期に720,803台のEVを販売しましたが、これは前年同期の830,766台から減少しているという数字であり、このペースが続ならば、VWが(ワールドワイドにて)テスラの背中を捉える日も遠くないかもしれません。

今のところ「なぜフォルクスワーゲンのEVが急に売れるようになったのか」、VWあるいはアナリストからの報告がなされていない状況ですが、その理由についてもぜひ知りたいところですね。

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