
Image:Mate Rimac(Instagram)
| 「CEOの愛車がコレ!?」ハイパーカーブランドのトップが乗るのはVWゴルフR32 |
メイト・リマック氏のキャリアは「改造」とともに始まっている
ブガッティ・リマックのCEOであり、電動ハイパーカーの先駆者でもあるメイト・リマック氏。
そんな彼が自身の公式Instagramで明かした普段乗りの愛車は、なんとフォルクスワーゲン ゴルフ R32です。
ブガッティ・シロンでもなく、リマック・ネヴェーラでもなく、2005年式のフォルクスワーゲン製ホットハッチ。
彼自身が「CEOが乗るとは思わないクルマでしょ?」と語るそのチョイスには、深い想いがあるようですね。
「19歳の頃から憧れていた」青春の1台、ゴルフR32
まずメイト・リマック氏が語ったのは以下のとおり。
「10代の頃、どうしても欲しかったクルマだったんです。」
そして将来的には、このゴルフR32をマニュアル・トランスミッション仕様でのレストモッドを検討しているとのこと。
インフォテインメントシステムや内装のプラスチック部品(の質感)には不満があるものの、R32の独特なキャラクターとサウンドは、いまでも彼を魅了し続けているようで、近いうちに「ゴルフR32レストモッド」プロジェクトが知らされることになるのかもしれません。
ゴルフR32とは?Rシリーズの原点にして異端児
3.2L VR6エンジン+4WDが生んだホットハッチの怪物
このMk5型ゴルフR32は2005年に登場し、3.2リッターV6エンジンを搭載して247馬力・32.6kgmを発生。
4WDシステム「4Motion(ハルデックス製)」と組み合わせることで、0-100km/h加速はわずか6.2秒を記録し、当時のBMW 330iよりも速かったというホットハッチ(この4WDシステムは、その後ゴルフのハイパフォーマンスモデルの定番となる)。
しかも、6速マニュアル仕様の方がデュアルクラッチATより速かったという事実も、走りを愛するリマック氏の好みに合っていたのかもしれません。
ちなみにですが、メイト・リマック氏は若かりし頃にはBMW E30世代のM3にてレースを走っており、しかしそのエンジンが壊れてしまったことから「ガソリンエンジンをエレクトリックモーターに」積み替えたという人物。
そこから電動化の未来を感じ取りリマックの設立に至るわけですが、こういった背景を持つだけに「レストモッド」にはなんら抵抗を持たないものと思われます。
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見た目は上品、中身は本気。R32は“ちょうどいいホットハッチ”
ゴルフ R32は単なる直線番長ではなく、以下のような走り(と外観)の強化も施され、さらにインテリアでは快適装備が充実しており、4つのバケット風シートやデュアルゾーンエアコンなど、普段使いにも適した設計を持っていたことも特筆すべき点です。
- 専用チューニングのサスペンション(強化ダンパー&スプリング)
- 大径スタビライザー
- 低められた車高
- バイキセノンヘッドライト&クロームアクセント
メイト・リマックによるレストモッド構想は夢物語ではない?
メイト・リマック氏はブガッティをリマック傘下に収めた直後、ブランドの完全EV化やSUV投入を否定し、代わりに「Tourbillon(トゥールビヨン)」というV16エンジンを搭載する”ほかのメーカーでは真似できない”新たなハイパーカーを世に送り出すことに。
そんな彼が、ゴルフR32のような個性あるホットハッチを最新技術で蘇らせたいと考えるのは自然な流れかもしれません。
もしかするとリマックの技術でアップデートされた“R32レストモッド”が、未来のストリートを走る日が来るかもしれず、続報を待ちたいところですね。
まとめ:ハイパーカーの裏にある「純粋なクルマ愛」
メイト・リマックという人物が、単なるビジネスマンではなく、真のカーガイ(クルマ好き)であることが今回の投稿からもはっきりと分かります。
最新EVハイパーカーを生み出す彼が、過去の名車にこだわり、レストモッドを構想していること自体、クルマ文化の未来に希望を与えてくれるひとつの光明だといえそうです。
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